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ジロ・デ・イタリア2019完走直後のNIPPO初山選手にインタビュー

レース
・完走して率直な感想は?
3週間やっと終わった、という感じです。明日は自転車に乗らなくていいし、食事もパスタばかりの生活じゃなくなる。日本食も恋しいですね。

1週間以上前から股ずれを起こしてて乗るのがきつかったという症状もあった。追い込んでいるときは大丈夫なんですが、イタリアは石畳とか道の悪いセクションも出てくるとやはり痛みが出ました。


・3週間走り切ってみて変わったことはありますか?
正直まだわからない。でも長期間にわたってこれだけつらい思いをしたのは初めて。とはいえ、3週間を耐えきり、大きく体調を崩すこともなく自分でもびっくりだった。どのステージが特別きつかったっていうのはない。自分は総合争いができるような戦い方をしているわけではないですし。
とはいえ、ローベレをスタートした第16ステージはきつかった。本当にリタイヤしたかった。監督から「リタイヤするか?」って聞かれたら「はい」って言っていたと思う。


・自分からは言わなかった?
それはないですね。やめれば楽になるけれど、その分、後味の悪さも残ると思った。スタートする前から「完走が目的じゃない」と言ってきたけれど、走り続けていると自分の完走を本気で応援したり、祈ったりしてくれる人がたくさんいた。それを裏切ってしまうことはできないと思った。

新城選手や別府選手のように世界的に有名な選手というわけではない自分のことを、ジロという大舞台で、初山コールが起こるくらいに応援してくれるというのは、言葉では言い表すことができない感情を持ちました。

 
フィニッシュラインを超え、ベローナのコロッセオに入ってきた初山。大きな初山コールが巻き起こった
フィニッシュラインを超え、ベローナのコロッセオに入ってきた初山。大きな初山コールが巻き起こった


・自分の逃げがチーマの活躍などチームの雰囲気に影響したと思う?
チーマの勝利と僕の逃げは別のものです。彼自身1000㎞近く逃げているしその結果手に入れた勝利だと。


・うれしかった瞬間は?
ガゼッタに載ったときか、初山コールですね。チーマの勝利は信じられないくらいすごいことだと思いました。


・マリア・ネッラ(総合最下位の選手に贈られる黒いジャージ)獲得について
最下位なのでえばれることじゃないですが、フィニッシュしたポディウムで表彰もしてくれて、いろいろと取材で取り上げられる機会に恵まれたことを考えるとスポンサーにもよかった。



・ファンやスポンサーに一言
3週間時差がある中、ありがとう。こんなすごいステージに立てること自体がすごい! ワールドツアーとプロコンチネンタルの選手あわせて1000人しかいない。そのなかからプロコンチネンタルチームのワイルドカード枠で選ばれて、さらにチームからジロ・デ・イタリアのメンバーに選ばれた。それを真剣に応援してくれた人たちに対してありがたいと思っています。



・次戦は?
ハンマーシリーズに出場します。長期的な意味では3週間走り切った後で自分の体がどうなるのかを確認したいともいます。次はツールだ! というイメージはない。よく考えながらチームと決めて目の前目の前のレースを戦っていきたい。



 
イタリア語でテレビのインタビューに答える
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激励に訪れているNIPPOの岩田会長とフィニッシュ直後に
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