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パナソニックサイクルテックがIoTを活用した電動アシスト自転車による実証実験をスタート

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一般向け電動アシスト付き自転車からスポーツ向けのeバイクまで、多様なラインナップを誇るパナソニックサイクルテックは、自社で開発したIoTユニットを組み込んだ電動アシスト自転車を活用し、一部の地域で実証実験を行うことを発表した。

 
20インチの小径電動アシスト付き自転車「グリッター」が素体となった「IoT電動自転車」
20インチの小径電動アシスト付き自転車「グリッター」が素体となった「IoT電動自転車」
綱島SST内の慶應義塾大学日吉国際学生寮前に設置された駐輪ポート。ここ以外にもキャンパス内や商業施設、駅周辺にも設置される。
綱島SST内の慶應義塾大学日吉国際学生寮前に設置された駐輪ポート。ここ以外にもキャンパス内や商業施設、駅周辺にも設置される。
バッテリーの後ろに組み込まれたIoTユニット。GPS、通信モジュールを有することで、オンライン上から様々な情報が管理できる
バッテリーの後ろに組み込まれたIoTユニット。GPS、通信モジュールを有することで、オンライン上から様々な情報が管理できる

同社は電動アシスト自転車の本体からモーターユニット、バッテリーに至るまで製造開発を行っており、現在国内だけでなく海外のeバイクメーカーへまでユニット供給を行っている。

そして今回発表されたのが、「IoT電動自転車」という聞き慣れない言葉だ。

近年メーカーからサービスまで幅広い分野で注目されているIoTは、インターネットを経由することでさまざまなデバイスがリンクしていくことの総称。そしてパナソニックサイクルテックは、自社でIoTシステムおよびユニットを新たに開発。GPSや通信モジュールを有するこのユニットを電動アシスト自転車に組み込むことで、そのバイクの施錠管理から走行距離・速度、バッテリー残量、故障の検出などといった情報をオンライン上で管理する。それによってそれぞれのバイクの状況だけでなく、総合的なデータの管理・分析が可能となる。

それとともに、実際に都市部で稼働させる実証実験を3年間行うことを決定。その地区として選ばれたのが、神奈川県横浜市にある「Tunashimaサスティナブル・スマートタウン(綱島SST)」周辺一帯だ。次世代都市型スマートシティとして、パナソニックをはじめとした複数の事業者、大学、行政そして住民が連携し、新たなまちづくりや繋がりを作り出すことを目的としたこのエリアにおいて、シェアサイクルとしてこの「IoT電動自転車」が設置される。

スマートタウン近隣や最寄り駅である東急・横浜市営地下鉄日吉駅などの駐輪ポートに配備されることで、このエリアのインフラとして活用されることから、都市部における電動自転車活用の情報を得ることができることとなるのだ。それはシステム面だけでなく、ハードやサービスに対しても総合的に行われていく。
 
実験ではスマートホンから会員登録を行う。各バイクのリアフェンダーに張られたQRコードを読み取り、アプリ上から解錠操作
実験ではスマートホンから会員登録を行う。各バイクのリアフェンダーに張られたQRコードを読み取り、アプリ上から解錠操作
バイク側のスイッチから電源をオンにすれば、自動的にバイクのサークル錠が解錠。これで自転車を利用できる
バイク側のスイッチから電源をオンにすれば、自動的にバイクのサークル錠が解錠。これで自転車を利用できる
2018年に限定で発売されたフルサスペンションeMTB「XM-D2」(60万円・税抜)をはじめ、多くのeバイクをラインナップする
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同日には、長野県にて岩岳マウンテンリゾートを運営する白馬観光開発とパナソニックサイクルテックが、eMTBの普及に向けた情報発信の拠点とする取り組みを協業していくことも発表。リゾートエリアにおけるeMTBを活用したレンタルサービスや専用コース作りなどが推し進められる予定で、そこにおいて配備されるIoT eバイクからも、そのエリアに特化したさまざまな情報を蓄積することとなる。

これらの実証実験をもとにパナソニックサイクルテックは、2021年度より順次法人向けにIoT電動自転車を投入していき、2030年には全てのラインナップでIoT化を実現することを目標としている。

パナソニックサイクルテック代表取締役社長の野中達行氏は、「これまで電動自転車が、どのくらいの距離をどの程度の頻度でどのように走っているか、などといったデータは持っていませんでした。今回自社で開発したIoTユニットを活用することでそれらを蓄積し、メーカーとして従来の事業者とは異なるサービスを提案していきたいです」と話した。

問・パナソニックサイクルテック

(text&photo:江里口恭平)