TOJで、ヴィーニファンティーニ・NIPPOのボレが総合2位&ポイント賞
5月18日から1週間にわたり開催されていた日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.1)」が、25日の東京ステージをもって終了した。ヴィーニファンティーニ・NIPPOは、グレッガ・ボレ(スロベニア)が総合ポイント賞首位、そして個人総合成績2位でレースを終えた。
21日の南信州ステージでは、ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)のステージ優勝と個人総合リーダージャージの獲得。また23日の富士山ステージを終えて、ボレも個人総合リーダーとなり、合計2日間に渡ってチームはリーダージャージを着用するなど、好成績を残した。
24日の伊豆ステージでは、グレッガ・ボレ(スロベニア)が個人総合リーダーとしてスタートし、チーム一丸となって挑んだが、残念ながらイラン勢の突出した登坂力に力及ばず、ミルサマ・ポルセイェディゴラール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)が総合順位で逆転して首位に立った。
ボレは総合2位を死守したものの、チームは5名のアシスト選手を失う結果。
最終日の東京ステージはボレのみスタートし、総合2位を守るために1人で力強い走りを見せてステージ2位でゴール。無事に個人総合成績2位、そしてポイント賞をキープし、ブルーのポイント賞リーダージャージに袖を通した。
グレッガ・ボレのコメント:初めての来日を前に多くの不安がありましたが、いいレースができたことをうれしく思っています。日本のレースは大会の運営面も良く、自分たちのスポンサーである株式会社NIPPOのためにも結果を残すことができて良かったです。伊豆ステージでは、自分のために走ってくれたチームメイトを失う結果になってしまい、それは非常に残念でしたが、彼らのためにも、そしてすべてのスポンサーのために、最終日の東京ステージでは一生懸命走りました。
大門宏監督のコメント:伊豆ステージが終わった直後は、イラン選手が強すぎるという気持ちが強かったが、冷静に振り返ってみると『あの日はボレ以外、皆あんまり走れてなかったなぁ』と思った。今回アシストの要としてメンバーに入れたマラグーティとシミット、本来登りのコースを得意とするビソルティ、3名とも本来の調子ではなかったのが最大の敗因だったと思う。
レース後、各選手と話したが、調子が悪いなかで、かなり無理をしながら追走していた様子が伺えた。調子が思わしくないメンバーがいたのなら、もう少しタイム差が付いてから追い始めたほうが他のチームとの利害も一致しやすかったのではないか……とも色々振り返させられた。
しかしながら、彼らの献身的な牽引で1周回でも多くボレに楽をさせられたことは言うまでもない。あの局面でアシストの最後の切り札だったデネグリが半分を残して早々と戦列を離れたあと、アンカーチームやその他のチームが牽引したのだが、メイングループのペースは上がることはなく維持するだけで精一杯。
むしろイラン選手のペースが逆に上がったことでメイングループが動揺し、ペースアップもできず差が広がっていった。
後半はメイングループでも牽引するチームと、決して先頭には出ず、守りの走りに徹するチーム(追い付くことよりも遅れたくないこと&このグループで上位を獲ることが目標)がハッキリ分かれていたのでイラン選手にプレッシャーを与えることができない雰囲気だった。
自分たちにとって大会前は予想もしていなかった個人総合のタイトルを守るフォーメーション……。あくまでも結果論だが、その原因は今回のイラン選手の布陣が、トップから遅れること(勝てないまでも)は考えられなかった飯田ステージで遅れたことに尽きると思う。
それにしても、前記したようにアシストメンバーが、あともう少し本来の実力を発揮していれば、最後の局面でボレを先頭に送り込むことは可能だったと思う。まぁ、先行していたイラン選手から『ラスト2周は無理しなかった。差が詰まったらペースアップはいつでもできた』と言われたら、元も子もないのだが……。
でも、今回のメンバーのチームワークは抜群だった。今回は初日から最終日まで調子に乗り切れなかったメンバーも抱えながらのステージ優勝1回、 個人総合2位、総合ポイント賞獲得だったが、改めて個人総合優勝を狙うことは、ステージ優勝や各賞とは次元の違う難しさがあると、ズッシリと感じさせられた思い出深い大会となった。
ツアー・オブ・ジャパン出場メンバー
宮澤崇史(日本)
グレッガ・ボレ(スロベニア)
アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)
アレッサンドロ・マラグーティ(イタリア)
ウィリー・シミット(南アフリカ)
ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ http://www.nippo-c.co.jp/teamnippo2014/