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NIPPO・ヴィーニファンティーニがジロ・デ・イタリアでフェアプレー賞を獲得

レース

5月31日、長かった3週間のジロ・デ・イタリアが閉幕した。プロコンチネンタルチーム昇格1年目にして、幸運にも得たワイルドカードによる出場権。日本人選手の石橋学を含む9名の選手が、5月9日にフランス国境近くのサンレモから3,486kmの長いレースをスタートした。

 

全ステージを通してペナルティ(反則金)ゼロ。チームは“フェアプレー賞”を獲得し、最終日に表彰台に上がった

 

石橋学については、これまでの日本人グランツール出場全選手のなかで最年少となる22歳での出場。また今年の3月まで大学生あったことなどから、日本から大きな注目を集めた。しかし、第2ステージの山岳で不調から単独で遅れてしまい、完走はしたものの、とても厳しいスタートとなった。

その後、徐々に調子を上げていったが、最初の休息日を前にした第9ステージで再び単独で遅れ、リタイアという結果。

本調子ではなく、彼の持ち味が発揮される前でのリタイアに悔しさが残るが、本人は「課題が見つかったジロだった。必ずこの舞台に戻ってきて、自分の走りを見せたい。今はまだその途中経過だと思っている。応援してくれた人たちの期待に応えるためにも、必ず世界で活躍する選手に成長したい」とコメントしている。

 
 

3週間におよぶジロ・デ・イタリアを終えて、チーム全員でチームバスの前で記念撮影

 

また、いくつかの不運がチームを襲った。まずは今季非常に調子が良く、第2ステージで区間9位に入ったスプリンター、ダニエーレ・コッリ(イタリア)が第6ステージのゴールスプリント時に、柵から身を乗り出していた観客のカメラと接触。上腕を骨折してリタイアとなった。

そして第18ステージでは、チームの絶対的エースであり、キャプテンのダミアーノ・クネゴ(イタリア)が、先頭集団で走っている際、道路の凹みにはまり転倒し、右鎖骨を骨折してリタイア。ステージ優勝を狙う絶好の展開のなかでのアクシデントに、チームは大きな悲しみに包まれた。

一方で、若手育成を掲げるチームは石橋学を含む4名のネオプロ(プロ1年目)の選手が出場し、登坂を得意とするジャコーモ・ベルラート(イタリア)は、4つのステージで逃げに乗る大活躍。またルーマニア人として初めてのジロ出場となったエドワード・グロスは、集団ゴールスプリントとなった第13ステージで世界のトップスプリンターたちと競り合い、区間5位でゴールした。

 
 

チームはジロ・デ・イタリア 2015でペナルティ(反則金)の額によって決まる“フェアプレー賞”を獲得し、最終ステージを終えて、栄えあるミラノの表彰台に立った。全日程を通して一切のペナルティを受けなかったのは、参加22チーム中 NIPPO・ヴィーニファンティーニだけであり、選手たちは笑顔で大会を締めくくることができた。

良かったことや、悪かったこと、さまざまなことが起こった3週間のレースで、選手だけでなく、チームとしても大きく成長し、今後に繋がるジロ・デ・イタリア初参戦となった。

NIPPO・ヴィーニファンティーニの次戦は6月7日から14日まで韓国で開催されるツール・ド・コリア(UCIアジアツアー2.1)となる。例年、非常にレベルの高いレースが展開されており、3人揃って出場する日本人選手やツアー・オブ・ジャパンでプロ初勝利を挙げたニコラス・マリーニらの活躍が期待される。

 

●ツール・ド・コリア出場メンバー

石橋 学

黒枝 士揮

山本 元喜

ディディエール・チャパッロ(コロンビア)

ニコラス・マリーニ(イタリア)

アントニオ・ヴィオラ(イタリア)

監督 : 大門 宏

 

ツール・ド・コリア公式サイト  http://www.tourdekorea.or.kr/tdk2015/elite/index.asp

NIPPO・ヴィーニファンティーニ  http://teamnippo.jp/