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【Tour速報】ツール・ド・フランス第2ステージはグライペルが制しカンチェッラーラが総合首位/ニーバリが1分半遅れ!

レース

第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、ユトレヒト(オランダ)からゼーラント(オランダ)にあるネールチェ・ヤンス島までの166kmで第2ステージを行い、24人の先頭集団で競われたゴールスプリントをドイツのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)が制した。

区間3位にはファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が入って4秒のボーナスタイムを獲得。今年復活したボーナスタイム制度の恩恵で彼は総合首位に立ち、3年ぶりでマイヨ・ジョーヌを獲得した。これでカンチェッラーラのマイヨ・ジョーヌ着用日数は通算29日になった。

強風と激しい雨に見舞われたレースは、後半に集団が分断。アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)とクリストファー・フルーム(チームスカイ)は先頭集団に入っていたが、昨年総合優勝のビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は、この日マイヨ・ジョーヌを着ていたローハン・デニス(BMC)とともに後れを取ってしまった。

追走集団は先頭集団を捕らえることができず、1分28秒遅れでゴール。ニーバリは大会2日目で総合を争うライバルたちに大差を付けられてしまった。
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第2ステージは198選手がユトレヒトをスタート。オフィシャルスタートの旗が降られた0km地点で、フランスのアルマンド・フォンセカ(ブルターニュ・セシェアンビロンマン)が集団からアタックし、今年最初の逃げが形成された。メンバーはフォンセカ、ペリッグ・ケムヌー(ヨーロッパカー)、ステフ・クレメント(IAM)、ヤン・バルタ(ボーラ・アルゴン18)だった。

4人は28km地点で2分45秒差を付けたが、ベルギーのエティックス・クイックステップが早くから集団をコントロールしたため、それ以上は開かなかった。65km地点ではタイム差は1分を切っていた。最初の1時間の平均時速は46.1km/hだった。

この日は雨だけでなく強い横風とも闘わなければならなかった。前半に集団はティンコフ・サクソの加速で一時2つに分断し、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)やバウケ・モレマ(トレック)が遅れたが、この時はすぐ集団は1つに戻った。

80.5kmの中間スプリントポイントの前に、逃げからバルタがアタックして独走を始めたが、補給地点であきらめてクレメントとフォンセカを待った。結局この逃げは、ゴールまで残り62kmで集団に吸収された。

悪天候でナーバスになっていた集団では、中間スプリントポイントの後に落車があり、ウィルコ・ケルデルマン(ロトNL・ユンボ)やトーマス・ドヘント(ロット・ソウダル)が巻き込まれたが、すぐ集団に復帰した。

逃げが捕まったあと、雨脚が強まりレースは厳しさを増した。ここで集団から遅れる選手が続出。ナイロ・キンタナとアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、ジャンクリストフ・ペロー(AG2R)、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、アルノー・デマール(FDJ)らが後ろの集団に取り残された。

先頭集団はゴールまで残り50kmでロット・ソウダルが加速してさらに分断し、マイヨ・ジョーヌのローハン・デニス(BMC)やビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が後れを取ってしまった。

ゴールまで残り38kmで、アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)とクリストファー・フルーム(チームスカイ)が入った先頭集団は26人で、ニーバリの集団とのタイム差は50秒以上に開いていた。

先頭集団を追い続けいたニーバリは、残り25kmでパンクに見舞われ、マイヨ・ジョーヌの集団からも遅れたが、チームメートの助けを借りて戻ることができた。残り20kmで26人と追走のタイム差は50秒あった。

しかし、先頭集団にはマーク・カヴェンディッシュを含めたエティックス・クイックステップの精鋭が6人入っていた。アルカンシエルを着たミハウ・クウィアトコウスキー(エティックス・クイックステップ)は先頭を引き続け、追走する集団との差は縮まるどころか、残り10kmで1分17秒にまで開いていた。

先頭集団では残り15kmでペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)がパンクに見舞われて遅れたが、すぐに復帰できた。

ゴールのネールチェ・ヤンス島へと渡ったとき、雨は上がっていた。残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、マーク・レンショウ(エティックス・クイックステップ)が最後の牽引車となってカヴェンディッシュをゴールスプリントへと送り出した。

しかし、カヴェンディッシュの後方にはグライペルとサガンが付き従っていた。カヴェンディッシュが最後のスパートを開始したのと同時にグライペルとサガンもスパートし、グライペルがフィニッシュラインを先頭で通過した。

