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2014全日本MTB XCOで武井享介が初優勝

レース

2014年7月20日(日)に日本サイクルスポーツセンター(静岡県・伊豆市)で行なわれた、第27回全日本マウンテンバイク選手権のXCOメンエリートにおいて、武井享介(チーム・フォルツァ!)が、山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)を破って優勝した。
コースは1周4250m、標高差は70m。スタート地点から500mほど上り、細かなアップダウンの後に3km地点くらいまで下り、のちに1kmほど上る。テクニカルなセクションは少ないが、前日の雨の影響もあり、ところどころ滑りやすい状況。気温、湿度も高いタフな状況のなか、レースは7周回で行われた。
1周目、先頭に立ったのは、山本。北京オリンピック出場、昨年までの全日本優勝などの実績、スイスを拠点にヨーロッパのレースに参戦している彼がそのままフィニッシュへ向かうことを誰も疑わなかった。

 

しかし、次の周回に入ると状況は一変。最後尾スタートからスタートし、1周目ですでに2位にまで順位を上げた武井が、2周目の1.5kmの位置にいるカメラの前にトップでやってきたのだ。その時点で両者の差はわずかだったが、ペースよく走る武井に山本はどんどんと放され、3周目(1.6km地点)では大差に。追走する山本は下り区間であるのに、視線を近くに落としかなりの疲労が伺える。武井の独走状態、その差は最大で27秒まで広がった。

 

 

その後方では細かく順位が入れ替わるものの、前方2人との差は縮まらない。5周目になると、3位平野星矢(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、4位斉藤亮(同ブリヂストン)のチームパックとなり、前方の追走が始まる。しかし、昨シーズンからJシリーズ連覇を続ける斉藤の調子が上がらず、差は縮まらない。優勝争いは武井、山本に絞られた。
同周回、徐々にペースを上げて追い上げる山本、武井とは15秒差までの位置にいた。とはいえまだ15秒、残り周回数は2周……。6周目では10秒差……。「もしかしたら……」観客の多くが新たな展開を胸にレースを見守ったことだろう。最終周回に入る。差は5秒……そして、同周回の前半、期待は現実となった。山本がトップ、武井がそのすぐ後を走る展開に。最大27秒差、前半がハイペースが影響しているのだろうと思われた。しかし、武井は極めて冷静だった。「しかける場所はきめていた」とレース後に語ったように、周回の後半、上り区間でアタックし、そのままトップでゴールラインを越えた。
text&photo●岩崎竜太

 

 

[エリートメンクロスカントリーリザルト]
優勝 武井享介                1時間23分15秒78
2位 山本幸平                     +17秒09
3位 斉藤亮                      +53秒26
4位 平野星矢                   +1分06秒68
5位 恩田祐一(ミヤタメリダバイキングチーム)   +3分15秒53
6位 小野寺健(ミヤタメリダバイキングチーム)   +4分03秒19
7位 門田基志(チームジャイアント)        +6分41秒82
8位 松本駿(チームスコット)           +7分30秒48
9位 大渕宏紀(デコジャネクストフェーズ)     +7分59秒95
10位 松尾純(ミヤタメリダバイキングチーム)       −1LAP