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ツール・ド・フランス第18ステージは集団ゴールスプリントでフランスのデマールが優勝

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今年のツールでやっと勝てたフランスのデマール (©Bettiniphoto)
今年のツールでやっと勝てたフランスのデマール (©Bettiniphoto)
 
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月26日にトリ・シュル・バイズからポーまでの171kmで平坦な第18ステージを競い、最終週まで生き残ったスプリンターたちによる集団ゴールスプリントで地元フランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が優勝した。

総合首位のマイヨ・ジョーヌは英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)が守った。



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ピレネー山岳最終決戦前の小休止

MAP : ASO
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第18ステージは146選手が出走。オフィシャル・スタートと同時にギヨーム・ヴァンケイスブルク(ワンティ・グループゴベール)が飛び出し、ニキ・テルプストラ(クイックステップフロアーズ)、ルーク・ダルブリッジとマシュー・ヘイマン(ミッチェルトン・スコット)、トマ・ブダ(ディレクトエネルジー)が合流した。

メイン集団はスプリンターを擁するボーラ・ハンスグローエ、グルパマ・FDJ、UAEチーム・エミレーツが引いて逃げを追いかけたが、25km地点であきらめ、5人は30km地点で1分30秒差を付けることができた。しかし、集団ゴールスプリントを望むチームが集団をしっかりコントロールしたため、タイム差はあまり開かなかった。最初の1時間の平均時速は48.8km/hだった。

53.5km地点のカテゴリー4の丘はテルプストラが先頭で通過し、1ポイントを獲得。65km地点でトレック・セガフレードのミヒャエル・ゴークルとヤスペル・ストゥイヴェンがセップ・ヴァンマルケ(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)と一緒に集団から抜け出した。

その直後に集団では落車が発生し、前日に区間優勝したナイロ・キンタナ(モビスターチーム)とアダム・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が巻き込まれたが、大したケガはなく、間もなく集団に戻った。

73.5km地点の中間スプリント地点はバンケイスブルックが先頭で通過。前日にダウンヒルで落車したマイヨ・ベールのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は、ポイントを取りに来なかった。5人の逃げを追いかけていた3人は残り91kmで集団に吸収された。

逃げではヘイマンがパンクに見舞われたが、すぐ戻ることができた。ゴールまで残り84kmでタイム差は2分になった。集団はコフィディスが引き始め、逃げのタイム差は残り40kmで45秒にまで縮まった。コフィディスのエーススプリンターであるクリストフ・ラポルトは機材トラブルで一時集団から遅れたが、すぐに戻ることができた。

ゴールまで残り20kmで、タイム差は25秒になった。残り18.5kmにあったカテゴリー4の丘をヴァンケイスブルクが先頭で通過した後、集団から数人の選手が飛び出して5人に追いついたが、残り16.4kmで吸収された。

そこから集団はゴールスプリントの準備を開始。今年のツールはすでに大勢のスプリンターがレースを棄権していて、区間優勝したフェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ)、ディラン・フルーネウェーヘン(チームロットNL・ユンボ)、区間優勝できなかったマルセル・キッテル(チームカチューシャ・アルペシン)、マーク・カヴェンディッシュ(チームディメンションデータ)、アンドレ・グライペル(ロット・スーダル)のいない集団でのスプリントになった。

マイヨ・ベールのサガンは、前日の落車のダメージが心配されていたが、ボーラ・ハンスグローエは終盤先頭を引き続けた。しかし、残り1kmのフラム・ルージュで、先頭はチームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデールとコフィディスに変わっていた。

最後は残り200メートルからデマールがスプリントを開始して先頭に立った。その後ろにラポルトが付いていったが、デマールを追い越すことはできなかった。ラポルトはデマールが最後に斜行した不満をゼスチャーで訴えたが、結果が覆ることはなかった。


■今年のツールでやっと勝てたデマールのコメント
「ボクは山岳で何のためにも戦わなかった。これは素晴らしい報酬だ。全ての困難な瞬間に、ボクはただ区間で勝つことを信じていた。昨日の上りで厳しい時間を持ったあとでは奇妙に聞こえるだろうが、ボクは脚の調子が良いんだ。

ツールの前に、自分の弱点であるクライミングを頑張った。何人かのスプリンターはもういないが、ボクは決してギブアップしなかった。チーム、家族、妻、観客から得たサポートが、ボクを大いに助けてくれた。ボクは区間で勝てる自分の能力を信じ続けた。ボクのツールは成功したものになった」
 
 
(©Bettiniphoto)
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■第18ステージ結果[7月26日/トリ・シュル・バイズ〜ポー/171km]

1. ARNAUD DEMARE (GROUPAMA - FDJ / FRA) 3H 46' 50''
2. CHRISTOPHE LAPORTE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA)
3. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR)    
4. EDVALD BOASSON HAGEN (TEAM DIMENSION DATA / NOR)
5. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
6. MAXIMILIANO ARIEL RICHEZE (QUICK - STEP FLOORS / ARG)
7. JOHN DEGENKOLB (TREK - SEGAFREDO / GER)
8. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)    
9. TAYLOR PHINNEY (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / USA)
10. TIMOTHY DUPONT (WANTY - GROUPE GOBERT / BEL)

■第18ステージまでの総合成績
1. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) 74H 21’ 01’’
2. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED)  +01’ 59’’
3. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +02’ 31’’
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +02’ 47’’
5. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)  +03’ 30’’
6. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +04’ 19’’
7. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +04’ 34’’
8. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)  +05’ 13’’
9. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +6’ 33’’
10. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) +9’ 31’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) 
■新人賞(マイヨ・ブラン):PIERRE ROGER LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) 
■チーム成績:MOVISTAR TEAM
■敢闘賞:LUKE DURBRIDGE (MITCHELTON - SCOTT / AUS)


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ピレネー最終決戦はツールマレーとオービスクを越える

いよいよ今年のツールも残り3ステージ。7月27日は巡礼地として有名なルルドをスタートしてラランスにゴールする、ピレネー最終区間の第19ステージが行われる。 全長200.5kmのコースには、カテゴリーの付いた上り坂が6カ所含まれ、カテゴリー1のアスパン峠と、カテゴリー超級のツールマレー峠、オービスク峠を越える。

中盤に越えるツールマレー峠は全長17.1kmで、平均勾配は7.3%。山頂にはジャック・ゴデ賞がかけられている。最後に越えるオービスク峠は全長16.6kmで、平均勾配は4.9%。ゴールまで残り20kmの山頂からラランスまでのダウンヒルも見ものだ。

■マイヨ・ジョーヌを守るトーマスのコメント
「明日は自信がある。ボクたちはたくさんの攻撃を予想している。おそらく何人かのライバルたちは序盤の逃げにトライするだろう。確実にツールマレー峠とオービスク峠の上りでは、アグレッシブなレースになるだろう。そのステージを克服するには、ボクたちは動揺もストレスもなく、ただ一緒に適切に走らなければならない」



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第18ステージのハイライト映像