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キャニオン:アレックス・ダウセットのUCIアワーレコード挑戦バイク、SPEEDMAX WHR

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「アワーレコード挑戦は、未知なる領域への冒険です。はじめの30分間でその日の走りがどんな調子か推し量ることができるでしょう。続く15分間で挑戦が成功するか否か、高い精度で見極めることができるでしょう。しかし最後の15分間はそこで何が起こるか、まったく予想がつきません。この未知の領域には決まりごとも無いしこれまでの経験も通じません。私がアワーレコードに魅了されるのは、 他の何ものとも異なるそのシナリオの描きようの無いところです」アンドレアス・ワルザー(キャ ニオンチームリエゾンマネージャー、オリンピックチームパシュート金メダリスト、世界選手権金メ ダリスト)

 

 

現在のアワーレコードはオーストラリア人ローハン・デニスの記録した、52.491km。3度のイギリスナショナルTTチャンピオン、モビスターチームのルーラーであるアレックス・ダウセットは5月2日、イギリス・マンチェスターのナショナルサイクリングセンターでアワーレコードに挑戦する。

アワーレコードはサイクルスポーツにおけるもっとも難易度の高い種目。身体能力の限界が試されるだけでなく、非の打ちどころのない機材とセットアップが要求される。ひとつひとつの要素を確実に、すべてを完璧にこなす必要がある。たった1ワットのパワーが記録を打ち立てる違いを生み出す可能性もあれば、たった1m記録に届かないばかりに悲劇的な失敗という結果に終わる可能性もある。

 

強化されたトラック仕様のドロップアウト。

 

SPEEDMAX WHR EVERY WATT COUNTS

時速52km/h以上の速度を1時間にわたって維持するために必要な平均パワーは約400ワット。そのうち、じつに90%(360ワット)ものパワーが空気抵抗に抗うために消費される。つまり、新たなアワーレーコードを打ち立てるためにとりわけ重要なのは、空気抵抗といかに戦うかということ。ライダーとバイク、その両方を含めた全体としてのエアロ性能が極めて重要な要素といえる。

アワーレコードに挑むためのバイクに必要とされる空気抵抗の最小化。そのためにキャニオンはモビスターチームのテクニカルパートナー達と協働し、TTバイクとして大きな成功を収めている Speedmax CFをトラック専用化したSpeedmax WHRを開発。Speedmax CFはアワーレコード専用バイクのベースとして最適といえる、最小化された前方投影面積、空気抵抗の素となる乱流を最小化するチューブ形状、高速走行時に安定したハンドリングを生み出すジオメトリー、そして最適なポジションを可能にする調整機構を備える。最高のエアロ性能を実現するために不要なものはすべて取り除いた結果、Speedmax WHRの重量は7.3kg(ペダル込み)となった。

 

POWER2MAX パワー メーターとCAMPAGNOLO ピスタクランクセット。チェーンはKMC。

 

SPEEDMAX WHR FRAME & FEATURES

Speedmax WHRは、Speedmax CFの空気の乱流を最小化するチューブ形状、アグレッシブなTTジ オメトリーから生み出されるオンロードでのパフォーマンスをトラックでの仕様に最適化して開発さ れた。UCIレギュレーションは変速ギア、ブレーキとウォーターボトルの使用を禁じており、それに合わせてアワーレコード仕様への変更が必要であった。そのためこれらコンポーネントを取り除き、 フレームを平滑に整えることで空気抵抗を劇的に低減。その目的のためにいっさいの無駄を省いて必 要な要素だけを持つバイクが完成した。

Speedmax WHRに施された最大の変更点はリアトライアングルです。ドロップアウトは水平の仕様 で、ギアの歯数を変更した際にも最適なチェーンテンションを得られる。ディレーラーハンガーが 不要なドロップアウトは左右対称となり、剛性を高めるために航空機にも採用される7075アルミニ ウムを採用し、カーボンファイバーのレイアップを変更。リアアクスル幅もロード仕様の130mmか らトラック仕様の120mmへと変更されている。

トラックにおいて最短距離を走るためには高速走行時のハンドリング性能も重要な要素。そのためSpeedmax WHRはロード仕様と共通のジオメトリーを採用。73.25度のヘッドチューブ角とアジャスタブルレイクシフト機構、長めのホイールベースとチェーンステイ長の組み合わせによって俊敏か つ安定したハンドリングを実現している。加えて低めのBBハイトも低重心によるニュートラルなハンドリングと空気抵抗の低減に寄与している。

トラック仕様ではブレーキが不要となるため、Speedmax WHRではそれらが生み出す空気抵抗をさ らに削減する余地が生まれる。Speedmax CFではフロントフォークとBB下に配置されるブレーキ キャリパーを取り外し、フレーム形状を平滑に整えている。また空気抵抗に大きく影響を及ぼすコ ックピットもブレーキレバーと変速レバーが不要であるため、バーエンドにはエアロ形状のキャップ が装着されさらにエアロ効果を高めている。

 

CAMPAGNOLO ピスタディスクホイール。

 

SPEEDMAX WHR COMPONENTS

Speedmax WHRはフレームセット以外のコンポーネントも重要な役割を果たしている。新たに開発されたトラック用ディスクホイールはカンパニョーロ製。チューブラータイヤはコンチネンタル製。Power2Maxパワーメーターを備えるクランクセットはカンパニョーロ・スーパーレコード。

新型カンパニョーロ・ピスタホイールはトラックでの使用に最適なフルカーボン製で、空気抵抗を低 減して安定した走行を可能にする。回転性能を大きく改善するセラミックベアリングを採用し、パ ワーの消費を抑える。コンチネンタルのテンポ IIタイヤはグリップ性能と軽さを兼ね備えるブラックチリコンパウンドを採用した最高のトラック用タイヤ。空気圧は最大15barに対応し、転がり抵抗を極限まで低減する。

カンパニョーロはSpeedmax WHRのためにトラック専用のピスタクランクセットを開発。フルカー ボン製クランクアーム、強化されたチェーンリングとトラック仕様に最適化されたチェーンラインに より、ライダーの生み出すパワーをロス無くトラックへと伝える。チェーリングは54T, 55T, 56Tが用意され、記録達成のために最適なギア比が使用される。

Speedmax WHRのすべての要素はアワーレコード挑戦の間じゅう、ライダーのパワーの最後の1オ ンスをも引き出すことができるようにテストされ、計測され、分析されてきた。あとは挑戦の時を待つのみとなる。

 

 

SPEEDMAX WHR テクニカルデータ

ヘッドチューブ剛性  80Nm

BB 剛性  65Nm

重量(ペダル込み) 7.3kg

フレームセット  SPEEDMAX WHR

ハンドルバー  SPEEDMAX フラットハンドルバー

エクステンション  SPEEDMAX L ベンドエクステンション

ペダル   LOOK KEO ブレードエアロ

サドル   FIZIK アンタレス VS

チェーン  KMC トラックチェーン

ホイール  CAMPAGNOLO ピスタディスクホイール

クランクセット  CAMPAGNOLO ピスタ

パワーメーター  POWER2MAX

タイヤ  CONTINENTAL テンポII 22mm

バーテープ  LIZARD SKINS 1.8mm

 

問 キャニオン・ジャパン https://www.canyon.com