ニュース

スマホで施錠・解錠、遠隔監視も 室内駐輪スペースに導入

その他

利用者がスマートフォンを使って、施錠・解錠や保管状況の常時監視ができる室内駐輪スペースが27日、都内に登場した。利便性や安心感の向上に加え、合鍵の管理やスタッフの常駐に伴う運営コストも削減できるという。

 

室内駐輪スペース「ペダレスト西新宿」。12台を収容可能だ

 

■セキュリティが向上

室内駐輪スペースは、自転車創業(東京・渋谷)が同社オフィスに併設。「ペダレスト西新宿」として昨年10月にオープンしたが、今回、スマートフォンで入口扉の鍵を操作するシステムと、常時動画撮影を行うウェブカメラサービスを新たに導入した。

同スペースはスポーツ用自転車を最大で12台収容し、ロッカーやシャワー、工具も備える。盗難などの心配をせずに安心して駐輪できる場所として、1台数十万円するロードバイク等、高価なスポーツ車で通勤通学する人を中心に利用されている。

従来は利用者に合鍵を渡していたが、鍵の製作や紛失時の対応など、管理上の手間が発生。また、セキュリティサービスに加入していないことによる不安感の解消も課題だった。

鍵システム「アケルン」は、利用者がスマートフォンの操作で施錠・解錠を行なうもの。ブルートゥース通信で扉の開閉装置と通信し、鍵のパスワードを毎回自動的に更新するため安全性も高いという。

またウェブカメラサービス「セーフィー」は、スペース内に設けられたカメラで保管状況を音声とともに常時撮影。リアルタイム動画をスマートフォンから確認できる。テレビ電話と同様の双方向通信機能を備え、万一不審な様子があればスマートフォンからウェブカメラ内蔵のスピーカーを通じて呼びかけることも可能だ。

 

スペース内の様子はスマートフォンで常時動画確認できる

 

■無人でサービス提供可能に

「アケルン」と「セーフィー」は、いずれもITベンチャー企業が開発。自転車創業代表の中島大さんは「スマートフォンを利用したサービスの導入によって、実体鍵の管理やスタッフの常駐が不要となる。今後は無人の室内駐輪スペースも展開できる」と話す。

同社はスマートフォンを活用した駐輪サービスを「スマートパーク」と名付け、スマートパーク1か所につき半径600mの利用者需要を見込む。同社では2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、利用料金が安価な屋外駐輪スペースの整備を中心に都心の駐輪インフラの充実を目指すとしている。

ペダレスト西新宿の定期利用料金はロッカー小プランが月額9800円、ロッカー大プランが同12000円。現在12台中10台まで定期利用が埋まっている。(斉藤円華)

 

入口扉の施錠・解錠もスマートフォンで。「アケルン」は扉に後付けが可能

<参考サイト>

ペダレスト https://pedalrest.jp/

アケルン http://akerun.com/

セーフィー https://safie.link/