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五輪開催見据え、都が都市計画案 26日まで意見募集

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2020年に東京五輪の開催を控える東京都は、向こう10年間の都政運営の指針をまとめた「東京都長期ビジョン(仮称)」の中間報告をこのほど発表した。
指針では東京五輪の成功と都の持続的発展の実現を目標に、都市インフラの整備や防災・治安、福祉の充実など8項目からなる「都市戦略」をかかげる。都では都民からの意見募集を26日(金)まで受け付ける。
 
都が示す自転車走行空間の整備手法(東京都建設局のサイトから引用)
■将来像は「自動車から公共交通、自転車へ」「歩行者中心」
8つの都市戦略のうち、サイクリストにも特に関わるのが、都市インフラの整備を掲げる戦略2のなかの「政策指針6」だろう。
同指針では「将来像」として、東京五輪開催時に「自動車から公共交通への利用転換や自転車の活用、歩行者中心の空間」が創出されるなどとした。また、今後10年で「都の持続可能な発展を支える、人と環境に優しい交通体系」を通じて「東京が快適で利便性の高い都市」を目指すとしている。
そのうえで、自転車の通行に関係する政策目標として、20年までに自転車走行空間の整備距離を、12年度比で2倍の232キロまで増やすほか、臨海部で広域的なシェアサイクルを整備することを掲げた。
都では、自転車走行空間の整備手法として、車道左側を通行する「自転車レーン」、自転車の対面通行が可能な「構造的分離による自転車歩行者道」、同じく自転車の対面通行が可能な「視覚的分離による自転車歩行者道」、および「自転車歩行者専用道」などを提示。道路の構造や利用状況を考慮して、整備手法を選ぶ方針だ。
都内の自転車走行空間の整備をめぐっては先月末、舛添要一都知事が、原則として新たな自転車走行路を車道に整備する一方、既存の道路では歩道での自転車の対面通行を許容するとの考えを示している。
自転車歩行者道に対しては、車道から自転車が見えにくい、視覚的分離は実質的に自転車の歩道通行と同じ等の批判がある。他方で自転車レーンも、路上駐車が自転車通行の障害になるなどの問題点が指摘されている。
意見は都政策企画局計画部計画課にメール、ファクス、郵送で提出できる。(斉藤円華)
 
「東京都長期ビジョン(仮称)」中間報告 へのご意見を募集します(東京都政策企画局)  http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/tokyo_vision/chuukan.htm