全長1000km!「四国1周サイクリングコース」ができるらしい
自転車版「八十八カ所巡り」コースが誕生!? 四国4県が共同して、海岸沿いに四国を1周する全長900~1000kmのサイクリングコースを作る構想が進められている。
しまなみ海道を利用したサイクルツーリズムが人気を博する中、「ポストしまなみ」となる新たなサイクリングコース作りを通して、観光客の一層の誘致を促す狙いだ。
四国1周サイクリングコース構想は、台湾を1周する全長約900kmのサイクリングイベント「フォルモサ900」を参考に、愛媛県が発案。これに香川、徳島、高知の3県も賛同して、今年度中に策定する方向で進められている。
コースは香川県内を走る国道11号線、高知県内の国道55号線など、海岸に沿って走る国道や県道を結ぶ形で指定される見通しだ。途中の宿泊の便や、四国八十八カ所霊場などに代表される各地の観光名所を織り込むことも考慮されるという。ただし現時点で、自転車レーンの設置などは予定されていない。
今回のコース作りの背景にあるのが、しまなみ海道を利用したサイクルツーリズムの人気だ。海の上を走れるサイクリングロードとして人気を博する同ルートは、国内はもとより、海外からの観光客も訪れる。
しまなみ海道でスポーツサイクルの貸し出しを行なう今治市サイクリングターミナル「サンライズ糸山」(愛媛県今治市)の担当者は「平日、休日を問わず外国人旅行者が利用していく」と話す。
コースができれば、空路で訪れた観光客などを対象に、各県ごとにサイクルツーリズムを奨励、育成することも可能となる。四国1周サイクリングコース構想を担当する、愛媛県経済労働部国際交流課の担当者は「しまなみ海道を訪れたことのある観光客が、次に四国を訪れる際に行く道の一つとして選ばれるよう、四国1周コースを提案したい」と話している。
ちなみに今年度、コース策定のために認められた予算は300万円。来年度以降の整備計画は未定という。(斉藤円華)
四国の海沿いには坂本龍馬の銅像(高知市)など、観光名所がいっぱい (CC) Hiroaki Kaneko.