ニュース
ツール・ド・フランス第15ステージはデンマークのコート・ニルスンが逃げ切り優勝
レース
2018.07.23
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月22日にミヨーからカルカッソンヌまでの181.5kmで、南中央フランスのモンターニュ・ノワール山脈を越える第15ステージを競い、最後は逃げ切った3選手でのゴールスプリントになり、デンマークのマウヌス・コート・ニルスン(アスタナプロチーム)が、スペインのヨン・イサギレ(バーレーン・メリダ)とオランダのバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)を下し、区間初優勝を果たした。
前日にはスペインのオマール・フライレが同様に逃げ切っていたので、カザフスタンのアスタナプロチームは2日連続で区間優勝を獲得した。
メイン集団は13分11秒遅れでゴール。総合上位に変動はなく、マイヨ・ジョーヌは英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)が守った。
(ツール公式サイト)
2日連続で大きな逃げ集団が逃げ切った
19km地点でワレン・バルギル(チームフォルチュネオ・サムシック)とイエーツがアタックし、グレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)が追いついて先頭は3人になったが、クイックステップフロアーズがこの逃げを許さず、35km地点で吸収された。
43km地点で29選手が集団から逃げ出すことに成功した。総合で最も上位だったのはグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム)で、29分02秒遅れの総合21位だった。この逃げにはマイヨ・ベールのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)、元山岳王のラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)、アスタナのコート・ニルスンも加わっていた。
カテゴリー2のシエ峠の坂が始まり、先頭の逃げ集団からリリアン・カルメジャーヌ(ディレクトエネルジー)がアタック。先頭で山頂を通過した。彼は1分以上の差を付けて先行し続けたが、72km地点で吸収された。逃げ集団には一緒にゴールを目指す意志はなく、アタックが続いた。ゴールまで残り75kmで、メイン集団とのタイム差は9分以上に開いていた。
ここで逃げ集団からファビアン・グルリエ(ディレクトエネルジー)がアタックし、ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード)が合流して先頭は2人になった。
残り60km地点の中間スプリント地点はベルナールが先頭で通過。1分後に27人の追走集団はマイヨ・ベールのサガンが3位で通過し、15ポイントを稼いだ。
モンターニュ・ノワール山脈で最高峰のピック・ド・ノール(標高1205メートル)の登坂が始まった時、先頭の2人は後続に2分近いタイム差を付けていた。しかし、12.3km続く厳しい坂の途中で後続からアタックしたマイカに追い越されてしまった。
ゴールまで残り41.3kmの、カテゴリー1の山頂はマイカが先頭で通過。30秒遅れてモレマとコート・ニルスンが続いた。メイン集団では、ピック・ド・ノールのふもとでダニエル・マーティン(UAEチーム・エミレーツ)がアタックしたが、誰も追走しなかった。
ピック・ド・ノール峠の下り坂でマイカを追う追走グループは7人になり、残り30kmでタイム差は29秒に迫っていた。マイカはこの追走グループにゴールまで残り14kmで捕まってしまったが、この日の敢闘賞を獲得した。後方では、1分差を付けて先行し続けていたマーティンがメイン集団に吸収された。
先頭グループでは、ゴールまで残り7.3kmでモレマがアタックし、コート・ニルスンとイサギレが付いていった。3人は後続に残り2kmで40秒差を付けることに成功した。ゴールスプリントになっては不利なイサギレがフラム・ルージュの手前でアタックを試みたが、コート・ニルスンがそれを許さなかった。
残り800メートルはコート・ニルスンを先頭にモレノ、イサギレが続いてゴールスプリントの牽制となり、最後はコート・ニルスンが難なくスパートし、初出場したツールで区間初優勝を手中に収めた。
その2分半後に行われた区間9位争いのゴールスプリントでは落車が発生し、ベルギーのセルジュ・パウエルス(チームディメンションデータ)が右肘を骨折する重傷を負ってしまった。彼はこの日完走できたが、すぐに手術をする必要があり、ツールを去らなければならなくなった。
7月23日は2度目の休養日となり、その翌日からは、いよいよ最終週がスタート。ピレネー山岳ステージが始まる。
■区間初優勝したコート・ニルスンのコメント
「これはボクにとって初めてのツールだ。区間優勝してとても幸せだ。チームにはとても感謝しなければならない。彼らは本当にボクを信じてくれた。最後はバルグレンと一緒にとてもよくプレイした。ボクたちはどちらも強かった。
ボクたちは何人かの速い選手を取り除くために、早めに何度がアタックした。アルプスからは総合のリーダーであるフルサングに焦点を当てていたが、この2ステージは逃げが勝てると信じていたので、マークしていた。それを両方勝てたなんて信じられない。
ツール初出場で勝ててとてもうれしいけど、ボクはもうこのレースに2週間参加しているから、新しいことは何もない。グランツールの初参加でも勝てる可能性があることは、初出場したブエルタでの区間優勝でわかっていたのさ」
■第15ステージ結果[7月22日/ミヨー〜カルカッソンヌ/181.5km]
1. MAGNUS CORT NIELSEN (ASTANA PRO TEAM / DEN) 04H 25' 52''
2. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP)
3. BAUKE MOLLEMA (TREK - SEGAFREDO / NED) +02''
4. MICHAEL VALGREN ANDERSEN (ASTANA PRO TEAM / DEN) +29''
5. TOMS SKUJINS (TREK - SEGAFREDO / LAT) +34''
6. DOMENICO POZZOVIVO (BAHRAIN - MERIDA / ITA) +34''
7. LILIAN CALMEJANE (DIRECT ENERGIE / FRA) +34''
8. RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL) +37''
9. NIKIAS ARNDT (TEAM SUNWEB / GER) +2' 31''
10. JULIEN BERNARD (TREK - SEGAFREDO / FRA) +02' 31''
■第15ステージまでの総合成績
1. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) 62H 49’ 47’’
2. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +01’ 39’’
3. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED) +01’ 50’’
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +02’ 38’’
5. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) +03’ 21’’
6. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +03’ 42’’
7. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +03’ 57’’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) +04’ 23’’
9. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) +06’ 14’’
10. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +6’ 54’’
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):PIERRE ROGER LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■チーム成績:MOVISTAR TEAM
■敢闘賞:RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL)
(ツール公式サイト)
Enjoy how @MagnusCort made his way to the win today!
— Le Tour de France (@LeTour) 2018年7月22日
Appréciez comment @MagnusCort a su s'imposer aujourd'hui !#TDF2018 pic.twitter.com/NCWEA1wDZx
Maybe you missed it... a chasing group crashed in the last meters!
— Le Tour de France (@LeTour) 2018年7月22日
Vous l'avez peut-être manqué... un groupe de poursuivants a chuté dans les derniers mètres ! #TDF2018 pic.twitter.com/mcLBQHYVtf
2度目の休養日後はピレネーに挑む最終週がスタート
7月24日に行われるピレネー初日の第16ステージは、カルカッソンヌからバニエール・ド・リュションまでの218kmで、後半にカテゴリー2のポルテ・ダスペット峠と、カテゴリー1のマンテ峠、ポルティリョン峠を越える。スペインに越境するポルティリョン峠は標高1292メートルで全長8.3km、平均勾配は7.1%。ゴールはこの峠を下った先にある。
(ツール公式サイト)