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クネゴがキャプテンに。新チーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ」誕生

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2014シーズン、日本籍のコンチネンタルチームとして「ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ」は活動してきたが、2015シーズンはダミアーノ・クネゴをチームキャプテンとして迎え、イタリア籍のプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ」として、イタリアと日本、そして多国籍の選手やスポンサーのもとでグローバルに活動していく。

 

正式契約を終えたダミアーノ・クネゴ。ファルネーゼヴィーニ社CEOのヴァンレンティーノ・ショッティ氏(中央)と、ステファノ・ジュリアーニ監督(左)

10月2日、チームは正式にダミアーノ・クネゴと契約を結び、新プロジェクトは大きな一歩を踏み出した。

クネゴは、2000年にプロデビューし、今季までの10年間はランプレ・メリダ(2014シーズンチーム名)で一貫して活動してきた。“小さなプリンス”のニックネームで知られ、2004年にジロ・デ・イタリア総合優勝、2007年ジロ・ディ・ロンバルディア、2008年アムステルゴールドレースなど、世界の第一線のレースで数えきれないほどの勝利を挙げている。また日本でもジャパンカップで2勝するなどなじみの深い、現在33才の人気選手だ。

 

ダミアーノ・クネゴのコメント

「新しいチームのもと、新たな役割をもってレース活動をしたいと思い、2年契約という形を選んだ。これまでの経験を若い選手に伝えたり、自分の可能性を再発見することができ、またそれが勝利に繋がるといいと思う。さらに大きなチャレンジをもって、キャリアを重ねていきたい」

 

チームの体制としては、イタリア籍のプロコンチネンタルチームとしての登録を進めている。メインスポンサーは、今季に引き続き、イタリアのアブルッツォ州にあるワインメーカー「フェルネーゼヴィーニ社」と、大手建設会社で日本の道路舗装部門の最大手企業である「株式会社NIPPO」。そしてチームバイクもイタリア老舗ブランド「デローザ」が引き続き供給し、チームの活動を力強くバックアップする。

チームの監督は、若手育成に定評のあるステファノ・ジュリアーニ氏ら複数のイタリア人と大門宏氏、またゼネラルマネージャーには、ヨーロッパの自転車界との良い関係をもち、マーケティングやコミュニケーションを得意とするフランチェスコ・ペロージ氏が就任。

16人ほどの選手が所属する予定で現在契約が進められているが、今季、プロアマ通算17勝挙げたスプリンターのニコラス・マリー二とクライマーのジャコーモ・ベルラートがU23カテゴリーにおいて長年イタリアのトップに君臨するザルフ・フィオルから移籍、また今年のツール・ド・フランスで総合優勝したヴィンチェンツォ・ニバリの弟であるアントニオ・ニバリら、若いイタリア人選手3名の加入が決まっている。

また大門氏の“若手日本人選手の育成”という活動理念は新チームに引き継がれ、環境にふさわしい有望な日本人選手も加入する。

 

大門宏氏のコメント

「近年、現在のコンチネンタルチームの体制では、良い条件でレースへの招待を得ることが不可能なため、運営上の限界をすごく感じていた。来季、新体制でステップアップすることで、若い日本人選手にとってもふさわしい(おもに1クラス)、より多くの世界各国のレースに出場できることになるので、強化活動により弾みが付くことを期待したい。

コンチネンタルからプロコンチネンタルに“昇格”という見方が一般的に多いかと思うが、チームの所在地は日本からイタリアに移行し、チームマネージャーもマーケティング重視のイタリア人が就き、まったくの“新生チーム”と認識してほしい。

 昨今、レース開催地のグローバル化も進み、たとえスポンサーの一翼が日本企業であっても、チームの拠点や国籍は関係なく、日本人選手を走らせる環境に影響はないとしている。

チーム名は新しくNIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザと、“NIPPO”が前に配置されることになるが、それはファルネーゼヴィーニ社の社長の好意を受け入れた結果。ファルネーゼヴィーニ社としては日本の企業との提携をよりアピールしながらアジアマーケティングでの販路拡大も期待している。

もちろん株式会社NIPPOとしても将来を見据え、グローバル化に向けてすでにリサーチを開始しているので、来季、チームがさらに知名度の高い世界各国のレースを転戦することで、世界市場の反応を伺う良い機会だと思っている。

クネゴは選手としてのクオリティが高いだけでなく、日本でも本国同様に悪いイメージのないすばらしい選手だが、かと言ってあからさまに日本のレースで走らせることは考えていない。あくまでも本人のコンディションならびに、レースに参加するライバルチームのレベル、日本人選手も含めた所属選手とのバランスも考えてスケジュールを組むのがチームのあるべき姿勢。現状の日本のUCIレースにおいて、彼を勝たせる布陣で臨むことは考えにくい。

株式会社NIPPOは、今後も変わらぬ方針で、日本人選手やスタッフ、自転車競技環境の向上をサポートしていく。クネゴの加入はトップ選手の心構えを学ぶうえで、日本人選手だけでなく、チームが長年続けてきている日本人スタッフの育成にも貢献してくれると願っている」

 

*所属選手などの詳細は追って発表予定。

*2014シーズンの国内最終戦は、10月18、19日に宇都宮で開催されるジャパンカップの予定。

ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ  http://www.nippo-c.co.jp/teamnippo2014/