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R246で「自転車ナビライン」提供開始 サイクリストら実走評価

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大都市圏では初めてとなる、バスレーン内での自転車通行空間の供用が、2月27日から世田谷区内を走る国道246号線の駒沢-上馬交差点間で始まった。「自転車ナビライン」と呼ばれ、車道を走る自転車の安全確保が主な目的。車道左側の路面に青の矢羽根マークと、自転車のピクトグラムが表示される。28日にはサイクリストらによる実走評価も行なわれた。

 

国道246号駒沢-上馬間に新設された「自転車ナビライン」。自転車が走る=27日午後

 

■自転車事故の抑制めざす

国道246号線の自転車ナビラインは国土交通省と警視庁が整備を進め、対象区間は駒沢-三軒茶屋交差点間の約2km。同区間は交通量が多く、自転車がバスレーン上でバスや自動車と、歩道上で歩行者とそれぞれ交錯する状況が続いている。

自転車ナビラインの設置により、車道上に自転車の通行する位置と方向を明示。車道の右側や、歩行者で混雑する歩道などに分散する自転車の流れを車道左側に誘導する。自転車の逆走を防ぐ狙いもある。今回の整備距離は約1kmで、4月以降に上馬-三軒茶屋間の工事が始まる。

供用開始の27日、自転車ナビラインに沿って自転車が走る一方、従来と同様に歩道上で歩行者を縫って走る自転車の姿も。また、自転車ナビラインをふさぐように駐停車する自動車も見られた。

 

ナビラインをふさぐ路上駐車

 

■「路上駐車多い」不満の声も

翌28日には、NPO自転車活用推進研究会の呼びかけで自転車ナビラインの実走評価会が行われ、実走には約40人が参加した。

実走後の評価会で、参加者からは「ナビラインがあることの心理的な安心感があった」「自動車がいつもより車道左側を空けて停車しているように感じた」などと評価する声が上がった。反対に、問題点として「路上駐車が多い」「バスレーンの幅が狭い」「歩道上を走る自転車にナビラインの存在を周知させる必要もある」などの指摘もあった。

 

ナビライン設置前。左車線中央を走る自転車を自動車が避ける=28日、東京国道事務所撮影のビデオ映像より

 

実走した1人で、都内に勤務するバス運転手(50代)は「バスの真後ろは左右のミラーから隠れる死角。そこに自転車がいると怖いと感じる」と話した。

世田谷区の保坂展人区長も評価会に出席。保坂氏は「2020年の東京五輪で、馬術競技の会場が区内の馬事公苑と決まった。五輪開催に向けて、世田谷の道の新しい利用ルールを作らなければいけない。246号の自転車ナビラインは、都市社会を作り変える上でのモデルになる」と期待を示した。(斉藤円華)

 

ナビライン設置後。ナビラインに沿って自転車が走る=同前