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ジロ・デ・イタリア第17ステージ:チームカーの急ブレーキで、新城が今大会3度目の落車

レース

ジロ・デ・イタリア第17ステージはスタート前に一波乱あった。 

前日の超級山岳ステージで「下り区間をニュートラル(レースには関係ない猶予区間)とする」という主催者からの指示が伝わっていたというチームと、伝わっていなかったというチームの意見が衝突。

そんなことは言っていないという主催者と抗議するチームとが議論を繰り広げ、一部では今日のレースはストライキされるのでは?という噂もあったが、各チームの監督たちによる長い話し合いの結果、レースは通常どおりスタートした。

 

集団の中、ヨーロッパカーは固まって走行。ロランを守る。Photo:Miwa IIJIMA

スプリンターにとって残り少ない活躍の場とあって、前半の下り基調の区間からアタックの応酬。その距離は60km以上にも及んだ。

約2時間近く続いたハイスピードのアタック合戦は25選手の逃げが決まったことにより終了。 チームヨーロッパカーからは、コースの一部が地元のダヴィデ・マラカルネが大声援に応える形で先頭集団に入った。

 

逃げの集団でホームタウンを通過するダビデ・マラカルネ Photo Miwa IIJIMA

ほとんどのチームの選手が含まれているということもあり、集団の追いあげもないままゴールへ。 最後25人から抜け出した5人でのゴールスプリントとなり、ステファノ・ピラッツィ(バルディアーニ・CSF)が区間初優勝を果たした。

新城は無難に後続集団でのゴールかと思われたが、突然の雨にウインドブレーカーを取るためにチームカーへ下がった。 集団に復帰する途中、他チームのチームカーの監督同士が雑談しながらロータリーに入って道幅が狭くなり、一方のチームカーが急ブレーキをかけた。 すぐ後ろにいた新城はこれをよけきれずに、落車。今大会3度目の落車で、ふたたび尾てい骨を強打してしまった。

このチームカーに対し、すぐに抗議の意思を示したが、選手に配慮せず急ブレーキをかけたチームカーからの謝罪はなく、逆に新城が攻められるという後味の悪い結果となった。 新城はメイン集団でゴールし147位、総合132位。

 

納得いかない表情で、落車の状況を語る新城。Photo:Miwa IIJIMA

「また、落車・・・。」痛みと悔しさを堪えるような、絞り出すような第一声。その状況を説明しながら、「また、同じところを打った。あと4ステージなのに・・・。」と、多くは語らずチームバスへ戻っていった。

第18ステージは1級、2級、そして、1級の山頂ゴールという山岳ステージ。 新城は総合4位のピエール・ロランのアシストとして、できる限りのことをするのみのステージとなる。【Text:Miwa IIJIMA】