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台湾発のヘルメットブランド「Kプラス」が日本上陸!
新製品
2019.07.23
「Kプラス」は2014年に台湾で創業したヘルメットブランドだ。それまで30年以上、OEMとして様々なヘルメットを送り出してきたメーカーを母体とし、「スポーツとファッションの融合を、職人の術で製品化する」ことを目標として、台北のサブカルチャーを盛り上げるような若い世代が中心となって設立された。一見してわかるとおり、そのデザインはシンプルさと美しさを追求しており、それでいて実物を手に取ると塗装の質感や製品の精度の高さが分かる。
同社の製品開発においてユニークなのが、他社ではその年度ごとに発表されるいわゆる「イヤーモデル」という方式をとらず、「ジェネレーション」という考え方を導入しているということだ。
その年々の流行り廃りに乗っ取りデザインしていくことよりも、数年を跨いでもそのひとつの世代間で、一貫したデザインコンセプトや機能性を重視することによって、よりひとつひとつの製品が独立したイメージを保つことができることとなる。作り手がその時々の最高の技術を取り入れ、そしてセンスを形にすることができるのである。
下で紹介するエアロモデルの「ウルトラ」は、このなかでは「サード・ジェネレーション」に位置することとなるのだが、その世代を特徴づける要素のひとつが「ニューアジアンフィット」だ。
母体メーカーが持つアジア人の頭部形状のビッグデータとともに、プロ選手やカスタマーの実際の声を生かす事で、アジア人にとってより高いレベルのフィット感を得ることができるというもの。ザ・アジア人頭部形状の筆者が実際に被ってみても、全体をかなり深めに包み込んでくれつつ、それでいてサイドの出っ張りもスマートに感じられるものだった。
ヘルメットごとにS、M、Lの3サイズが用意されるが、それぞれのヘルメットで3種類のインナーパッドが付属(5mmのメモリーフォームパッド、ノーマルパッドの5mmと10mm)する。それを交換することによって、自分の頭の形状に合わせた細かい調整も可能となるのだ。
その他にも後部のダイヤルで調整できる「K1フィッティングシステム」や、片手で着脱が容易な「マグネットバックル」も採用。もちろん国際標準の安全規格をクリアしており、かつ自社工場内では精密な衝撃耐久試験を行っているため安全面においても十分に信頼できる。
「シュレーボ」に見られるような複雑な帽体形状は、Kプラスのデザイナーがハンドメイドでモデリングしたものをもとに、風洞実験など性能を引き出す試験を経て、そして工場の生産現場で忠実に再現し商品化していく。同社のコンセプトで言うところの「職人の術」は、これらのプロセスの中にっこそ流れており、実物の完成度の高さを見ると、創業5年という新興ブランドとは思えないような確かさがある。
まるでライダーの顔そのものを引き立たせるようなシンプルな造詣やカラーリングは、現在多様化したサイクリストのファッションにおいてもすんなりとマッチする。それでいて機能や安全性も万全というヘルメットブランドは、アジアの一員である我々にとってのみ享受しうるニューウェーブとなるだろう。
サード・ジェネレーションのなかで最新モデルに位置するウルトラは、そのフォルム通りエアロダイナミクスを追求したヘルメットだ。特徴的なのがマグネットで着脱できる「エアロベント」および「エアロブレード」というカバー。サイド部分の大きな通気孔を、その時の走行環境に従って覆うことで、空力性能や乱流を効果的に減少させることができるというものだ。もちろんそれぞれKプラスノラボで実験が行われている。
安全面においては、ポリカーボネート製のアウターシェルを帽体の上下で分けることで、衝撃を受けた際に広範囲へ分散・吸収させることができる「デュアルシェル構造」を採用する。
「ウルトラ」
2万8300円(税抜)
カラー:マットブラック、マットグレー、ホワイト
サイズ:S、M、L
レトロさを感じさせるような形状を採用した、Kプラスが初めて発表したエアロヘルメット。シンプルなデザインには古さと新しさを同居させつつ、走行中の前傾姿勢時に最もベンチレーションが効くような設計を採用している。トライアスロンやトラック競技にもオススメだ。
「クアンタ」
2万2000円(税抜)
カラー:ブラック、グレー、ホワイト
サイズ:S、M、L
イタリア語で「生命」を意味するこのヘルメットのデザインコンセプトは、まさに「太陽系」。後部の「V」字はモデル名を表すだけでなく、その美しいグラデーションに時間ごとで変化していく空の色を表現。3色のカラーそれぞれでサイクリングの素晴らしい時間を感じさせるという、アーティスティックなコンセプトあふれるヘルメットだ。
「ヴィータ」
1万7500円(税抜)
カラー:ダウン、グリーム、トワイライト
サイズ:S、M、L
自社独自のクーリング性能を採用し、頭部の涼しさを追求したモデルだ。注目したいのはそのハイクオリティな塗装で、こちらに並べた2色はそれぞれ「ヒルクライム」をイメージした細かいパターン(オーロラブルー・左は「等高線」、ラバレッド・右は「溶岩」)も描かれている。
先述のデュアルシェル構造に加えて、EPSシェル内にポリカーボネートを重ねた多層構造の「ツインシェル構造」も採用しており、より強度・安全性を高めている。同社では現在他社で取り入れられている「MIPS」などの特別な追加構造を加えることなく、十分な安全性を実現しているとのことだ。
「シュレーボ」
2万4800円(ブラック、ホワイト、チタニウムグレー、シルバー・税抜)
2万5800円(オーロラブルー、ラバレッド・税抜)
サイズ:S、M、L
Kプラスを扱うチャンピオンシステムジャパンでは、今回のローンチイベントが開催されたクロスコーヒーをはじめとしたさまざまなショップで、実際にユーザーが手に取ってもらえる機会を増やしていく。それとともにHP上でもオフィシャルで販売を行っていく予定だ。
問・チャンピオンシステムジャパン(Kプラス)
(text&photo:江里口恭平)