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座席積載でサイクリストをおもてなし!「しまなみサイクルエクスプレス」

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チューブ自販機や出張修理、全国初のサイクリスト向け複合観光施設など、昨年秋から今年春にかけて、自転車でしまなみ海道を楽しむ人に向けた「おもてなし」が急速に充実している。そんな中、自転車を車内に持ち込める高速路線バス「しまなみサイクルエクスプレス」が4月26日から運行を始めた。尾道~今治間の68kmを約1時間半で結び、1日3往復する。

 

「しまなみサイクルエクスプレス」外観

運行するのはおのみちバス(広島県尾道市)。バス車内は自転車が積み込めるよう補助席をなくし、さらに列数を11列から10列に減らすことで前後の座席間が通常の路線バスより10cmほど広くなっている。
自転車の持ち込みは輪行袋への収納、または前輪を外してあることが条件だ。車内には網棚から吊るすためのS字フックやゴムバンドなどが備え付けてあり、ビニールカバーで覆われた専用の座席に利用者自身が積み込みと固定を行なう。
しまなみ海道は景色の良さや自転車レーンの整備などによる走りやすさからサイクリストの人気が高いが、片道だけで約70kmもある。そのため、開通当初から自転車の積載が可能な路線バスの運行を求める声があったという。
そこで同社では2年ほどかけて実現方法を検討。「トランクでは横に重ねて積まれたりするのが不安。目に見える場所に置きたい」というサイクリストの要望を反映した結果、車内に持ち込む方式となった。
バス1台に最大6台まで自転車を積載可能。利用には1か月前から前日までに予約する必要があるが、空席があれば予約なしでも乗車可能だ。片道運賃は尾道-今治間で大人が2250円。毎日運行し、同社では年間約3000人の利用を見込んでいる。問い合わせはおのみちバス(0848-46-4301)まで。(斉藤円華、写真はおのみちバス提供)

 

「しまなみサイクルエクスプレス」(おのみちバス)
http://onomichibus.jp/cycle-exp/

 

「しまなみサイクルエクスプレス」車内風景。補助席をなくし、座席ピッチを拡げることで自転車積載空間を確保


自転車の積載例。カバーに覆われた専用席に、S字フックやバンドなどを使って固定する