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「東京五輪に向け、自転車走行空間網整備を」都へ提言書

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NPO自転車活用推進研究会(自活研)は7日、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに、都内に自転車走行空間のネットワークを構築するよう求める提言書を都に提出した。提言書では、都心全域と大会施設を網羅する自転車走行空間「TOKYOサイクルネットワーク(案)」の整備を提案している。
 
提言書では都心部での自転車走行空間の整備を提案。主要道路が網羅されている
 
■総延長500kmでも「数十億円で整備可能」
都は20年に向けて、自転車走行空間を現在の倍に当たる221kmまで増やす計画を進める。ところが、この計画では自転車走行空間が飛び飛びに整備され、ネットワークとなっていない。しかも内訳をみると、自転車走行空間として数えるにはふさわしくない自転車歩行者道が59km、河川敷等の自転車道が44kmも含まれている。
提言書によると、都内の国道や都道で片側に幅1m以上の余裕がある区間は約1300kmに上り、その内、同1.5mの区間は約900kmに達するという。また、幅が狭い道路でも「矢羽根型ピクトグラム等の整備で自転車走行空間の確保が可能」と指摘している。
その上で、総延長500kmの自転車走行空間網を整備するのに必要な直接工事費を、約49~67億円と試算。「都の年間予算の0.1%前後で収まる」とした。
 
都建設局に提言書を提出する自転車活用推進研究会の小林成基理事長(右。写真提供:自活研)
 
■賛同ボタンは3万回以上
提言書では、自転車走行空間の必要性について「多くの国や都市で、大気汚染や渋滞、高齢化などの課題に対処する切り札の1つとして自転車利用を促す政策が導入されている」と主張。
しかし日本では自転車の歩道通行が横行し、自転車が歩行者の脅威となっている現状がある。歩行者と自転車の事故の約4割は歩道上で発生。提言書では、自転車の利点を引き出し、また歩行者が安全に歩ける空間を取り戻すために、自転車走行空間の充実が必要だと訴えている。
提言書には視覚障がいパラリンピック選手有志をはじめ6団体が賛同。また、提言書のキャンペーンサイト「+1LANE PROJECT」に設けられた賛同ボタンは、7日時点で3万5千回以上がクリックされている。(斉藤円華)
<参考サイト>
+1LANE PROJECT 公式サイト
http://plusonelane.tokyo/