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ツール・ド・フランス第13ステージでマイヨ・ベールを着たサガンが今大会3勝目

レース
今大会で3勝目を上げたサガン (©Bettiniphoto)
今大会で3勝目を上げたサガン (©Bettiniphoto)
 
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月20日にブール・ドワザンからバランスまでの169.5kmで第13ステージを競い、マイヨ・ベールを着た世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が、集団ゴールスプリントでアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)とアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)を打ち負かし、今大会3勝目を上げた。

総合リーダーのマイヨ・ジョーヌは英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)が守った。



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アルプス後の休養ステージ

MAP : ASO
MAP : ASO
アルプス山岳3連戦明けの第13ステージは、152選手がスタート。前日に落車で負傷した総合4位のヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が出走しなかった。ベルギーのロット・スーダルとスイス登録のチームカチューシャ・アルペシンは、メンバーが4人に減ってしまった。南東部から南西部のピレネーを目指す移動ステージは気温32度Cだった。

オフィシャル・スタートの旗が振り下ろされると同時にセップ・ヴァンマルケ(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)がアタックしたが、成功しなかった。

1km地点でトーマス・デヘント(ロット・スーダル)とトム・スカリー(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)が集団から抜け出すことに成功した。さらにミヒャエル・シャール(BMCレーシングチーム)とディミトリ・クライス(コフィディス)がアタックを決め。29km地点で先頭の2人合流した。4人の逃げは、メイン集団に3分20秒差を付けていた。

32.5km地点のカテゴリー3の丘はデヘントが先頭で通過。最初の1時間の平均時速は48km/hを超えていた。集団はデマールを擁する地元フランスのグルパマ・FDJが先頭を引いていたが、クリストフがいるUAEチーム・エミレーツも手伝い始めた。

71km地点の中間スプリントポイントもデヘントが1位で通過した。クリストフが先頭で通過した集団は、1分45秒遅れだった。今年最多出場記録を更新したフランスのシルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー)は、この日ツールでの通算走行距離が6万kmに達した。彼は2001年から18年間、1度も欠かさずツールに出場し続け、完走できなかった年は2回あったが、第13ステージは通算361ステージ目だった。

ゴールまで残り60kmのカテゴリー4の丘はスカリーが先頭で通過した。しかし、集団とのタイム差は1分を切っていた。残り25kmにあったカテゴリーのない上りでデヘントが遅れ、先頭は3人になり、集団は30秒後に迫っていた。ここで先頭からシャールがアタックし、単独で逃げ続ける決断をした。

シャールは抵抗を続けたが、残り6kmで集団に吸収されてしまった。しかし、彼はこの走りで敢闘賞を獲得できた。集団ゴールスプリントの準備が始まり、ジョン・デゲンコルプを勝たせたいトレック・セガフレードが列車を作り、フラム・ルージュを通過した。

そこでベルギーのフィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ)がアタック。最後のカーブを曲がってゴールを目指したが、残り300メートルでグルパマ・FDJが引く集団に捕まってしまった。

そこから最初にデマールがスプリントを開始し、クリストフが続いたが、その後ろから飛び出したマイヨ・ベールのサガンに軍配が上がった。今大会でサガンは第2ステージ、第5ステージでも優勝していて、これが3勝目だった。彼のツール通算区間優勝数は11勝になった。


■今大会3勝目を上げたサガンのコメント
「今日のステージは我々にとって貴重なものだった。3回目の区間優勝が取れて素晴らしい。今日、集団のみんなが回復するためのステージを持てたのもよかった。我々はちょっとリラックスしたステージを持てた。

最後はボクにとってとても素晴らしい勝利だ。チームメート全員に感謝している。彼らはまたとても良い仕事をした。ボクは残り300メートルでちょっと遅くスプリントを開始した。後方からスプリントした。戦略はクリストフの後輪に付くことだった。ゴールまで500メートルで、彼の後ろの正しい場所に自分を置いたのさ」
 

 
(©Bettiniphoto)
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■第13ステージ結果[7月20日/ブール・ドワザン〜バランス/175.5km]

1. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK) 03H 45' 55''
2. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR)
3. ARNAUD DEMARE (GROUPAMA - FDJ / FRA)
4. JOHN DEGENKOLB (TREK - SEGAFREDO / GER)
5. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL)
6. YVES LAMPAERT (QUICK - STEP FLOORS / BEL)
7. MAGNUS CORT NIELSEN (ASTANA PRO TEAM / DEN)
8. ANDREA PASQUALON (WANTY - GROUPE GOBERT / ITA)
9. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
10. TAYLOR PHINNEY (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / USA)

■第13ステージまでの総合成績
1. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) 53H 10' 38''
2. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +01’ 39’’
3. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED)  +01’ 50’’
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +02’ 46’’
5. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)  +03’ 07’’
6. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +03’ 13’’
7. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +03’ 43’’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)  +04’ 13’’
9. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +5’ 11’’
10. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) +05’ 45’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) 
■新人賞(マイヨ・ブラン):PIERRE ROGER LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) 
■チーム成績:MOVISTAR TEAM
■敢闘賞:MICHAEL SCHÄR (BMC RACING TEAM / SUI)


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第14ステージは中央山塊が舞台

MAP : ASO
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7月21日は、サン・ポール・トロワ・シャトーからマンドまでの188kmで、中央山塊が舞台の第14ステージが行われる。後半にカテゴリー2とカテゴリー3の峠を越えた後、最後はジャラベール山と呼ばれているカテゴリー2のコート・ド・ラ・クロワ・ヌーブの登坂に挑む。

コート・ド・ラ・クロワ・ヌーブは標高1055メートルで全長3kmだが、平均勾配は10.2%だ。頂上はゴールまで残り1.5km地点にある。7月21日はベルギーのナショナルデーなので、ジルベールの挑戦に期待したい。



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