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首都圏で初開催のデンマーク式自転車ゲーム 「まだやりた〜い」と大好評 

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京都市で実施中の“遊びながら学ぶ”デンマーク式自転車ゲームが、6月5日に東京都杉並区の私立大宮幼稚園で開催された。デンマーク大使館後援のもと首都圏の幼稚園での展開を企図している。

 
自転車ゲーム開始前に、サドル高の調整(地面に両足の底が付く高さ)とヘルメットのストラップ長調整を行う
自転車ゲーム開始前に、サドル高の調整(地面に両足の底が付く高さ)とヘルメットのストラップ長調整を行う


12時に自転車ゲームが始まった。園庭に用意されたキックバイク、その前にお揃いのベストとヘルメットを着用した年中1クラスの園児15人が並ぶ。サドル高とヘルメットのストラップ長は開始前に調整済み。運営者代表の馬場誠さん(元ワイ・インターナショナル代表)が、プログラムとスタッフを紹介。馬場さんの師匠、藤本典昭さんも大阪から駆けつけ、スタッフは8人。直径10mほどの円と長円が白線で描かれ、この中と周囲でゲームが行われる。

前半のプログラムは(1)シャボン玉から。スタッフがシャボン玉を発生器で飛ばし、園児がそれを捕まえる。最初は徒歩で次は自転車で最後はハエ叩きを使う。園児は歓声をあげて動き回る。少しずつスキルアップしていく仕組み。次は(2)リング。直径約15㎝のプラ製リングが園内に多数まかれている。リングは赤、青など色付き。「赤い輪に前輪を乗せてください」と指示があり、それに従って自転車で移動。ここまで所要20分。ドリンク休憩が3分間。

 
園児に大人気だったシャボン玉ゲーム。最初は徒歩で、次に自転車に乗って、最後には自転車に乗ってハエたたきでシャボン玉を捕える。易から難へとスキルアップしていく
園児に大人気だったシャボン玉ゲーム。最初は徒歩で、次に自転車に乗って、最後には自転車に乗ってハエたたきでシャボン玉を捕える。易から難へとスキルアップしていく


後半は(3)楽器叩き・大波・バランス・ボール・ビヨーン。円の周囲を回りながら設けられた関門を自転車でクリアしていく。できるようになったら反対回り。12時37分に終了のアナウンス。園児から「まだやりた〜い」の声。

 
自転車で輪(直径15m)に沿って回りながら、カスタネットとタンバリンを叩くゲーム。自転車の片手操作を学ぶことができる。右手ができたら、逆回りを して左手で行う
自転車で輪(直径15m)に沿って回りながら、カスタネットとタンバリンを叩くゲーム。自転車の片手操作を学ぶことができる。右手ができたら、逆回りを して左手で行う
サドルに座って足で地面を蹴りながら、ゲームをしながら自転車を操作するスキルを順に高めていく
サドルに座って足で地面を蹴りながら、ゲームをしながら自転車を操作するスキルを順に高めていく


各ゲームが終わったら、園児は片付けにも参加。これは社会性を身につける狙いがある。「遊びながら学ぶ」と「楽しい」が徹底されていた。プログラムは小さな成功体験を積み上げるように構成され、必要な道具もよく吟味して用意されているのが印象に残った。

 
休憩前のゲームで使った道具を片付ける際には、園児にゲーム感覚で手伝わせて、社会性を植え付ける
休憩前のゲームで使った道具を片付ける際には、園児にゲーム感覚で手伝わせて、社会性を植え付ける


副園長の草村敏子さんは「子ども達が生き生きとしていた。子どもたちが安全に自転車に乗れるようになる、その次に交通ルールを覚えられる。楽しく遊びながら学べる」と評価。馬場さんによれば、大宮幼稚園の全園児300人に対するゲーム実施を園から依頼されているという。さらに「東京での幼稚園で広めていきたい、ボランティア活動ではないので資金面の基盤も整えたい」と抱負を語った。

 
終了後に園舎を背にして記念撮影。今回のスタッフは8人、参加したのは年中(4歳)1クラスの園児15人
終了後に園舎を背にして記念撮影。今回のスタッフは8人、参加したのは年中(4歳)1クラスの園児15人



text&photo:宮内 忍