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東京五輪視野に 自転車活用提言案、自転車議連が示す

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2020年に開催予定の東京五輪を見据え、自転車利用の環境整備を目的とした政府への提言案を、国会議員でつくる「自転車活用推進議員連盟」(会長・谷垣禎一法相)のプロジェクトチーム(PT)がこのほどまとめた。28日、国会内で同案をめぐる討論会が開かれ、約300人が参加した。
 
自転車議連の討論会で発言する谷垣禎一会長=28日、国会内で
 
■特命相の要件に「サイクリスト」
提言案は自転車利用の環境整備と、東京五輪に向けた準備を求める項目で構成。前者では自転車政策の実現を進める特命担当相の設置、反則金制度や賠償責任保険の義務化、車道での自転車走行場所の明示、自転車や歩行者に配慮した交通政策、自転車を分解せずに鉄道車内に持ち込める「サイクルトレイン」を含めた公共交通機関との連携、などを掲げる。
特命担当相の資格要件には「サイクリストであること」を求めた。これが実現すれば、自転車利用者の目線から政策を実施することが期待される。一方、後者では「都市交通の選択肢としての自転車活用を視野に置くことが重要」として、「シェアサイクル」の導入拡大、選手村を起点に五輪会場とその周辺の道路に自転車通行帯を設置することなどを提案している。
 
■「政策一元化」求める声目立つ
討論会では自転車政策をめぐる国と地方の一元化を求める声が目立った。自転車ツーキニストの疋田智氏は「ロンドンでは市長が自転車政策の一元化を進め、五輪開催までの7年間で偉大なる自転車都市に変化した。東京でも都が主導して国が後押しするような政策一元化のシステムを作ってほしい」と提案。
さらに自転車の走行場所について疋田氏は「国は車道が基本と言っているが、都では歩道が基本と言う。国と都の政策の齟齬(そご)を何とかすべき。このままでは提言案が絵に描いた餅で終わる気がする」と指摘した。
これを受けて大西秀男衆院議員(自民)は「今の提言をしっかり都に伝える」と発言。谷垣会長は全体の議論を引き取る形で「国と自治体の関係は重要だ。国が一歩前に出ることも大事だが、自転車を利用した地域づくりに極めて前向きな知事もいる。先進的な地域と協力して自転車活用の『モデル地区』を作ることも必要だ」と述べた。
都市交通評論家の亘理章氏も自転車政策について「どの国も国として基準を持っている。都道府県ごとにバラバラに運用されていては安全が保てない」と述べ、国として自転車政策の一元化を進めるよう訴えた。(斉藤円華)