難易度＝（1～5）〈1＝初めての人でも安心／2＝自分で「やる気はあるぞ！」と言える人向き／3＝1日に80km走った経験がある人向き／4＝1日に160km走ってみたい健脚派向き／5＝風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2004年4月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る＞

●サイクリングロード上のCPのため、スタッフも自転車できていた


●雨は上がったが路面はまだぬれている。ドロ除けが必要だった


●右岸は道幅も広く走りやすい
　東京で行なわれるハーフセンチュリー、それも荒川沿いのコースとあって飛びついた。東京在住の私が、自走で参加できる大会はそんなにはないのだ。
　今回が第１回というこの大会を行なうにあたっては、主催の東京サイクリング協会も相当苦労したらしい。東京都において、安全に80kmを走行できるコースはなかなかあるものではない。それゆえ今回のコースは、荒川の河口から笹目橋までを川に沿って往復することに加え、途中の橋を渡って川の両岸をくまなく走るものであった。なお当日は、途中の岩淵水門で折り返す40kmコースも用意された。
　コース全体が荒川河川敷のサイクリングロードゆえ、アップダウンはなく一般車両も通らない。道幅は広く信号は１つもないという、快適なサイクリングが楽しめるものだ。基本的には川沿いの一本道だが、途中には隅田川の分岐や、水門を横切る際の堤防に迂回する箇所もある。そういうわけで意外とコースが分かれており、初めて走るには多少迷うところもあるだろう。コース図は事前にしっかり見ておくといい。

●左岸下流葛飾ハープ橋。ここから先は首都高に沿って走る
　さて、当日はあいにくの雨。しかし、午前中に晴れて暖かくなるとの予報を信じ、自宅を出発する。スタート地点の大島小松川公園は、都営新宿線東大島駅のすぐ近く。電車でも便利な場所だが、今回は小雨の中を15km自走した。受付をすませたころには雨も上がり、晴れそうな気配を感じる。
　まだ濡れたままのサイクリングロードを、９時30分から５人ずつ２分間隔でスタート。最初は川の右岸を、４・５km先の河口に向けて南下する。河口右岸の行き止まりで最初のチェックを受け、すぐに折り返す。さすがにこの距離では集団状態のままである。
　ここからスタート地点を通過し、上流折り返し点の笹目橋まで34kmのサイクリング。途中で天気が回復して日差しも出てきたため、アームウォーマーをはずした。
　このサイクリングロード、一般車両が通らない代わりにジョキングや散歩をする人がけっこういる。また、道路脇にはサッカー場や野球場が点在しているため、走行に気を遣う箇所もある。
　笹目橋の折り返し点でチェックを受け、岩淵水門のチェックポイント（ＣＰ）に向かって再び南下。このＣＰで飲み物とバナナをいただき小休止する。残り40kmといったところだ。
　河川敷ということで、当然のことながらコース上にコンビニや自販機はない。ＣＰ以外での補給食は、事前に用意しておくほうがいいだろう。
　その後２kmほど走ったところで鹿浜橋を渡り、ここからは左岸を河口まで走ることになる。

●左岸河口は3回目の折り返し地点で、サイクリングロードの終点
　さすがに休日の荒川はサイクリストが多い。ゼッケンをつけて走ってくる集団を見て驚いたのだろうか。「何かの大会ですか？」と何人ものサイクリストに尋ねられた。
　下流に向かって進むに従いコース上の歩行者の数も少なくなり、参加者のスピードが上がってくる。もう、のんびり屋の私はついていけない。フルのセンチュリーランとは異なり、最近のハーフセンチュリーランの参加者は、皆さん速い。
　マイペースで走っている私も、本日３度目となる折り返し点から戻ってくる大王メンバーにエールを送られて気合が入る。
　この大会では荒川左岸と途中から合流する中川との中州を走るため、河口手前でコースは行き止まり。海から０kmの標識前（河口左岸ＣＰ）での折り返しとなる。ここでパワーバーを補給して小休止した後、再度上流に向けて出発する。残りは18kmほど。
　最後のＣＰとなる堀切橋でチェックを受け、再び右岸に渡り、大島小松川公園のゴールには３時間半ほどでたどり着いた。
　普段走りなれているコースだが、大会参加だとひと味違う感じである。あいにくの天気にもかかわらず、久しぶりに走るという人からパリ～ブレスト～パリ完走者までと幅広い参加があり、楽しい大会であった。
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佐藤　靖　東京都在住
成長し続ける体重をなんとかしようと、３年前より自転車に乗る。主に首都圏サイクリングロードなどを走るが、昨年の練習会で奥武蔵の峠に行ってから、自転車の魅力に目覚めつつある。今年もロングライドに挑戦する予定。
［参加データ］
（第1回大会＝2003年10月12日）
バイク：スペシャライズド ALLEZ comp
タイヤ：700×23C
ギヤレシオ：52×40×30T／12～27T
●コース
大島小松川公園自由の広場→荒川河口→若洲海浜公園→岩淵橋→笹目橋（予定）
●距離数
80km＆40km
●問い合わせ先
東京サイクリング協会
〒104ｰ0061　東京都中央区銀座7-15-11　中村方
TEL＆FAX.03-3541-6540
Eメール：ginza_nakamura@yahoo.co.jp
●会場までのアクセス
電車の場合：都営新宿線　東大島駅（小松川口）より徒歩3分