ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第20ステージはポガチャルが今大会3勝目を上げ、総合3位の座を獲得

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ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第20ステージはポガチャルが今大会3勝目を上げ、総合3位の座を獲得

(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年9月14日にアレナス・デ・サン・ペドロからプラタフォルマ・デ・グレドスまでの190.4kmで、最後の山岳区間となる第20ステージを競い、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が独走で逃げ切って今大会3勝目をマークした。

区間2位には1分32秒遅れで世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルテ(モビスターチーム)、3位にはポーランドのラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)が入った。

総合リーダージャージのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)は、1分41秒遅れでゴール。総合首位の座を守り、最終日に首都マドリードへ凱旋することになった。

区間優勝したポガチャルは総合5位から3位へと順位を上げ、マドリードで同郷のログリッチェと表彰台に上がる夢を実現させた。彼は新人賞で総合首位になり、白い新人賞ジャージも獲得している。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第20ステージはポガチャルが今大会3勝目を上げ、総合3位の座を獲得

(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

最後の山岳ステージでポガチャルがアタック

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第20ステージはポガチャルが今大会3勝目を上げ、総合3位の座を獲得

第20ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第20ステージは153選手が出走。ジャンピエール・ドリュケール(ボーラ・ハンスグローエ)がスタートしなかった。オフィシャルスタートからアタックがかかり、最初のカテゴリー1の上りが始まった時点で9選手が先頭を逃げていた。34kmの頂上はセルヒオ・サミティエル(エウスカディバスクカントリー・ムリアス)が先頭で通過した。2つ目の峠越えが始まった時に雨が降り始めた。

続く2カ所のカテゴリー2の峠もサミティエルが先頭で通過したが、集団とのタイム差は1分しかなかった。下りで集団からテイオ・ゲーガンハート(チームイネオス)がアタックし、ゴールまで残り108km地点で先頭の逃げに追いついた。その時、集団とのタイム差は2分20秒に開いていた。

中盤のカテゴリー3の峠はニコラ・エデ(コフィディス)が先頭で通過した。メイン集団はアスタナプロチームが引き始め、ゴールまで残り55kmで20人ほどに絞られていた。終盤に設定されていたカテゴリー1のプエルト・デ・ペニャ・ネグラ峠が始まり、頂上から11km地点で逃げからゲーガンハートがアタックし、ルーベン・ゲレイロ(チームカチューシャ・アルペシン)が付いていった。

メイン集団ではロペスがアタックしたが、総合を争う選手たちはそれを許さなかった。山頂まで残り4.5kmで、この日ポイント賞総合4位で緑のリーダージャージを着ていたポガチャルが集団からアタック。しかし、誰も彼を追わなかった。ポガチャルは40秒前を走っていたゲーガンハートとゲレイロに、山頂まで3.7km地点で追いつき、すぐに2人を置いて先頭に立った。霧に包まれた山頂で、ポガチャルはメイン集団に1分半のタイム差を付けていた。

この日のゴールが設定されていたカテゴリー3のプラタフォルマ・デ・グレドスの9.4kmの坂をポガチャルが上り始めた時、メイン集団は1分40秒差だった。ポガチャルは難なく逃げ切り、区間3勝目を手中に収めた。フィニッシュラインでは、チームのマウロ・ジャネッティCEOが彼を出迎えていた。

メイン集団ではゴール目前でロペスが力尽きて遅れ、前日まで総合3位だったナイロ・キンタナ(モビスターチーム)もラ・ロハのグループに付いて行けなかった。バルベルデは区間2位に入り、6秒のボーナスタイムを獲得したが、総合首位の座を守れることが確定したログリッチェは自分のペースでフィニッシュラインを通過した。

■初出場したブエルタで区間3勝目を上げた20歳のポガチャルのコメント
「本当に我慢が必要だった。脚の調子は良かったが、ステージの序盤はモチベーションが高くなかった。その後、皆が寒さと雨に苛まれているのを見た。ボクは最後の上りで調子が良いと感じたから、アタックした。ロペスはすごく頑張っていたけど、ボクは適切な瞬間を選んだのさ。

沿道でスロベニアのファン、家族、チームカーから良いサポートを受けた。彼等がボクに信じられないほどのモチベーションをくれて、最後の1時間は全力で行った。バルベルデやログリッチェと一緒に表彰台に立てるのは光栄だ。それを決して想像していなかったし、自分を成し遂げたことを理解するには数日かかるだろう」

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第20ステージはポガチャルが今大会3勝目を上げ、総合3位の座を獲得

(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

■第20ステージ結果[9月14日/アレナス・デ・サン・ペドロ~プラタフォルマ・デ・グレドス/190.4km]
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 05H 16′ 40”
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 32”
3. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 01′ 32”
4. HERMANN PERNSTEINER (BAHRAIN – MERIDA / AUT) + 01′ 32”
5. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 01′ 41’’
6. SERGIO ANDRES HIGUITA GARCIA (EF EDUCATION FIRST / COL) + 01′ 49’’
7. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) + 01′ 49’’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 56’’
9. MIKEL NIEVE ITURRALDE (MITCHELTON – SCOTT / ESP) + 01′ 59’’
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01′ 59’’

52. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 14’ 24’

■第20ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 80H 18’ 54’’
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02’ 33’’
3. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)  + 02’ 55’’
4. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 46’’
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 04’ 48’’
6. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 07’ 33’’
7. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 10’ 04’’
8. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR) + 12’ 54’’
9. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 22’ 27’’
10. MIKEL NIEVE ITURRALDE (MITCHELTON – SCOTT / ESP) + 22’ 34’’

110. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 04H 13’ 18’’

[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 
※第21ステージは NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) が着用
■山岳賞 : GEOFFREY BOUCHARD (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞 : TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : TAO GEOGHEGAN HART (TEAM INEOS / GBR)

ブエルタ公式サイト

第20ステージのハイライト映像

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