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第6回グランフォンド富山2015 参加レポート

イベント
 
海の幸、山の幸が豊富な富山県。富山県内を1周するグランフォンド富山のロングライドコースに参加すれば、富山湾から立山連峰、世界遺産五箇山までバラエティに富んだ絶景をたった1日で堪能できる。今回はサイスポ編集部が初参加! その模様をお届けする。
Text●本誌・西村裕貴/Photo●吉田悠太
 
世界遺産相倉を出発する参加者。合掌造りの集落まで走り、富山湾まで走りごたえは、このイベントの醍醐味のひとつである
 
「海抜ゼロメートルの富山湾から世界遺産・五箇山へ」をキャッチフレーズとするグランフォンド富山。なんと募集開始からわずか2日で定員に達するほどの人気大会でリピーター率も高いイベントは今回で第6回目を迎える。
コースはロング、ミドル、サイクリング、ファミリーの4コース。一番人気のロングコースは180kmあり、累積標高差は1895m。富山市内にある富山競輪場がスタート&ゴール。途中、富山湾にかかる新湊大橋、五箇山の合掌造り集落、常連寺川のサイクリングロードを通過するなど、見所の多いコース設定となっている。
 
グランフォンド富山の楽しみでもあり苦しみでもあるのが、長い長い上り。何と獲得標高差は2000m近くもある。参加者は強い日差しをうけて汗をしたたらせながら、各自のペースで上っていた
 
当日は午前5時から受付開始。先頭でスタートしたい熱心な参加者は午前3時から受付の列に並ぶそうだ。開会式が終わると、6時15分より順次5人ずつウエーブスタート。このイベントでは、これまで行なわれた6回中すべてが晴れで、天気がいい大会というイメージが定着している。今回も明け方ごろ雨が少しぱらついていたが、スタート時には、雨が上がっていた。
スタートしてしばらくは平坦基調の道だ。両側には、稲穂が実り始めた田園風景が続き、やがて庄川沿いのなだらかな道を進んでいく。最初のエイドまでは中盤に控えた山岳ステージへ向けての足慣らし区間だ。第1エイドステーション(=以下AS)庄川水記念公園(53km地点)には午前8時20分に到着。コースを自転車で先導してくれるスタッフがペースメークをしてくれたこともあり、最初のASまではムリのないペースで快走できた。一緒に走っていた参加者は「さぁここからが本番だ!」と気合いを入れていた。
 
昼食休憩のお楽しみが、利賀地域特産のおそば。濃いめのだしが疲れたからだに染みいります
 
第1ASを出て南砺市に入ると緩やかなアップダウンが続き、68km地点を過ぎると、平均斜度約9%、6kmの長い上りが始まる。さすがに参加者のレベルは高く、多くの参加者は足を着くこともなく、着実に前へ進んでいた。坂のピーク地点にある全長3070mの五箇山トンネルを抜け、500mほど進むと下りがはじまる。眼下に広がる里山の絶景におもわず笑みがごぼれる。下りのワインディングロードをひたすら進んでいくと、第2ASのある世界遺産相倉合掌集落へ。急傾斜のかやぶき造りの建物が残る集落は風情があり、どこかなつかしさを感じさせる。第2ASを出ると次のASまでは急な上りが続く。
11時30分、第3ASの利賀(96km地点)に到着。ここで昼食タイム。昼食は利賀地域特産のつめたいそばが出された。正午頃には気温も25度近くまで上昇し、参加者の額にも汗がにじんでいた。とはいえ、高原独特のからっとした気候なので、気温のわりには気持ちよく漕ぎ進めることができた。
 
ブログつながりで年に1回ロングライドイベントに参加しているリンフィニートのみなさん。女性参加者のひとりは「このイベントは食べ物がおいしいです!」とコメントしていた。団体名の由来は、輪(=リン)に無限大を意味するイタリア語(=インフィニート)をかけたそうだ
 
利賀を出ると第4ASの八尾黒渓谷までは、路面状況も悪くアップダウンの多い道が続く。結果的にこの区間がいちばん苦しかった。最初の坂をなんなくクリアしていた参加者もさすがに険しい表情をしていた。「頂上まで残り4km」と書かれた看板が疲れた心にとどめを刺す。八尾黒渓谷には14時に着いた。
第4ASを出ると、平坦な区間に戻る。だが信号箇所が増えて、思わぬ足止めを喰らうので、そのため第4ASは早めにスタートしておきたい。最後の常願寺ASを出ると、ラストスパートとばかりに常願寺川の川沿いをひたすら河口へと進む。ときおり吹く、夕刻時の涼しい風がとても気持ちよかった。
午後5時過ぎ、スタート&ゴールの富山競輪場へ戻ってきた。最後は、競輪場内を一周してからゴール。気分はパリ~ルーベ!
 
どれだけきついコースでも、走り終えて完走証をもらうとみなさん笑顔に!
 
グランフォンド富山を完走するコツとしては、とにかくムリをしないこと。累積標高差が2000m近くとなるため、中盤の上り坂で踏みすぎると、後半の失速につながる。あくまでレースではなく、ロングライドイベントなので風景を眺めながら優雅に走る余裕があってもいい。中盤は路面状況もあまりよくないので、25C以上の太めのタイヤだと心強い。
またトンネル区間も多いため、明るいライトは必須。補給については山間部を走るため、自販機やコンビニ等はあてにできないので、やや多めに補給食の準備しよう。
富山県内の走りどころをたった1日で1周できるグランフォンド富山。今回、編集部としても初めての参加だったが、参加者の満足度も高く、走りごたえもかなりあった。来年もすぐ枠が埋まってしまう恐れがあるので、来年参加したい人は事前告知等をこまめにチェックしよう。
 
エントリー 合計 1293人
ロングコース(180km) 740人
ロングコース完走率 88.1%