舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The Second Order の公演がスタート!
人気漫画の舞台版4作目となる「舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The Second Order」の公演が、3月13日に天王洲銀河劇場(東京都品川区)で始まった。
渡辺航が描く原作の『弱虫ペダル』は、2008年から週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載されている、自転車ロードレースをテーマとした青春スポーツ漫画。昨年10月からテレビ東京系列でアニメの放送もスタートし、深夜枠にもかかわらずさらに人気が高まっている。
舞台化はアニメよりもずっと早く、2012年2月に1作目が上演され、アニメオタクの主人公、小野田坂道が総北高校に入学し、自転車競技部に入部するエピソードが描かれた。
昨年上演された2作目はライバル校が主役となった番外編「箱根学園篇~眠れる直線鬼~」、3作目は本編に戻った「インターハイ篇 The First Result」で、原作のなかで3日間のステージレースとして描かれているインターハイ初日の物語が展開した。
そして今回の4作目は、インターハイ2日目のストーリーが主軸になっている。天王洲銀河劇場での4日間の東京公演のあとは、3月20日(木)から22日(土)まで埼玉公演(埼玉県熊谷会館)が初めて行われ、26日(水)から30日(日)までは、大阪公演(シアターBRAVA!)が行われる。
[ 舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The Second Order ]
■原作: 渡辺航「弱虫ペダル」(秋田書店『週刊少年チャンピオン』連載)
■演出・脚本: 西田シャトナー
■音楽: manzo
■出演:
小野田坂道役: 村井良大
田所迅役: 大山真志
巻島裕介役: 廣瀬智紀
今泉俊輔役: 太田基裕
鳴子章吉役: 鳥越裕貴
金城真護役: 郷本直也
福富寿一役: 滝川英治
荒北靖友役: 鈴木拡樹
東堂尽八役: 北村 諒
新開隼人役: 宮﨑秋人
泉田塔一郎役: 河原田巧也
真波山岳役: 植田圭輔
石垣光太郎役: 染谷俊之
水田信行役: 桝井賢斗
御堂筋翔役: 村田 充
<パズルライダー>
松井貴典、山本侑平、一瀬 悠、安達拓磨
■公式 HP: http://www.maql.co.jp/special/pedal
■ブログ: http://ameblo.jp/y-pedalstage/
■Twitter: @y_pedalstage
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舞台『弱虫ペダル』は人気俳優を大勢起用し、原作がアニメ化する前から人気があった。しかし今回は、アニメ化後初の公演ということもあり、全17公演の前売りチケットは5分で完売。初日には、抽選で販売された50枚の当日券を求めて、600人以上が列を作った。
公演チケットが入手困難で舞台を生で見るチャンスが少ないのは残念だが、この絶大な人気ぶりを受けて、公演を収録した舞台映像を、公演最終日3月30日(日)の21時より、ニコニコ動画で配信することが決定している。本公演を収録したDVDも、7月16日(水)にリリースされる。
【ニコニコ動画配信】
■放送日時:2014 年 3 月 30 日(日)21:00~
■配信場所:ニコニコ生放送(※登録無料)
■価格:1500 ニコニコポイント(1 ポイント=1 円)
■ネットチケット発売期間:3 月 13 日(木)10:00~3 月 31 日(月)23:59
■タイムシフト視聴終了日:4 月 6 日(日)23:59 まで
■URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv170692598
【DVD】
■発売日:2014 年 7 月 16 日(水)
■価格:8,800 円+税
■品番:TDV24298D
■仕様:2 枚組(Disc1 本編/Disc2 ボーナスディスク)
■発売元:株式会社マーベラス AQL
■販売元:東宝株式会社
■DVD 特設サイト:http://www.toho-a-park.com/yowapeda/
漫画やアニメとはひと味違った
舞台『弱虫ペダル』の人気を探る!
自転車ロードレースをテーマとした舞台『弱虫ペダル』が、2012年に初めて舞台化されたとき、常に走り続けるスポーツを、せまい舞台の上でうまく表現できるものだろうかと思った。
しかし、演出を手がけた西田シャトナーは、ハンドル1本だけで自転車を表現した独自の“パズルライドシステム”で、限られた舞台という空間でロードレースの臨場感までも魅せてくれた。
今回は4作目ということもあり、初演時と比べると俳優たちもこの技法をしっかり体得し、パントマイムのようにハンドルだけで自転車の重さや細かい動きを表現できるようになっていた。
自転車ロードレースのルールは、とかく初心者にはわかりにくいものだ。とくに『弱虫ペダル』には、漫画の世界のなかだけの独自のレースルールがあってさらに混乱するが、それが物語の要になっているため、劇中では出演者たちが時にはコミカルに、わかりやすく説明してくれる。
そのおかげで、物語の本質である少年たちの友情と成長、そしてロードレースというスポーツの世界観を、芝居や歌を通してじっくりと堪能することができる。コミックスで約5冊分のボリュームを、たった2時間で描いているが、原作の漫画を読んでいなくてもわかりやすい内容になっていた。
ストーリーは、ほとんどレース中のシーン。中腰でハンドルを構え、とにかく両脚を動かし続ける体力勝負の舞台だが、けっしてそれだけではない。原作者の渡辺航が生み出した個性的な漫画のキャラクターたちを、実力派の俳優たちが魅力的に演じ、二次元の世界から現実の世界へと引っ張りだし、生命を吹き込んでいる
「インターハイ篇 The Second Order」で、存在がとくに際立っていたのは、村田充が熱演した異色キャラクター、京都伏見高等学校の御堂筋翔だ。村田はジギー・スターダストのような独特のメイクと、長身の体躯を活かしたパフォーマンスで、御堂筋翔の心の闇と孤独を見事に表現し、村井良大が演じる天真爛漫な主人公、小野田坂道とのコントラストが絶妙だった。
漫画やアニメとはひと味違った、舞台ならではという魅力を是非生で体験してほしいのだが、残念ながら今回の前売りチケットは全公演ソールドアウト。当日券も入手困難という人気ぶりだ。しかし、ニコニコ動画やDVDでも、舞台『弱虫ペダル』の世界を体験することは可能だ。
その世界観に魅了されたら、インターハイ最終日が描かれるであろう5作目を心待ちにしてほしい。そして是非、劇場で生の公演を見てほしい。舞台『弱虫ペダル』は、まだまだ走り続けるはずだ。
© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008
© 渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス AQL、東宝、ディー・バイ・エル・クリエイション