【ブエルタ速報】第6ステージはマイヨ・ロホのロドリゲスが区間優勝
第67回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は8月23日にタラソナからハカまでの175.4kmで第6ステージを行い、リーダージャージのマイヨ・ロホを着た地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が、カテゴリー3の頂上ゴールで優勝した。2位はクリストファー・フルーム(スカイ)、3位はアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)だった。
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第6ステージは196選手が出走。この日も気温は38度C近くにまで上がり、暑い1日になった。10km地点から逃げを成功させたのは5人。メンバーはトーマス・ドヘント(バカンソレイユ・DCM)、ピーテル・ウィーニンフ(オリカ・グリーンエッジ)、ヨースト・ファンレイエン(ロット・ベリソル)、クリストフ・バンドワル(オメガファルマ・クイックステップ)、マルテイン・マースカント(ガーミン・シャープ)のオランダ・ベルギー連合だった。集団はカチューシャチームがコントロールし、タイム差は3分前後に押さえられていたが、終盤に入るとその差は開き出し、残り51kmで最大4分8秒にまで開いた。ここで集団はモビスターチームが加勢して逃げを追い始め、その差は縮まっていった。
12km続くカテゴリー3のオロエル峠に到達すると、先頭からは脱落者が続出。集団はサクソバンク・ティンコフバンクが先頭を引いて逃げを吸収していった。オロエル峠で生き残ったのは今年のジロ・デ・イタリアで総合3位になったドヘント1人で、彼は単独トップでゴールまで残り16kmの山頂を通過。しかし集団とのタイム差は50秒にまで縮まっていた。
結局ドヘントはゴールのハカへと向かうフエルテ・デル・ラピタン峠のふもとで、モビスターが引く集団に捕まってしまった。全長3.8kmの最後の峠は、スカイのセルヒオルイス・エナオ、リゴベルト・ウランのコロンビア山岳列車が先頭を引き、イゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)やバウケ・モレマ(ラボバンク)が早々に脱落してしまった。ゴールまで残り1kmのフラム・ルージュで、先頭はエナオ、ウラン、フルーム、ロドリゲス、そしてアルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)が続いた。残り500メートルで先頭はエナオからウランにバトンタッチして加速し、そこからフルームがアタック。しかしついて行けたのはロドリゲス1人で、コンタドールは後方に取り残されてしまった。ロドリゲスは残り250メートルでいともたやすくフルームを抜き去り、そのまま単独でゴールに飛び込んだ。ゴール後、コンタドールは地元のラジオ局のインタビューで、脱水症状になって脚がつってしまったのだと語っていた。
区間優勝したマイヨ・ロホのロドリゲスは「とても厳しいステージだった。数チームがよくまとめて、最後の丘の前で集団には闘いがあった。最後はとても急な上り坂だった。アップヒルゴールではなく山岳の長い上り坂だった。コンタドールに何が起きたのかはわからない。ボクはフルームの後ろに食らいついていたから、後ろは見てなかったんだ。フルームがあのレベルだったことには驚かなかった。彼はツールでとても強かったからね。彼は明らかにブエルタには勝ちに来ているんだ」と、ゴールを振り返った。「ボクはとても調子がいいと感じている。ジロと同じくらいいいと感じていて、ジロと同じチームを持っていることはボクにとって重要なんだ。そしてデニス・メンショフもいる。調子はいいけど、ボクはフルーム、バルベルデ、コンタドールのようなとても強い選手に立ち向かわなければならない。ブエルタはまだ先が長い。でもボクは今自分が立っている場所以上にいい場所を見つけられなかったのさ」
24日はウエスカからアルカニスのモーターランド・アラゴンまでの164.2kmで第7ステージが行われる。山岳ポイントのない平坦ステージで、集団ゴールスプリントが期待できそうだ。
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■第6ステージ[8月23日/タラソナ~ハカ/175.4km]
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)4時間35分25秒
2 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+5秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+10秒
4 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)+19秒
5 エロス・カペッキ(リクィガス・キャノンデール/イタリア)+19秒
6 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+19秒
7 リナルド・ノチェンティーニ(AG2R/イタリア)+25秒
8 マウロ・サンタンブロージョ(BMC/イタリア)+28秒
9 ニコラス・ローチ(AG2R/アイルランド)+28秒
10 ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク/オランダ)+33秒
12 フアンホセ・コボ(モビスターチーム/スペイン)+35秒
21 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+51秒
27 イゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+57秒
108 土井雪広(アーゴス・シマノ/日本)+9分42秒
■第6ステージまでの総合成績
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)22時間04分32秒
2 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+10秒
3 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)+36秒
4 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+42秒
5 ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク/オランダ)+54秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+54秒
7 ニコラス・ローチ(AG2R/アイルランド)+1分04秒
8 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+1分12秒
9 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+1分17秒
10 フアンホセ・コボ(モビスターチーム/スペイン)+1分34秒
17 イゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+2分06秒
■マイヨ・ロホ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・ベルデ:ジョン・デゲンコルプ(アーゴス・シマノ/ドイツ)
■マイヨ・デ・プントス・アスレス:サイモン・クラーク(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:スカイプロサイクリング(英国)
(http://www.lavuelta.com/)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・プントス・アスレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)