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ツール・ド・フランス第20ステージの個人TTはドゥムランが優勝/トーマスがマイヨ・ジョーヌを守ってパリへ凱旋

レース
TT世界チャンピオンの意地を見せたドゥムラン (©Bettiniphoto)
TT世界チャンピオンの意地を見せたドゥムラン (©Bettiniphoto)
 
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月28日にフランス・バスクのサン・ペ・シュル・ニベルからエスプレットまでの31kmで個人タイムトライアルを競う第20ステージを行い、TT世界チャンピオンのトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)が、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)をたった1秒差で打ち負かして区間優勝した。

マイヨ・ジョーヌを着た英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)は、第2計測地点まではトップタイムを出していたが、終盤減速し、ドゥムランよりも14秒遅れてゴール。それでも総合でのタイム差はスタート前に2分以上あったため、総合首位の座は守り、パリへ凱旋することになった。

たった1秒で区間優勝を逃したフルームとは対照的に、スロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームロットNL・ユンボ)はこの日振るわず、1分12秒遅れでゴール。前日奪った総合3位の座をフルームに奪い返されてしまった。

 
 
■個人タイムトライアルで優勝したドゥムランのコメント
「最初は自分が1秒差で2番だと聞いた。でも、それが逆だったから、クレイジーだよ。今朝はとても神経質だった。ボクたちは、(TT用の)スキンスーツがなくなっていることに気がついたんだ。

幸運にも、ボクたちのジャージスポンサー(エチェオンド)はスペイン側のバスクの会社だったから、今朝彼らは新しいものを作ってくれたんだ。だからボクはそれを着てレースをすることができた。

そうでなければ、ボクはアルカンシエルで走ることはできなかっただろう。昨日は過酷な時間を過ごした。だから今日は、全てのフラストレーションを発散したんだと思う。

このタイムトライアルで勝ったなんて信じがたい。でも、こういう形でツールを終えられて、初めて最後の表彰台に上がれるのは素晴らしいよ」


■ツール総合初優勝が確実になったトーマスのコメント
「何と言えばいいのかわからない。ただただ圧倒される。ツール・ド・フランスの全てのレースで勝つとは思っていなかった。それが突然…、ボクはツールで勝ったんだよ! 言葉にならない。信じられない。泣いたのは結婚した時以来だ。自分に何が起こったのか、わからないよ」
 
 
英国ウエールズ出身のトーマスはマイヨ・ジョーヌを守ってパリへ凱旋する (©Bettiniphoto)
英国ウエールズ出身のトーマスはマイヨ・ジョーヌを守ってパリへ凱旋する (©Bettiniphoto)
 
■第20ステージ結果[7月27日/サン・ペ・シュル・ニベル~エスプレット/31km(個人TT)]

1. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED) 40' 52''
2. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +01''
3. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) +14''
4. MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) +50''
5. SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) +51''
6. BOB JUNGELS (QUICK - STEP FLOORS / LUX) +52''
7. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +1' 02''
8. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +1' 12''
9. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) +1' 22''
10. MICHAEL HEPBURN (MITCHELTON - SCOTT / AUS) +1' 23''

■第20ステージまでの総合成績
1. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) 80H 30’ 37’’
2. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED)  +01’ 51’’
3. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +02’ 24’’
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +03’ 22’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +06’ 08’’
6. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)  +06’ 57’’
7. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +07’ 37’’
8. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +9’ 05’’
9. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +12’ 37’’
10. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)  +14’ 18’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) 
■新人賞(マイヨ・ブラン):PIERRE ROGER LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) 
■チーム成績:MOVISTAR TEAM


ツール公式サイト

 

スーパー敢闘賞はアイルランドのマーティンが獲得

第20ステージでは、今年のツールで最も敢闘した選手に贈られる『スーパー敢闘賞』が決定した。敢闘賞は5人の審査員の投票で決められるが、スーパー敢闘賞は最初に主催者が8人の候補選手を選び、Twitter上で投票を行って1位になった選手に1票が投じられる。

誰もが投票できるTwitterで1位を獲得したのは、同じくTwitter上で1週目の敢闘選手に選ばれた米国のローソン・クラドック(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)だった。

しかし、敢闘賞の審査員たちでクラドックに票を投じた者はなく、アイルランドのダニエル・マーティン(UAEチーム・エミレーツ)が3票を獲得し、今年のスーパー敢闘賞を受賞した。
 


日曜日はパリのシャンゼリゼでゴール!

MAP : ASO
MAP : ASO
3週間の日程を終え、今年のツールもいよいよ残り1日。7月29日は、ウイユをスタートし、パリのシャンゼリゼ大通りの周回コースでゴールする116kmの第21ステージが行われる。シャンゼリゼの周回コースは1周6.8kmを8周する。


ツール公式サイト
 

第20ステージのハイライト映像