廃線活用の「レールバイク」が新区間追加へ 岐阜・神岡で
「線路を自転車で走れる」として人気が高い岐阜県飛騨市神岡町の「レールマウンテンバイク」で、新たに3.4キロのコースが来年秋にも追加される見通しだ。レールバイクには年間2万6千人以上が訪れており、新区間追加で乗客の倍増も見込まれている。
レールバイクのノーマル車。料金は2人で2000円(税込)(写真はレールマウンテンバイクのサイトから引用)
「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」は、2006年に廃止された旧神岡鉄道(全長19.9キロ)の単線線路を利用した観光自転車。トロッコの上に自転車2台を横に並べた形をしており、後輪がレールと接触している。走行時には、レールの継ぎ目を通過する際の「ガタゴト」という音や振動が楽しめるという。
車両はマウンテンバイクを使用したノーマル車に加え、電動アシスト車やタンデム車、サイドカーやベンチシートを乗せた仕様のものも。中央にあるレバーを操作して車体全体を回転し、簡単に方向転換できるのも特徴だ。
営業中のコースは、旧奥飛騨温泉口駅を出発して、旧神岡鉱山前駅で折り返す往復約6キロ。トンネルや神岡の街並みを一望できる高架橋など、さまざまな景色が楽しめる。
追加が計画されているのは、現在のコースから約3キロ北の、渓谷を縫うように走る約3.4キロの区間で、今夏以降に調査や安全対策工事などが行なわれる見込み。
レールバイクは神岡鉄道が廃線した翌年、地元の活性化を目的にスタートした。廃線を活用した先進事例として全国から注目を集め、12年には日本鉄道賞を受賞。降雪期を除き通年営業しており、これまでに10万人近くが利用している。
運営を担うNPO法人神岡・町づくりネットワークの担当者は「地域では珍しい体験型観光で、奥飛騨温泉郷との相乗効果も大きい」と話す。
新区間整備にともなう費用は約1億8千万円。線路を管理している飛騨市が、整備費を計上した補正予算案を6月の市議会に提案する。【斉藤円華】
レールマウンテンバイク ガッタンゴー http://rail-mtb.com/