難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2003年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●柔らかい日差しの注ぐなか、スタートを待つ参加者


●小中学生の参加が多いのも、この大会の特徴


●コースは主に国道となるものの、クルマの通行量は比較的少ない
 インターナショナルオホーツクサイクリングは、20年以上の伝統を誇る大会。しかも参加者数が1250人を超える('02年)という、日本一サイクリストの集まるセンチュリーランである。雄武町から斜里町までの212・は、国道をメーンとしたオホーツク海に沿った道。この道を、途中の常呂町での1泊をはさんで2日間かけて走るのだ。
 スタートの雄武町とゴールの斜里町は、200・以上も離れていてるうえ、両地点を結ぶ鉄道もバスもない。といっても、雄武町までのアクセスに悩む心配は無用。斜里町役場前と網走支庁舎前、そして女満別空港駐車場から臨時バスと自転車輸送用のトラックが出るので、それを利用すればいいのだ(ただし、事前の申し込みが必要)。
 そのバスに乗って雄武町に到着。前夜祭が行なわれるため、参加者は金曜の17時までに雄武町民センターで受け付けをすませる。受け付けでもらった参加者名簿を見ると、小中学生の参加も多い。家族連れでの参加に加え、学校の先生が子供たちを引率して参加することもあるためだ。このような機会を通じて、自分の力でやり遂げることを教えるのは、すばらしいことだと思う。
 雄武町、そして翌日の常呂町での宿泊は、学校体育館などの公共施設となる。そのため、寝袋やマットは各自用意しなければならない(宿泊費は参加費に含まれる)。もちろん、こうした荷物はトラックでその日のゴールまで運んでくれるから、走るときは身軽になれる。盛大な前夜祭でおいしい物をいただき、ビールで乾杯して明日への活力とする。

●まだあどけなさの残る少女は、無事に完走できただろうか
 出発式の後、いよいよ初日のスタートとなった。グループごとのスタートは、参加者が多いため30分以上かかる。真夏とはいっても、そこは北海道。朝夕は半袖では寒い。ウィンドブレーカーを着てスタートする。1日目は常呂町まで向かう137・だ。
 最初の休憩地点、興部町の道の駅「おこっぺジョイパーク」手前に少し上りがある。ここがコース中の最高地点(標高60m)。ここからも分かるように、オホーツク海岸沿いの道はほとんどアップダウンがなく、しかも道幅が広い。だから、とても走りやすい。
 興部町での休憩の後は、紋別市のホワイトビーチで休憩。さらに67・地点のコムケ湖キャンプ場で昼食となる。
 その後、86・地点の上湧別町「町立文化センタートム」で休憩。サロマ湖を左に見ながら走り、湧別町、佐呂間町でも休憩がある。この休憩のたびに、パンなどの軽食やアイスクリームなどのおやつが支給されるので、ハンガーノックになる心配はない。
 137・を走り終えて常呂町に着いたら、銭湯で汗を流してサッパリ。夜は交歓会ではビールで乾杯し、おいしい食事でお腹も満たす。
 日曜も快晴の空の下をスタートする。2日目は斜里町役場前までの74・。スタートしてまもなく、20・を超えるサイクリングロードに入る。クルマを気にすることなく、気持ちよく走れる区間だ。
 一般道に戻って市街地を走り、33・地点の網走支庁で休憩と軽食。網走から小清水までは国道244号線を走る。左には最盛期の原生花園、右には湖畔に牛馬のいる涛沸湖と、すばらしい風景のほぼ平坦な道が続く。オホーツク海からは、天然のクーラーのような冷たい風がときおり吹いてくる。
 やがて最後の休憩地となる道の駅「はなやか小清水」に到着。ゴールの斜里町役場までは20・を残すのみ。
 斜里市街に入るまでの道は、白と紅色の花がいっぱいに咲いたジャガイモ畑に囲まれた道。右手には斜里岳がそびえて、とても美しい。
 やがて斜里市街に入り、ゴールの斜里役場に到着。近くの小学校に移動して完走証と昼食をいただく。完走証は夕焼け空をバックにした写真入りの美しい仕上がりだ。
 完走した充実感に浸りつつ、地元の歓迎と大会運営のすばらしさを思い起こせば、参加してよかったと思うことはまちがいないだろう。

●参加者は交通ルールを守って一列縦隊で走る

●サロマ湖の湖岸に沿ったフラットな道を快走する
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中村泰志 愛知県知多市在住
北海道が大好きで、10年以上前には羅臼町でアルバイト生活をしていたこともある。晴れた日は、往復47・を自転車で通勤してトレーニング。休日は子供と遊ぶため、大会に参加するほかはあまり乗らない。
[参加データ]
('02年大会=2002年7月12日~14日)
バイク:インターマックス・ゼルトゲンボス
タイヤ:700×23C(WO)
ギヤレシオ:52×39T/12~25T
●コース
雄武町民センター-おこっぺジョイパーク-ホワイトビーチ-コムケ湖キャンプ場-町立文化センタートム-ファミリー愛ランドYOU-キムアネップ岬-常呂町民センター-網走支庁前-はなやか小清水-斜里町役場前
●距離数
212km
●問い合わせ先
オホーツクサイクリング実行委員会
〒093-0077 北海道網走市北7条西3丁目 北海道網走総合庁舎内
TEL.0152-44-7171(内線4736・4737)
●会場までのアクセス
7月11日(金)に斜里町役場前(12時・3800円)、網走支庁舎前(13時・3200円)、女満別空港駐車場(13時30分・3200円)から臨時バスが出る。クルマでの参加者は、ゴールとなる斜里町役場裏の駐車場を利用できる。