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土砂降りのクリテリウム・デュ・ドーフィネ2019 第7ステージはプールスが優勝/フルサングが総合首位

レース
 
フランスで開催中の第71回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は、6月15日にサン・ジェニックス・レ・ビラージュからレ・セット・ロー(ピペ山)までの133.5kmで超級頂上ゴールの第7ステージを競い、土砂降りのゴール勝負をオランダのウァウテル・プールス(チームイネオス)が制し、区間優勝した。

デンマークのヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム)は、ゴール目前でプールスに追い越され、1秒遅れの区間2位に終わったが、この日マイヨ・ジョーヌを着ていた英国のアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)に9秒差を付けることができ、最終日前日で総合首位に立つことができた。

終盤土砂降りに見舞われたクイーンステージ

(MAP : ASO)
(MAP : ASO)
最終日前日の第7ステージは132選手が出走。トム・ドゥムラン(チームサンウェブ)を含めた5人が出走しなかった。スタート直後からアタックが開始され、20km地点で山岳賞のマイヨ・アポワを着たジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)を含めた22選手が集団から逃げ出し、先頭集団になった。

アラフィリップは43km地点のエピーヌ峠(カテゴリー1)山頂を先頭で通過した後、レナルト・ホフステデ(チームユンボ・ビスマ)と一緒に先頭集団から抜け出し、72.5km地点のグラニエ峠(カテゴリー1)も先頭で通過した。しかし2人は残り38kmで逃げ集団に戻った。

最後から2番目りマルシュー峠(カテゴリー1)でアラフィリップは先頭の逃げから遅れ、マイケル・ウッズ(EFエデュケーションファースト)とカザフスタンチャンピオンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム)が先頭に立ち、30秒差を付けて山頂を通過した。その時メイン集団は2分近く後方にいた。

レースは終盤になって雨が激しく降り始め、標高1561mでカテゴリー超級のピペ山頂上のゴール地点では、残り50m周辺のコース上に大きな水溜まりができるほどだった。残り19kmのふもとで、ルツェンコとウッズにはジャンニ・モスコン(チームイネオス)、ミカエル・シェレル(AG2R・ラモンディアル)、イェスパー・ハンセン(コフィディス)が追いつき、先頭は5人になっていた。

ゴールまで残り11kmで、集団からはナイロ・キンタナ(モビスターチーム)がアタックし、ミハウ・クフィアトコフスキー(チームイネオス)が付いていった。先頭はルツェンコ、ウッズ、ハンセンの3人が逃げ続けていた。残り8.3kmでキンタナは集団に戻ったが、クフィアトコフスキーは逃げ続け、残り7kmでルツェンコとウッズに合流した。しかし、3人は残り4kmで集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。

そこからフルサングがアタックしたが、プールスが引く集団に吸収された。続いて残り2.5kmでエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。フルサングが追いつき、先頭は2人になった。

集団ではマイヨ・ジョーヌのイェーツが残り1.8kmでアタックしたが、抜け出すことはできなかった。フルサングとブッフマンは土砂降りの中を逃げ続けたが、フラム・ルージュでアタックしたプールスにゴール手間250mで追いつかれてしまった。最後はそのまま2人を追い抜いたプールスがフィニッシュラインを先頭で通過した。

イェーツは10秒遅れでゴール。フルサングは前日までの総合成績が7秒遅れの総合4位だったため、イェーツを逆転して総合首位に立つことができた。彼は区間2位で6秒のボーナスタイムも獲得し、最終日の山岳ステージを残して総合2位のイェーツとのタイム差は8秒差となった。しかし、総合7位のティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)でも33秒差だ。

最終日はクルーズをスタートし、隣国スイスのシャンペリーにゴールする山岳ステージで、距離は113.2kmと短いが、丘と峠をいくつも越えなければならない厳しいステージだ。


■土砂降りの頂上ゴールで優勝したプールスのコメント
「チームにとって本当に素晴らしく、フルームへの贈り物でもある。ボクは一日中すごく強いと感じていた。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。ゴール手前500mで2人を捕まえるのは難しいと思ったが、最後のコーナーで追いつき、彼らを追い抜いた。ここで勝ててとても素晴らしいよ」

■区間優勝は逃したが総合首位に立ったフルサングのコメント
「スタートした時には、いい一日になりそうな感じだった。一日中いい天気であることを望んでいたが、最後の上りはすごく寒かった。半分の自分はただ、オーケー、可能な限り早くゴールしようぜと言っていて、それが唯一望んでいたことだったんだ。

リーダージャージには満足していて、明日これを守ることを望んでいる。最終日は難しい日になるだろうけどね。短い形式だとハードになるし、リーダージャージを着ていると興味深いものになるだろう。2年前に総合優勝した時のように楽しめるレースにはならないだろう。あの時ボクは、最終日にリーダージャージを獲得したからね」

 
 
■第7ステージ結果[6月15日/サン・ジェニックス・レ・ビラージュ~レ・セット・ロー(ピペ)/133.5km]
1. POELS Wout (TEAM INEOS / NED) 4:01:34
2. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1
3. BUCHMANN Emanuel (BORA - HANSGROHE / GER) +1
4. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) +10
5. MARTIN Daniel (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +10
6. YATES Adam (MITCHELTON - SCOTT / GBR) +10
7. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +13
8. VAN GARDEREN Tejay (EF EDUCATION FIRST / USA) +16
9. TEUNS Dylan (BAHRAIN - MERIDA / BEL) +30
10. LAMBRECHT Bjorg (LOTTO SOUDAL / BEL) +34

11. LUTSENKO Alexey (ASTANA PRO TEAM / KAZ) +46
13. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +46
14. PORTE Richie (TREK - SEGAFREDO / AUS) +46
16. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO - VISMA / NED) +58

■第7ステージまでの総合成績
1. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) 27:36:40
2. YATES Adam (MITCHELTON - SCOTT / GBR) +8
3. VAN GARDEREN Tejay (EF EDUCATION FIRST / USA) +20
4. BUCHMANN Emanuel (BORA - HANSGROHE / GER) +21
5. POELS Wout (TEAM INEOS / NED) +28
6. TEUNS Dylan (BAHRAIN - MERIDA / BEL) +32
7. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) +33
8. LUTSENKO Alexey (ASTANA PRO TEAM / KAZ) +1:12
9. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO - VISMA / NED) +1:20
10. MARTIN Daniel (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +1:21

11. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +1:24
12. PORTE Richie (TREK - SEGAFREDO / AUS) +1:38
13. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1:38

レース公式サイト
 
第8ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)
第8ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)

第7ステージのハイライト映像