窪木一茂(和歌山県)が20km独走で国体ロードを制す
第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)の自転車ロードレースが9月29日(日)開催された。各県最大2名のエントリーで、18歳以上が参加する成年の部は81名がスタート。コースは国体としては珍しく周回ではなくラインレースで行なわれ、八王子市役所から武蔵五日市駅前を経て檜原村へと向かい、奥多摩周遊道路を越えて奥多摩湖岸でフィニッシュする山岳コース。距離は101.1kmと長くはないが、獲得標高は1710mだ。
レースはスタートしてすぐ、内間康平(沖縄県=チームNIPPO・デローザ)がアタックしてこれに榊原健一(愛知県=チームNIPPO・デローザ)が合流、最大2分以上の差をつけて40kmほど逃げた。
しかし奥多摩周遊道路を勝負所と考えるメイン集団が山に差し掛かってからペースアップし、先頭から脱落した榊原を吸収すると、しばらくで内間も追いつかれてしまう。
73km地点の補給所を過ぎ、飯野智行(群馬県=宇都宮ブリッツェン)、平塚吉光(静岡県=愛三工業レーシング)、そしてインカレの覇者徳田優(京都府=鹿屋体育大)らがペースアップを図り、勝負は10名ほどに絞られた。飯野は「スプリントになると思った」と話す。
しかし、和歌山県の窪木一茂(和歌山県教育庁、マトリックス・パワータグ)が三浦恭資監督の指示通り、風張峠でアタック! 「下り切りで30秒か40秒もらえば勝てる」との言葉を信じて単独で奥多摩湖へと下り、三頭橋を渡った時点で後ろを35秒離した。
後続は池部壮太(大分県=マトリックス・パワータグ)や平塚らのほか、この下りでやっと追いついてきた昨年のプレ大会の覇者、西村大輝(東京都=シマノレーシング)。7人が懸命に窪木を追った。
しかし独走力に長ける窪木は逆に差を開き、43秒差でフィニッシュ。2位争いのスプリントは西村が制して表彰台に上り、かろうじて開催地東京都の面目を保った。
窪木は「山頂手前でアタックし、独走した。勝てたのは運もあると思うけど……」とはにかみながらうれしそうに語った。
同時に開催された少年の部は、山本大喜(奈良・榛生昇陽)が独走で優勝。
●リザルト
成年の部 101.1km
1位 窪木一茂(和歌山県=和歌山県教育庁、マトリックス・パワータグ)2時間35分22秒
2位 西村大輝(東京都=シマノレーシング)+43秒
3位 石橋 学(青森県=鹿屋体育大)+43秒
4位 平塚吉光(静岡県=愛三工業レーシングチーム)+43秒
5位 飯野智行(群馬県=宇都宮ブリッツェン)+43秒
6位 池部壮太(大分県=マトリックスパワータグ)+43秒
7位 木村圭佑(京都府=京都産業大)+44秒
8位 徳田優(京都府=鹿屋体育大)+44秒
9位 山本元喜(奈良県=鹿屋体育大)+2分06秒
10位 井上和郎(福井県=ブリヂストンアンカー)+2分06秒
少年の部 68.2km
1位 山本大喜(奈良県=榛生昇陽)1時間56分54秒
2位 北野龍人(富山県=水橋)+43秒
3位 田窪賢次(大阪府=茨木工科)
4位 仲村顕登(奈良県=奈良北)+44秒
5位 佐々木文平(秋田県=大曲農業)+59秒
6位 樋口峻明(神奈川県=横浜)+1分29秒
7位 今田崇史(山形県=村山農業)+1分29秒
8位 武智気吹(愛媛県=松山中央)+1分29秒
9位 直井駿太(茨城県=取手第一)+1分29秒
10位 石上優大(神奈川県=横浜)+1分29秒