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【Tour速報】ピレネー山岳2日目のツール・ド・フランス第11ステージはマイカが逃げ切り優勝
レース
2015.07.16
第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月15日にポーからコートゥレ・バレー・ド・サン・サバンまでの188kmでピレネー山岳2日目となる第11ステージを競い、昨年区間2勝して山岳賞を獲得したポーランドのラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)が逃げ切り、区間優勝した。
マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。
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第11ステージは183選手が出走。ニュートラル・ゾーンでスペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が落車したが、すぐ集団に復帰した。
スタートしてすぐにリューウェ・ウエストラ(アスタナ)、ミハウ・クフィアトコフスキー(エティックス・クイックステップ)、ボブ・ユンゲルス(トレック)、エドワルド・ボアソンハーゲン(MTN・クベカ)が逃げ出したが、集団はこれを許さずタイム差は数10秒にしか開かなかった。
4人はキャノンデール・ガーミンが引く集団に47km地点で捕まった。最初の1時間の平均時速は48.1km/hを記録した。56.5km地点の中間スプリントポイントはマッテーオ・トレンティン(エティックス・クイックステップ)が先頭で通過した。
ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)は2位で通過したが、マイヨ・ベールのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)は9位通過と振るわず、ポイント賞首位の差をサガンに奪われてしまった。
アタックと吸収が繰り返された集団から、75km地点で抜け出したのは昨年山岳賞を獲得したポーランドのラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)と、地元フランスのトマ・ヴォクレール(ヨーロッパカー)だった。
この2人にベルギーのセルジュ・パウエルス(MTN・クベカ)、ドイツチャンピオンのエマヌエル・ブフマン(ボーラ・アルゴン18)、ステーベ・モラビト(FDJ)が合流し、先頭は5人になった。
さらにアルノー・デマール(FDJ)とジュリアン・シモン(コフィディス)が追いつき、逃げは7人になった。彼らは90km地点で集団に3分25秒差を付けていた。集団では落車したダニエーレ・ベンナーティ(ティンコフ・サクソ)が途中リタイア。アルベルト・コンタドールはまた1人アシストを失ってしまった。
91km地点で集団からダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン)がアタック。カテゴリー1のアスペット峠で先頭の7人に追いつき、117km地点の山頂を先頭で通過した。マイヨ・アポワを着たリッチー・ポート(チームスカイ)が引く集団は、アスパン峠山頂で8分遅れていた。
つづくカテゴリー超級のツールマレー峠で先頭の逃げ集団はマイカが加速。そして山頂まで残り5kmで独走を開始した。5000ユーロのジャック・ゴデ賞がかけられていた147km地点のツールマレー峠山頂をマイカが先頭で通過。マイヨ・ジョーヌの集団は、まだ5分40秒後方だった。
マイカはそのまま独走で逃げ切り、ツールの山岳区間で3勝目を上げた。一方、マイヨ・ジョーヌ集団では最後のカテゴリー3の坂でビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が脱落してしまった。
それとは対照的にアタックして先行したバウケ・モレマ(トレック)は、マイヨ・ジョーヌ集団よりも10秒先行してゴールし、総合でトップ10入りを果たした。彼と入れ替わりでトップ10から陥落したのはニーバリだった。
第11ステージでレースを去ったのはベンナーティだけではなかった。元世界チャンピオンのルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)、ドミニク・ネルツ(ボーラ・アルゴン18)、ヨハン・バンスーメレン(AG2R)、レイン・ターラマエ(アスタナ)、ベン・ガスタウアー(AG2R)もリタイアし、完走は177選手だった。
■区間優勝したマイカのコメント「区間優勝は今日の目的ではなかったが、僕はチャンスを見つけた。ツールが始まる前にたくさんの人たちが また赤玉ジャージを取るつもりかと聞いてきたが、僕はコンタドールを助けるためにここへ来たのだから、それは簡単ではない」
「バッソとベンナーティがリタイアしたあとの勝利は、チームの士気を高める。この勝利は彼らと、家族、妻にも捧げる。皆のサポートが多くの力を与えてくれる」
7月16日のピレネー山岳最終日は、ランヌムザンからカテゴリー超級のプラトー・ド・ベイユまでの195kmで第12ステージが行なわれる。頂上ゴールとなるプラトー・ド・ベイユは標高1780メートル。全長15.8kmで、平均勾配は7.9%。しかもコースはカテゴリー2のポルテ・ダスペット峠と、カテゴリー1のコール峠、レルス峠も越えなければならない厳しいステージだ。(MAP:ASO)
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■第11ステージ結果[7月15日/ポー~コートゥレ・バレー・ド・サン・サバン/188km]
1 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)5時間02分01秒
2 ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン/アイルランド)+1分00秒
3 エマヌエル・ブフマン(ボーラ・アルゴン18/ドイツ)+1分23秒
4 セルジュ・パウエルス(MTN・クベカ/ベルギー)+2分8秒
5 トマ・ヴォクレール(ヨーロッパカー/フランス)+3分34秒
6 ジュリアン・シモン(コフィディス/フランス)+3分34秒
7 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+5分11秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+5分19秒
9 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+5分21秒
10 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+5分21秒
11 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+5分21秒
13 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+5分21秒
23 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+6分11秒
■第11ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)41時間03分31秒
2 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+2分52秒
3 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分09秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分59秒
5 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+4分03秒
6 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+4分04秒
7 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)+4分33秒
8 ロベルト・ヘーシンク(ロトNL・ユンボ/オランダ)+4分35秒
9 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+6分44秒
10 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+7分05秒
11 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+7分47秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
■チーム成績(黄ゼッケン):チームスカイ(英国)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン/アイルランド)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)