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【Tour速報】アルプス山岳2日目のツール・ド・フランス第18ステージはバルデが区間初優勝し、地元フランス2勝目!
レース
2015.07.24
第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月23日にギャップからサン・ジャン・ド・モーリエンヌまでの186.5kmでアルプス山岳2日目となる第18ステージを競い、ロマン・バルデ(AG2R)が独走で逃げ切り、地元フランスにうれしい区間2勝目をもたらした。
24歳のバルデにとって、これはツールで初めての区間優勝だった。彼は敢闘賞も獲得し、スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が総合首位に立った山岳賞でも、同ポイントで2位になっている。
マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。
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第18ステージは162選手が出走。前日に最下位でゴールしていた南アフリカのルイ・メインティス(MTN・クベカ)が病気で出走しなかった。
スタートしてすぐにカテゴリー2のバヤール峠の登坂が始まり、ピエール・ロラン(ヨーロッパカー)がアタック。山岳賞2位でマイヨ・アポワを着ていたホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)とフリアン・アレドンド(トレック)が付いていった。
12km地点で先頭の逃げ集団は29人になっていた。ロドリゲスは前半の山岳ポイントでポイントを稼ぎ、70.5km地点のマリソル峠(カテゴリー3)でフルームを抜いて山岳賞の総合1位に立った。
80km地点で逃げ集団はメイン集団に4分差を付けていた。後方ではマーク・レンショウ(エティックス・クイックステップ)がレースを棄権した。
この日は後半に全長21.7kmで標高1924メートルのグランドン峠越えが待ち構えていた。そのふもとで先頭の逃げ集団はロットNL・ユンボととジャイアント・アルペシンが引く集団に2分10秒差を付けていた。
グランドン峠の登坂が始まると、先頭は11人に絞られた。メンバーはヤコブ・フグルサン(アスタナ)、バルデ、ティボ・ピノー(FDJ)、ウイネル・アナコナ(モビスター)、ダミアーノ・カルーゾ(BMC)、ロドリゲス、ピエール・ロランとシリル・ゴチエ(ヨーロッパカー)、ボブ・ユンゲルス(トレック)、アンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ガーミン)、セルジュ・パウエルス(MTN・クベカ)だった。
先頭グループでは、第14ステージでバルデとともに区間優勝を競ったピノがグランドン峠中腹で脱落し、メイン集団に吸収された。頂上まで残り4kmでロランがアタックしたが、すぐにバルデとフグルサンが追走した。
その直後にフグルサンが転倒する事故があったが、1km先で先頭に復帰した。先頭グループではマイヨ・アポワを着たロドリゲスが脱落し、カテゴリー超級のグランドン峠でポイントを稼ぐことができなかった。
グランドン峠山頂はバルデがアナコナと一緒に通過。後続に10秒差を付けて峠を下り始めた。そしてバルデはこの下り坂で独走を開始した。
集団ではビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が攻撃を続けていたが、フルームを蹴落とすことはできなかった。山頂まで8km地点でアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)もアタックしたが、下りで捕まってしまった。
グランドン峠を下りきった時、バルデは8人の追走グループに35秒差を付けていた。20人ほどになっていたマイヨ・ジョーヌ集団はまだ3分後方だった。
この日最後の峠は、つづら折りのラセ・ド・モンベルニエ(カテゴリー2)だったが、クライマーのバルデには何の問題もなかった。彼は40秒差を付けたままラセ・ド・モンベルニエ山頂を通過して5ポイントを獲得し、山岳賞総合成績でロドリゲスと同じ68ポイントになった。
バルデの後方ではロランがアタックして単独で追走を続けたが、その差を縮めることはできなかった。バルデはロランに33秒差を付けてサン・ジャン・ド・モーリエンヌのゴールに飛び込んだ。マイヨ・ジョーヌのグループは3分遅れてゴール。バルデはこのステージで総合トップ10にも入ることができた。
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■ツールで区間初優勝を果たしたバルデのコメント「今朝のチームの計画を尊重した。僕は逃げなければならず、それがもっともキツイところだった。この数日間、逃げは人数が多かったので、扱うのが難しいのを見ていた。グランドン峠には可能な限り小さいグループでたどり着かなければならなかった」
「ふもとでアタックしたかったが、頂上に向かって向かい風になっていたのを知っていたので、待つことにした。僕はグランドンの山頂がゴールであるかのようにレースをしたのさ」
「マンドではあきらかに失敗した。上りのあとにダウンヒルがあるとは知らなかったんだ。その夜、自分が勝てなかったことが信じられなかった。だが、チームからのサポートを失わなかったので、なんとか復活できた」
「AG2Rはチームとしてやり遂げた。今日は逃げにチームメートが2人入っていた。彼らはすばらしい助けになった。マンドで負けたことが今日、僕を勝者にした」
山岳賞総合は第18ステージ終了時点で、ロドリゲスとバルデが68ポイントで並んだが、この場合はより難易度の高い山岳ポイントを上位で通過した選手が1位になるという規定により、ロドリゲスが1位になってマイヨ・アポワを獲得した。
「今日は補給に失敗し、そのツケを払わされた。区間優勝のチャンスだったのに残念だった。これからの目標は、マイヨ・アポワを着てパリへ到着するために、最大限のポイントを稼ぐことだ」と、ロドリゲスは語っているが、バルデも初受賞のチャンスを見逃さないだろう。
7月24日はサン・ジャン・ド・モーリエンヌからラ・トゥスイール(レ・シベル)までの138kmでアルプス山岳3日目となる第19ステージが行なわれる。
スタートしてすぐにカテゴリー1のショシー峠越えが始まり、中盤には標高2067メートルでカテゴリー超級のクロワ・ド・フェール峠越えもある。マイヨ・アポワ争いも楽しみな1日になりそうだ。
そして頂上ゴールとなるカテゴリー1のトゥスイール山は標高1705km、全長18kmで平均勾配は6.1%だ。2012年にはロランが区間優勝している。(MAP: ASO)
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■第18ステージ結果[7月23日/ギャップ~サン・ジャン・ド・モーリエンヌ/186.5km]
1 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)5時間03分40秒
2 ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)+33秒
3 ウイネル・アナコナ(モビスター/コロンビア)+59秒
4 ボブ・ユンゲルス(トレック/ルクセンブルク)+59秒
5 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+59秒
6 セルジュ・パウエルス(MTN・クベカ/ベルギー)+1分01秒
7 シリル・ゴチエ(ヨーロッパカー/フランス)+1分50秒
8 ダミアーノ・カルーゾ(BMC/イタリア)+1分50秒
9 アンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ガーミン/米国)+1分55秒
10 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+3分02秒
11 ロベルト・ヘーシンク(ロトNL・ユンボ/オランダ)+3分02秒
12 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+3分02秒
13 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分02秒
14 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+3分02秒
15 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+3分02秒
17 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分02秒
18 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+3分02秒
■第18ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)74時間13分31秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分10秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+4分09秒
4 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+6分34秒
5 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+6分40秒
6 ロベルト・ヘーシンク(ロトNL・ユンボ/オランダ)+7分39秒
7 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+8分04秒
8 マティアス・フランク(IAM/スイス)+8分47秒
9 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+12分06秒
10 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+12分52秒
11 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+13分08秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ロマン・バルデ(AG2R/フランス)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)