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第32回矢島カップMt.鳥海バイシクルクラシック 熱くて温かい秋田県でヒルクライム
イベント
2018.08.11
2日間のステージレース形式でタイムトライアルとヒルクライムを走るという国内では珍しいスタイルのイベント”矢島カップMt.鳥海バイシクルクラシック”が今年も開催。毎年多くの参加者がここ鳥海に集まるワケを実走して体験してきた。
text:三角泰史 photo:岩﨑竜太
text:三角泰史 photo:岩﨑竜太
秋田県が誇る名峰”鳥海山”の麓を駆け抜ける!
ジリジリと日差しが照りつけ、真夏日となった秋田県・由利本荘市で第32回矢島カップMt.鳥海バイシクルクラシックが開催された。矢島カップのトロフィーを手中に収めるべく実力者のそろったチャンピオンクラスを筆頭に、性別や年代ごとにクラス分けがされ、2日間で延べ1236人の選手が鳥海山の麓を駆け抜けた。
1日目の個人タイムトライアルは、プロレースさながらの立派なスタート台が設置され、15秒間隔で選手が次々とスタートしていく本格的な内容。田園風景の中、往復8kmのコースを各選手全力で駆け抜けた。緩やかなアップダウン、復路の強烈な向かい風に、後半になるにつれて選手の表情も段々と険しくなってくる。しかし、前の走者を見つけては追い抜こうとペダルを回す姿に「追い抜け!行けるぞ!」と沿道の観客の大きな声援が疲れた体を前に押し進めていた。
2日目のヒルクライムは、全長27km、標高差1100m。ヒルクライムとしては富士ヒルクライム並の長距離コースだが、起伏に富んだコースで、下りや平坦区間などもあり、ヒルクライムが初めての初級者でも鳥海が誇る雄大な景色を楽しみながら走りきれる絶妙なコース設定だった。コースの途中には補給ゾーンが数箇所設けられ、地元のボランティアスタッフからよく冷えた水が手渡され、喉を潤している参加者もいれば頭からかけて火照った体を冷やしている参加者もいた。
さて今回で32回目となった本大会。これだけの回数を数えるイベントは国内ではなかなかお目にかかれない。長く続いているワケが気になり、参加者に聞いてみた。
「地元の皆さんが温かく歓迎してくれるアットホームな感じがうれしい」
と声を揃えて大会の魅力を教えてくれた。言われてみれば受付や補給ゾーン、スイカや豚汁など食事を振る舞ってくれる人、沿道で声援を送ってくれる人、皆さんがここ秋田県・由利本荘市の職員や地元の方たちなのだ。
「もちろんまた来年も来ますよ!」そう力強く言う参加者のアットホームな温かさに満たされた笑顔を見て、それは32回も続くわけだと納得した。