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宇都宮で実証! 自転車の車道通行には路面表示が効果的

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自転車は車道左側を走るよう定められているが、いまだ歩道を走ったり、車道右側を走ったりする自転車が目立つ。

そんななか、国や栃木県、宇都宮市、栃木県警が昨年2月、宇都宮市内の路上に車道左側通行を促す路面表示を施したところ、車道左側を通行する自転車が、設置前と比べて交差点で最大約3.3倍、直線道路で同約2.6倍も増えたことがわかった。

 

「矢羽根」が設置された東署南交差点(宇都宮国道事務所記者発表資料から引用)

 

路面表示は青い矢印で車道左側に示され、通称は「矢羽根」。市内を走る国道4号線の約1キロ、および「東署南交差点」で国道と交差する市道に設けられた。

交差点内では「矢羽根」の設置とひきかえに自転車横断帯がなくなり、自転車の流れがスムーズになるよう配慮された。

宇都宮国道事務所などでは設置前の1月、および設置から半年後の9月にそれぞれ1日ずつ、自転車の通行状況について調査を実施。

その結果、東署南交差点では交差点を直進した自転車の内、歩道を走ったり逆走したりせずに「矢羽根」に沿って車道左側を通行した自転車の割合が全体の半分以上に達し、設置前と比べて最大で約3.3倍も増えた。また直線道路でも「矢羽根」に沿って車道左側を走る自転車の割合は最大で設置前の約2.6倍に増加した。

 

直線道路の「矢羽根」(宇都宮国道事務所記者発表資料から引用)

 

今回の「矢羽根」の設置は、自転車の通行空間の整備や通行ルールの徹底などについて2012年11月に国がまとめた指針「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を踏まえたものだ。 

宇都宮国道事務所の担当者は「矢羽根の設置が、『自転車は車道通行』という原則を実現する上で効果的であることがわかった。今後の計画は未定だが、今回の効果を検証しながら設置場所を増やしたい。また、今年度中に策定する予定の『栃木県版自転車利用環境創出ガイドライン』にも、今回の成果を踏まえた内容を盛り込みたい」と話している。【斉藤円華】