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【Tour速報】ツール・ド・フランス2015開幕! 初日の個人TTはオーストラリアのデニスが制してマイヨ・ジョーヌ獲得

レース

第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)が、7月4日にオランダのユトレヒトで開幕した。初日は13.8kmの個人タイムトライアルが競われ、オーストラリアのローハン・デニス(BMC)がサプライズな初優勝を収めて最初のマイヨ・ジョーヌを獲得した。

ヨーロッパは6月下旬から熱波に見舞われ、第1ステージは30度C以上の猛暑の中で行われた。最初に15分11秒の好タイムを出したのは、地元オランダのヨス・ファンエムデン(ロトNL・ユンボ)だった。

しかし、38番目にスタートしたデニスのタイムは驚異的だった。彼は7.1km地点の中間計測ポイントではファンエムデンよりも1秒遅れていたのだが、後半で加速して14分56秒でゴールした。

その平均時速は55.446km/hで、1994年に英国のクリス・ボードマンが樹立した55.152km/hを抜き、ツールの個人タイムトライアル最速記録になった。

最初にデニスの新記録を打ち破ることを期待されたのは地元オランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)だった。彼は沿道から熱狂的な声援を受けてユトレヒトのコースを疾走したが、デニスのタイムには8秒及ばなかった。

元世界チャンピオンのトニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)も、デニスの記録には5秒及ばなかった。そして最後の期待はファビアン・カンチェッラーラ(トレック)にかけられた。彼はこれまで外国からスタートしたツールでは、5回初日のタイムトライアルを制してマイヨ・ジョーヌを獲得していたのだ。

しかし、カンチェッラーラも6秒届かず、その時点でデニスの区間優勝は決定的となった。参加した198選手の中で、15分を切ったのは彼だけだった。ツールで初めて区間優勝し、マイヨ・ジョーヌも初めて着たデニスは、表彰式でオランダ国王に祝福された。

25歳のデニスは今季開幕から好調で、1月に地元オーストラリアで開催されたサントス・ツアー・ダウンアンダー(UCIワールドツアー)で総合優勝した。その後、彼はアワーレコードを更新し、タイムトライアルでの強さも証明していた。
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■ローハン・デニスのコメント「ボクはマイヨ・ジョーヌ獲得者の1人になる。それは素晴らしいけれど、結果を待つのはストレスで一杯だった。ライバルたちが1人ずつやって来る間、ボクは震えていた。でも、ボクは残り1~2kmで判定することができた」

「レースの前に試走したときには、16分になるだろうと思っていた。でも結局は1分少なかった。ショックだったよ。ボクは決してトップ5を目指していなかったし、せいぜい2位か3位だったけれど、勝つ自信はいつもあった」

「今回はカンチェッラーラやマルティンを打ち負かす自信はなかった。でもボク自身は勝利を期待していた。驚き以上だ。ホットしたと言わなければね。みんなばボクがダークホースだと言っていたが、つまり勝つチャンスはあったのさ」
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6度目の勝利を逃したカンチェッラーラは「とても疲れた。暑さは全員に厳しかったが、タイムトライアル用のヘルメットでさらに厳しくなった。ボクは全力を尽くしたが、デニスがベストだった。

1、2ヶ所のカーブで数秒失ったが、それは関係なかった。今年はクラシックを走れなかったから、このレースはボクにとって重要だった。けれど大きな損失ではない。ボクは楽しむために走り、ツールはまだ先が長い。またチャンスがあるだろうし、ボクはそれを確信している」と、語っている。

第1ステージの開始前には、アスタナプロチーム(カザフスタン)のラルス・ボーム(オランダ)が、直前の血液検査でコルチゾール値が正常よりも低かったにもかかわらず、出場を強行する騒ぎがあった。

アスタナが加盟しているMPCCのルールでは、コルチゾール値が低すぎる選手は、健康上のリスクを避けるために、その値が正常に戻るまで8日間レースに参加できないことになっている。しかしアスタナは、このルールに違反して、ボームを出場させる決定を下した。


7月5日はユトレヒトからゼーラント(オランダ)までの166kmで、山岳ポイントが1つもない平坦な第2ステージが行われる。(MAP: ASO)
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■第1ステージ結果[7月4日/ユトレヒト(オランダ)~ユトレヒト(オランダ)/13.8km(個人TT)]
1 ローハン・デニス(BMC/オーストラリア)14分56秒
2 トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ/ドイツ)+5秒
3 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス)+6秒
4 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+8秒
5 ヨス・ファンエムデン(ロトNL・ユンボ/オランダ)+15秒
6 ホナタン・カストロビエホ(モビスター/スペイン)+23秒
7 マティアス・ブランドレ(IAM/オーストリア)+23秒
8 アドリアーノ・マローリ(モビスター/イタリア)+29秒
9 ウィルコ・ケルデルマン(ロトNL・ユンボ/オランダ)+30秒
10 スティーブン・カミングス(MTN・クベカ/英国)+32秒
17 リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ/コロンビア)+40秒
18 ティボー・ピノ(FDJ/フランス)+41秒
20 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+42秒
22 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+43秒
23 ラルス・ボーム(アスタナ/オランダ)+44秒
39 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+50秒
43 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+56秒
46 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+58秒
57 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分01秒
125 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分26秒
145 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+1分34秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ローハン・デニス(BMC/オーストラリア)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ローハン・デニス(BMC/オーストラリア)
■チーム成績(黄ゼッケン):チームロトNL・ユンボ(オランダ)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)


Summary - Stage 1 (Utrecht > Utrecht) - Tour de... 投稿者 tourdefrance_en