ニュース

大阪〜愛媛間を結ぶオレンジフェリーが新造船を就航 じてんしゃ旅でも豪華客船クルーズを満喫!

その他
8月末に就航した「おれんじ えひめ」
8月末に就航した「おれんじ えひめ」
大阪南港と愛媛の東予港を夜行で結ぶ四国オレンジフェリーに、2018年8月25日、新造船の「おれんじ えひめ」が就航した。フェリーとしては画期的な、全等級での完全個室化を実現。大浴場、レストランや、ロビー、ラウンジなどの共用空間も、従来のフェリーの常識を覆す、快適なものとなっている。
「しまなみ海道」で知られる愛媛県に、関西から直接アクセスできる航路とあって、サイクリスト向けのサービスも用意。注目の最新船の内部を紹介しよう。
(text&photo:米山一輝)

 

まさに豪華客船!船室は完全個室で大浴場も完備

3フロア吹き抜けの開放的なエントランス。エレベーターもありバリアフリー化されている
3フロア吹き抜けの開放的なエントランス。エレベーターもありバリアフリー化されている
窓からの展望も楽しめる大浴場。こことは別にシャワールームも備える
窓からの展望も楽しめる大浴場。こことは別にシャワールームも備える
明るく開放的なレストラン
明るく開放的なレストラン
レストランはお酒の自販機コーナーも充実
レストランはお酒の自販機コーナーも充実

フェリーターミナルから船内へと入ると、まず広々とした3フロア吹き抜けのエントランスホールが乗客を出迎える。
新造船は全長約200mと、従来型に比べて40mあまり大型化。総トン数も1.5倍の約1万5000トンとなっている。

思い切った全室個室化は、近年の個人型旅行の増加により、予約が個室から埋まる傾向が強くなったことが背景にあるという。建造にあたっては「従来のフェリーではなく、豪華客船として作りたい」と、これまでにない充実した設備を備えた船になった。
 
船内はホール周辺がパブリックスペースとなっており、テレビコーナーやラウンジスペース、キッズスペース、マッサージチェアなどが利用できる。
ホールにつながるレストランは、瀬戸内の地域の食材を生かしたメニューを提供。落ち着いた内装に、お酒も多数用意しているので、船旅の旅情を感じつつ仲間と食事や酒席を満喫することができるだろう。
 
トイレは全て温水洗浄付きの洋式で、女性トイレにはドライヤーを使える鏡台が手洗い場と別に用意される。浴室は男女ともに窓に面した展望浴場。また大浴場とは別にシャワーブースが設けられており、手短に汗を流すことも可能だ。
 
ロイヤル(ダブル)。ツインベッドのロイヤルもある  
ロイヤル(ダブル)。ツインベッドのロイヤルもある  
2段ベッドのシングルプラス( 2等寝台)。同行者のみ同室となる。シング ル(2等寝台)まで完全個室化だ
2段ベッドのシングルプラス( 2等寝台)。同行者のみ同室となる。シング ル(2等寝台)まで完全個室化だ

客室の等級はシングル・シングルプラス(2等寝台)、デラックスシングル(1等)、スイート(特等A)、ロイヤル(特別室)の4種類
シングル、シングルプラス、デラックスシングルは、2段ベッドのシングルプラスを除き1 名個室で、スイートとロイヤルは2名個室なる (スイート和室の み最大4名)。
なおデラックスシングル以上は客室内に洗面台があり、朝の準備の際に待ち時間がなく便利だ。デラックスシングルとスイートにはバリアフリールームも用意される。

12月に同型の新造船がもう一隻就航するまでは、従来型の船と一日おきの運航となり、料金は従来船と合わせたものになっている。
現時点での運賃は片道1名あたり、シングル、シングルプラスが6840円、ロイヤルでは1万6090円(運賃料金表はこちらから)。大阪〜愛媛の移動に宿泊まで付いていることを考えると、かなりお手頃価格と言ってよいだろう。

12月に新造船が2隻揃った以降は、平日・休日や繁忙期などで変化する新料金体系になる予定で、休日で現行程度、平日は若干安くなる見込みだという。
 
船は夜10時出港、朝6時到着だが、出港2時間前の夜8時(土日の大阪南港は7時半)から乗船が可能。到着後も東予港は朝7時、大阪南港では8時まで船内で休息でき、快適な船内で食事・入浴などくつろぎながら、それぞれの予定に合わせて出発することができる。
 

部屋に自転車を持ち込める!サイクリスト向けサービスも

デラックスシングル(1等客室)。自転車をそのまま持ち込める「マイバイクステイサービス」も提供
デラックスシングル(1等客室)。自転車をそのまま持ち込める「マイバイクステイサービス」も提供
 
サイクリスト向けのサービスとしては、デラックスシングルに自転車を直接持ち込める「マイバイクステイサービス」が新たに用意された(1650円)。
専用のスタンドを室内に設置し、輪行不要で乗船することができる。このほか、日帰り(朝到着して夜の便で帰る)で利用する場合は、使わない荷物を船内に置いたまま出かけられる「船内荷物お預かりサービス」(無料)が便利だ。
 
夜行フェリーは、乗り換えや運転などのわずらわしさがなく、時間を有効活用しながら移動できるのが魅力だ。
新造船では完全個室化で夜も快適に休めるようになったほか、設備の充実により船内で過ごす時間も、単なる移動ではない「旅の目的」の一つになりそうだ。

関西圏からの利用はもちろんのこと、フェリーでの宿泊移動をはさんで関西・愛媛のサイクリングを連日で楽しめるなど、これまでにない自転車旅を実現する格好のツールとなるだろう。
 

※価格は全て税込

なお、この度の台風21号にて、大きな被害は受けなかったため航行などに影響は出ていない(担当者)。被災された皆様へは心よりお見舞い申し上げます。

問・オレンジフェリー