最後はあきめてしまったカヴェンディッシュとは対照的に、一番右側からスプリントに加わって車体を投げ出したカンチェッラーラが区間3位に入った。

今年のツールはボーナスタイム制度が復活し、TTステージをのぞいたすべてのステージの区間上位3位までにそれぞれ10秒、6秒、4秒が与えられる。これにより4秒を獲得したカンチェッラーラが第2ステージで総合首位に立った。

第1ステージで区間3位だったカンチェッラーラは、区間2位のトニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)とはたった1秒差だった。この日はマルティンも先頭集団にいて、タイム差なしの区間9位でゴールしていたため、ボーナスタイムがなければマルティンがマイヨ・ジョーヌを獲得できたはずだった。

カヴェンディッシュがスプリントをあきらめないで3位に入っていれば、と考えると、終盤先頭集団を引き続けたにもかかわらず、区間優勝もマイヨ・ジョーヌも逃したエティックス・クイックステップは残念で仕方ないだろう。

グライペルのツール区間優勝は、これで通算7勝になった。彼はポイント賞でも首位に立ち、初めてマイヨ・ベールにソデを通した。

■区間優勝したグライペルのコメント「我々のグループはけっしてスピードを落とさなかったが、ボクたちはちょっとエネルギーをセーブしていた。残り2kmで、向かい風だと感じてボクはガロパンとジーベルクに可能な限り待つように言った。

「ジーベルクは付いていくべき選手をよく心得ていた。彼はいい選手であるだけでなく、ボクの親友だ。彼のことは自転車レースを始めた時から知っている。チームに彼がいることはとても重要なんだ」

「我々のグループにクイックステップの選手がたくさんいるのはわかっていた。しかし、レンショウはスプリントを始めるのが早すぎた。だから彼はカヴェンディッシュを早く行かせなければならなくなった」

「しかしボクにはまだ自信がなかった。カヴェンディッシュは過去にスピードを長く保ち、その方法で勝てることを示していたからだ。でもボクも彼の後輪に留まることができて、彼を抜き去ることができたんだ」

総合争いは開幕してたった2日で波乱の展開になっている。第2ステージで先頭集団に加わっていたのは、コンタドールとフルームの他にリゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ)とティージェイ・バンガルデレン(BMC)だった。

一方、1分半遅れの集団でニーバリと一緒にゴールしたのはキンタナ、バルベルデ、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、ティボー・ピノ(FDJ)、ロマン・バルデ(AG2R)。彼らはこんなにも早い段階から総合で一歩後退してしまった。しかし、まだツールは始まったばかりだ。


7月6日はオランダから隣国ベルギーへと移動。アントワープをスタートし、フレッシュ・ワロンヌのゴールとして有名なウイの激坂にゴールする159.5kmの第3ステージが行われる。(MAP:ASO)
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■第2ステージ結果[7月5日/ユトレヒト(オランダ)~ゼーラント(オランダ)/166km]
1 アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)3時間29分03秒
2 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
3 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス)
4 マーク・カヴェンディッシュ(エティックス・クイックステップ/英国)
5 ダニエル・オス(BMC/イタリア)
6 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)
7 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
8 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
9 トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
10 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)
11 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+4秒
13 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+4秒
14 リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ/コロンビア)+4秒
44 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分28秒
45 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+1分28秒
47 ティボー・ピノ(FDJ/フランス)+1分28秒
49 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分28秒
50 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分28秒
56 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分28秒
88 ローハン・デニス(BMC/オーストラリア)+1分28秒
■第2ステージまでの総合成績
1 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス)3時間44分01秒
2 トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ/ドイツ)+3秒
3 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+6秒
4 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)+33秒
5 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+35秒
6 ダニエル・オス(BMC/イタリア)+42秒
7 リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ/コロンビア)+42秒
8 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+44秒
9 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)+48秒
10 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+48秒
14 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+1分00秒
31 ティボー・ピノ(FDJ/フランス)+2分07秒
33 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+2分09秒
39 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分22秒
44 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+2分27秒
71 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+2分52秒
78 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+3分00秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)
■新人賞(マイヨ・ブラン):トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
■チーム成績(黄ゼッケン):BMCレーシングチーム(米国)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ミハウ・クウィアトコウスキー(エティックス・クイックステップ/ポーランド)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)


Summary - Stage 2 (Utrecht > Zélande) - Tour de... 投稿者 tourdefrance_en