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【グロータック】今、スマートトレーナーが面白い!

新製品
近年のローラー台の進化は留まるところを知らず、どんどん実走に近づいている。中でも注目すべきローラー台を紹介しよう。

text:佐藤 喬
photo:佐藤竜太/岩崎竜太/サイクルスポーツ編集部
 

最も実走に近いメーカー



GROWTAC(グロータック)ここが強み!
● 実走に近い体の使い方ができる
●高い静寂性
●価格の安さ


トレーニング情報にアンテナを張っているサイクリストなら、グロータックの名前を聞いたことがあるはずだ。ハイレベルなチューンナップパーツや特殊オイルでも知られる通好みのグロータックだが、そのローラー台はユニークにして高性能。

最大の特徴は、何といってもバイクの動きの自由度の高さによる実走感。バイクの挙動が実走とは違うという、ローラー台の欠点をほとんど克服してしまったのだ。シッティング時のアドバンテージも大きい。実走ではシッティング時も微妙にバイクが左右に振れるが、その挙動を再現できるからだ。

そんなグロータックがスマート化したという。速くなりたいサイクリストは必見だ。
 

GT-ROLLER F3.2+GT-eSMART series


常識を打ち破るローラー台がスマート化
三本ローラー台と固定ローラー台のいいとこ取りをしたような、ユニークな製品。フロントフォーク固定部分がエラストマーによりフレキシブルに動くため、バイクが左右に動き自然なペダリングやダンシングが可能。一方で脱落の心配もない。この本体を「GT-eSMART series」によりスマート化できる。専用アプリ「GT-eRemote」でスマホ・タブレットで簡単に負荷などを調整できるうえ、各種スマートトレーニングアプリにも対応する。


GT-ROLLER F3.2+GT-eSMART series
価格/ 10万1800円(税抜)
※GT-Roller F3.2本体(6万9800円・税抜)にGT-eBox(8500円・税抜)とGT-ePower-F(2万3500円・税抜)を組み合わせた製品  
●寸法/高さ43.5㎝×幅90㎝×長さ105.5㎝~115.5㎝(展開時) 
●参考重量/ 9.5kg ●対応エンド/9㎜×100㎜クイックリリース、12×100㎜スルーアクスル、15×100㎜スルーアクスル

計測可能項目:パワー/速度
対応アプリ:各種アプリに対応
 

静寂性チェック:72.8 db かなり静か!
70dbというと、街頭のざわめきやPCのタイピング程度の音。静粛性はかなり高く、集合住宅で使ってもまったく問題なさそうだ。

※ 90rpm / 250Wで10秒走行したとき、ローラー台本体から約1m離れた地点で騒音計を用い計測。その平均値。バイクの摺動音も含み、完全に正確ではないのであくまで参考として。
 

フル装備参考スペース
左右に脚が張り出すように見えるが、全体としてはむしろ占有スペースは小さい。ローラー部分も普通のローラー台よりコンパクトだ。

※ 700Cロードバイクを使い、適切な位置で機材をセットした参考値。あなたのバイク次第で数値は変わるので、あくまで参考として。
 

オプション:FLEX(フレックス)ブルカット
価格/ 6900円(税抜)
GT-Roller Fシリーズ対応の防振アイテム。振動を抑えることで、ただでさえ小さい騒音をさらに小さくできる。
 

IMPRESSION:固定? 三本? 新感覚の実走感

GT-ROLLER F3.2+GT-eSMART seriesには、固定ローラー台のような安心感、そして静寂性に、三本ローラー台の実走感が加わっている。ペダルを回すと、フロントフォーク固定部分がわずかに動いてバイク全体が左右に揺れる。フロントフォークが硬いゴムで抑えられているような硬質な揺れ方なので不安はないが、実走感は固定ローラー台をはるかに上回る。
 

GT-ROLLER Q1.1+GT-eSMART series


自然なダンシングができる3本ローラーの進化型
三本ローラーにさらにローラーを1本追加することで安定性が増し、激しいトレーニングメニューも安心してできるようになった。追加したローラーのお陰でハンドルを切ることもできるので実走感がさらに増し、ほとんど外を走っているのと変わらない感覚で乗ることができる。GTeSMARTseriesでズイフトなどのバーチャルライドを行えば、もはや実走トレーニングがいらなくなってしまうレベルかも。


GT-ROLLER Q1.1+GT-eSMART series
●価格/ 12万8000円(税抜)
※GT-Roller Q1.1本体(8万8000円・税抜)にGT-eBox(8500円・税抜)とGT-ePower-Q(3万1500円・税抜)を組み合わせた製品 
●寸法/高さ10㎝×幅56㎝×長さ136㎝(展開時) 
●参考重量/ 13.5kg

 

静寂性チェック:71.0 db 三本ローラー系としては驚きの静かさ
三本ローラー系の大敵が騒音だが、GT-Roller Q1.1はその系統であるにもかかわらず、恐るべき静寂性を誇る。チェーンの音が一番うるさいくらいだ。

※ 90rpm / 250Wで10秒走行したとき、ローラー台本体から約1m離れた地点で騒音計を用い計測。その平均値。バイクの摺動音も含み、完全に正確ではないのであくまで参考として。
 


フル装備参考スペース
ローラーの本数が1本増えて〝四本ローラー台〞になったが、もちろん占有スペースは変わらない。静かでもあるので屋内でも使えるだろう。

※ 700Cロードバイクを使い、適切な位置で機材をセットした参考値。あなたのバイク次第で数値は変わるので、あくまで参考として。
 

純正アプリ:GT-eRemote
●対応OS / iOS ※2019年にandroid対応予定

主な機能:負荷の調整/勾配の変更/パワー校正

シンプルで使いやすい、GT-eSMARTシリーズ専用アプリケーション。校正や負荷の調整が可能。今後はコース再現、トレーニングメニュー作成などのカスタマイズ機能も追加予定だ。
 

勾配が変化するデバイスを開発中!
固定ローラーではフロントアップして上り勾配を再現する方法が用いられることがあるが、何とGT-Roller Q1.1に自動でフロントを持ち上げるアクセサリーが登場予定。四本ローラーなのに、ヒルクライムのリアルなトレーニングができる。脱落防止機構のお陰で自然なダンシングもできるため、実際の上りに限りなく近いトレーニングが屋内で安全・快適に実現できるようになる。クライマーが外に出ずにトレーニングをする日が来るのだろうか?
 

IMPRESSION:もはや実走? 究極のローラー台

GT-ROLLER Q1.1+GT-eSMART seriesはシッティングでもダンシングでも、リアルな挙動を楽しめた。これならペダリングに変な癖がつくこともなさそう。また、脱落防止機構のおかげで高強度メニューにも集中できた。ただ、スマート化機能による負荷は他社トップモデルに比較してやや弱めと感じた。他のGT-eSMART seriesも同じで、グロータックもこの点は公表している。しかし、気になるレベルではないと思う。

 

GT-Roller M1.1


GT-Roller M1.1
価格/5万9000円(税抜)

コンパクトに折り畳み、簡単に設置することができる。レース会場でのウォーミングアップやクールダウンに活躍してくれそうだ。フロントフォークを固定するカーボン製のシャフトがしなり、GT-Roller F3.2並みの実走感。

※この製品をスマート化できる「GTePower-M」が2018年12月に発売予定! 価格は2万2500円(税抜)の予定だ。
 

問・グロータック