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【Tour速報】激坂ゴールのツール・ド・フランス第8ステージは地元フランスのヴュイエルモーズ優勝!

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第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月11日にレンヌから激坂ゴールのミュール・ド・ブルターニュまでの181.5kmで第8ステージを競い、アレクシス・ヴュイエルモーズ(AG2R)が残り700メートルからのアタックを決めて地元フランスに今年初の区間優勝をもたらした。

マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。総合を争う選手はマイヨ・ジョーヌのグループでゴールしたが、イタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)だけはゴール手前で脱落。フルームよりも10秒遅れでゴールした。
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第8ステージは185選手が出走。第4ステージで行われたアンチ・ドーピング検査でコカイン(ベンゾイルエクゴニン・メタボライト)の陽性になって一時的な資格停止処分を受けたイタリアのルーカ・パオリーニ(カチューシャ)が出走しなかった。快晴に恵まれ、気温は24度Cだった。

いくつものアタックが続いたあと、6km地点でバルトシュ・フザルスキー(ボーラ・アルゴン18)、ロマン・シカール(ヨーロッパカー)、シルバン・シャバネル(IAM)、ピエールリュック・ペリション(ブルターニュ・セシェアンビロンマン)が集団から逃げ出した。

4人のタイム差は17km地点で4分になった。最初の1時間の平均時速は42.2km/hだった。しかし、108.5kmの中間スプリントポイントを、集団がマイヨ・ベールのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)を先頭に通過した時は、タイム差は1分5秒しかなかった。

ゴールまで残り69km地点でアルカンシエルのミハウ・クウィアトコウスキー(エティックス・クイックステップ)を含めた17人の選手が集団から抜け出して先頭の4人に合流した。

さらにそこから残り63km地点でラルス・バク(ロット・ソウダル)、フザルスキー、ミハウ・ゴワシュ(エティックス・クイックステップ)がアタックし、新たな逃げ集団を形成した。他の選手たちは集団に吸収され、3人は1分程度の差を保って逃げ続けた。

しかし、ゴールまで残り10kmを切り、カテゴリーのない丘でフザルスキーがまず先頭から脱落して集団に吸収された。残りの2人も残り8kmで捕まり、集団は1つになってゴールのミュール・ド・ブルターニュを目指した。

ゴールまで残り2kmでミュール・ド・ブルターニュの登坂がスタート。チームメートに引かれたマイヨ・ジョーヌのフルームが2番手を走っていた。集団の後方では脱落する選手が続出し、世界チャンピオンのクウィアトコウスキーもその一人だった。

残り1.3kmでサイモン・イエーツ(オリカ・グリーンエッジ)、ヴュイエルモーズ、シモン・ゲシュケ(ジャイアント・アルペシン)が先頭集団からアタックしてわずかに先行したが、フラム・ルージュでフルームが引く集団に捕まってしまった。

そのまま先頭を走るフルームが区間優勝するのかと思われた矢先、2番手に付けていたビヤモーズが残り700メートルで再度アタック。ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン)が追走したが、時すでに遅かった。ビヤモーズは独走でフィニッシュラインを通過し、開催国フランスに勝利の喜びをもたらした。

2011年にミュール・ド・ブルターニュがゴールになったとき、区間優勝したのは元MTB選手のカデル・エヴァンス(オーストラリア)だったが、奇しくも27歳のヴュイエルモーズも、MTBからロードに転向して3年目の選手だった。

この日の区間優勝は確かにサプライズではあったが、ヴュイエルモーズはすでにウイの激坂にゴールした第3ステージでも、区間優勝したホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、2位のフルームにつぐ区間3位に入っていた。

ミュール・ド・ブルターニュで脱落して10秒を失ったニーバリは「最後はいい感覚ではなかった。このステージのスタートはOKだったが、加速が始まったら反応できなかった。悪い1日だったよ」と、語っている


■ツール区間初優勝を果たしたヴュイエルモーズのコメント「僕のターゲットはウイの激坂とミュール・ド・ブルターニュだった。ウイで3位になったのはすごくよかった。今日は勝つためにイチかバチかの危険をおかす準備をしていた」

「2回アタックすると決めた。1回目は一番傾斜がキツい場所で、2度目は僕がちょっと回復して、フルームがスピードを上げた後だった。ボクはパンチャータイプのクライマーだから、この類のゴールが自分に向いていることは知っていた」

「逃げおおせたことには驚かなかったけれど、それを保つのは困難だった。暴力的な苦労だった。フィニッシュラインを通過したあと数分間は、自分がやり遂げたことにも気が付かなかった」


7月12日はいよいよ総合成績を左右する28kmの過酷なチームタイムトライアルが行われる。第9ステージはバンヌをスタートし、プリュムレックのカドゥダルの丘でゴールする。ゴールの丘は全長1.7kmで、平均勾配は6.2%。チームTTは5番目にフィニッシュラインを通過した選手のタイムが計測される。

オランダのユトレヒトを198選手でスタートした今年のツールは、すでに13人がレースを去っている。もっとも多くの選手を失っているのはオリカ・グリーンエッジで、落車のケガで3人がリタイアし、6人で走らなければならない。しかもマイケル・マシューズは、胸部の骨に2ヶ所ヒビが入った状態でレースを続けている。

本来であれば優勝候補となるエティックス・クイックステップも、チームTTで要となるはずのトニー・マルティンを失っていて、トレックファクトリーレーシングもファビアン・カンチェッラーラなしで闘わなければならない。

マイヨ・ジョーヌのフルームは「明日のチームTTは総合成績に大きな影響を与えるだろう。トリッキーなチームTTだ。コースはうねっていて、我々は最後の上りに5人の選手が必要だ。大きなタイム差が付くと予想している」と、語っている。
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■第8ステージ結果[7月11日/レンヌ~ミュール・ド・ブルターニュ/181.5km]
1 アレクシス・ヴュイエルモーズ(AG2R/フランス)4時間20分55秒
2 ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン/アイルランド)+5秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10秒
4 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)+10秒
5 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)+10秒
6 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)+10秒
7 アダム・イエーツ(オリカ・グリーンエッジ/英国)+10秒
8 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+10秒
9 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+10秒
10 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+10秒
12 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+10秒
14 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+10秒
15 リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ/コロンビア)+10秒
17 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+10秒
30 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+20秒
■第8ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)31時間01分56秒
2 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)+11秒
3 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+13秒
4 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)+26秒
5 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)+28秒
6 リゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ/コロンビア)+34秒
7 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+36秒
8 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+1分07秒
9 ズデネク・シュティバル(エティックス・クイックステップ/チェコ)+1分15秒
10 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+1分32秒
12 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分47秒
13 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分48秒
16 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分56秒
17 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+2分00秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ダニエル・テクレハイマノット(MTN・クベカ/エリトリア)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■チーム成績(黄ゼッケン):BMCレーシングチーム(米国)
■敢闘賞(赤ゼッケン):バルトシュ・フザルスキー(ボーラ・アルゴン18/ポーランド)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)
 


Summary - Stage 8 (Rennes > Mûr-de-Bretagne... 投稿者 tourdefrance_en