自転車ツーリズム初!?「飛騨里山サイクリング」がグッドデザイン受賞
岐阜県飛騨市内で、古民家が点在する里山風景を楽しむ自転車ガイドツアー事業「飛騨里山サイクリング」が、グッドデザイン賞を受賞した。同事業の運営会社「美ら地球(ちゅらぼし)」のディレクター、白石達史氏は「自転車を使ったツアー事業としては初の受賞では」と話す。
飛騨里山サイクリングの舞台は飛騨市古川地域。観光地として有名な飛騨高山の隣に位置し、江戸時代から続く白壁土蔵や町家といった古い町並みや、山あいに田畑が広がる昔ながらの里山風景が残る。
参加者はツアーガイドの先導のもと、用意されたスポーツ用自転車に乗って飛騨古川をサイクリング。1周約20kmのツアーコースの特色は、道中での地元住民とのふれあいだ。さりげない世間話や、古民家の見学などを通じて、参加者は飛騨古川の人々の暮らしぶりに触れ、交流を楽しむことができる。
飛騨里山サイクリングの一コマ。地元の人々とのふれ合いがさりげなく演出されているのが特徴だ(CC)JDP.
同事業は2009年3月に発足。1年間の試行を経て、翌年6月からツアーの受け入れを始めた。発足当初は「地域から遠巻きに見られている感じだった」(白石氏)というが、グッドデザイン賞の審査委員からは、ツアーを通じて日常が持つ魅力や価値を地域が再認識している点も評価された。「最近は地元の人と一緒に記念撮影したり、家に招かれたりすることが増えた。ツアー一行が通りかかるのを待ち受けている人もいる」と白石氏は話す。
外国人観光客の誘致に力を入れているのも特徴で、同事業は日本語と英語で展開。利用者の4割以上が外国人という。12年の年間利用者数は900人だったが、今年は既に1000人を超えた。「年内には最終的に1500人に達するのでは」(白石氏)。また、同事業は10月2日放送のNHK番組「Good Job!会社の星」でも取り上げられた。
ガイドツアーの参加費は1人につき4700円からで、自転車やヘルメットのレンタル、保険を含む。年内は12月中旬頃まで実施予定だ。(斉藤円華)