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DOWNHILL SERIES #4 福井和泉MTB PARKで浦上太郎が2連勝!

イベント
8月15日(土)16日(日)DOWNHILL SERIES #4 福井和泉MTB PARKが開催された。DOWNHILL SERIES2年目にして初のPROクラス連勝を飾ったのは、本戦日に27歳の誕生日を迎えた浦上太郎(Transition Airlines/CLEAT)。「何も言うことはありません!最高の気分です!」と、笑顔が弾けた。

 
ウイングヒルズに続いて連勝した浦上太郎。賞金10万円を獲得した
ウイングヒルズに続いて連勝した浦上太郎。賞金10万円を獲得した


昨年、大雨警報が出るほどの、悪天候の中での開催となった福井和泉会場。今年は、開幕からの連続快晴記録を伸ばすこととなった。

今回のコースは、全長1.35㎞。福井和泉スキー場の象徴、クワッドリフトの山頂駅横にスタートは設けられる。スタート直後は、オープンなゲレンデセクションを右に左にとコーナーが連続する高速セクション。

第1シングルの入り口には、今年リニューアルされたロックセクションがあり、3つのラインからの自由選択。大岩を超える真ん中のラインは着地までが2mを越える大きなドロップとなっており、ライダーたちは果敢にチャレンジした。

第1シングルを越えると斜度は増し、一本橋から3連テーブルトップへ。3連テーブル直後に設けられたバイパスルートは今回のレースのために用意された特設ルート。その後、ゲレンデベースから見渡せる、11mと5mのキャニオンジャンプとバームで構成されたリズムセクションへ。レッドブルアーチを越えれば、フィニッシュとなる。

福井和泉会場での搬送は、4駆トラックにトレーラーを牽くスタイル。片道約20分をかけて一度に40台+40人を搬送する。そのため、クラスによって搬送スケジュールが決められ、ライダーは全員平等に4度スタート地点に運ばれる。トラックの荷台やバイクが積まれたトレーラーの隙間に乗り込み、スタートへ向かう。

 
1回の搬送で40名を山頂まで届けるのが福井和泉のスタイル
1回の搬送で40名を山頂まで届けるのが福井和泉のスタイル


土曜日のタイムドセッションには57名が参加。コースはドライでパフパフ。
そんな初日、唯一、2分を切る好タイムを出したのは、ワールドカップの北米2連戦から帰ってきたばかりのPROクラスライダー井本はじめ(SRAM/LITEC)。2位には加藤将来(AKI FACTORY/ACCEL)、3位には井手川直樹選手(AKI FACTORY/STRIDER)が入った。

今年から公開している総合順位では、PROクラスの加藤選手を押さえ、エリート男子クラスの下垣大樹選手(Lapierre)が2位に食い込んだ。

 
福井和泉からサポートを受ける下垣は期待通り11mキャニオンを飛んで観客を湧かせた
福井和泉からサポートを受ける下垣は期待通り11mキャニオンを飛んで観客を湧かせた


本戦当日。午前中の試走は2回。土曜日のタイムドセッションの上位35名と日曜日のみ参加のライダーが3回の試走に行き、降りてくると本戦が始まる。
今回は、過去にワールドカップ最年少エントリーをし、あの!ショーン・パーマーに勝ったこともあるという福井和泉のローカルライダーでグラフィックアーティストの笠川雄一郎氏が前走者を務めた。結果としてはビッグジャンプ後にクラッシュとなったが、古くからの会場のファンを沸かせた。

まずスタートするのは、激戦のエリート男子クラス。タイムドセッションのリバーススタートで始まると、次々に最速タイムが塗り替えられていく。東京から参戦の幸田玲音(ASTポンコツレーシング)は土曜日より4秒縮めて2分3秒593、#1で優勝した藤村飛丸(BlankyDog/MUDDYCHOCOLATE)は2分3秒095、タイムドセッション3位の宇津孝太郎(カメクリコロッケ小川輪業)は2分2秒809。フィニッシュしてMCアリーの読み上げるタイムを聞くと、首をかしげるような仕草で帰って行く。

残り2人。タイムドセッション2位で、#2 SRAMPARKでも本戦で2位に入ったハードテールの使い手・増田直樹(DTP)が2秒縮めての2分1秒台を出す。「あの人はヤバい」と、増田の走りを見た人は口々に言う。今回も若者を十分に焦らせるタイムを出す。

最終走者は、下垣。フィニッシュエリアからも見える11mビックジャンプを飛ぶ。そしてフィニッシュ。「タイムは2分00秒……923!」とMCアリーが読み上げると、搬送を待つPROライダーたちからも歓声が上がった。

開幕戦以降、エリートクラスで2位、4位、4位と勝てそうで勝てない悔しい思いをしてきた下垣。決して派手ではないが、粛々と練習を積む姿に応援しているファンは多い。今回も金曜日に会場入りし、念入りに試走を繰り返した。「この勝利は通過点に過ぎないので、勝つイメージを持ったまま次戦までトレーニングします」と下垣らしい謙虚な言葉ながら手に入れた、念願の初勝利になった。

 
エリートクラス男子表彰式
エリートクラス男子表彰式


そして、PROクラス。今年導入された「下克上システム」(エリート男子勝者がPROクラスの前走者としてPROクラスに挑める)にのっとり、下垣が前走者としてスタート。

しかし、ここはやはりPROクラスライダー。前戦の優勝者でタイムドセッション4位の浦上太郎が止まりきれずにフィニッシュの溜まりを囲うコーステープをぶち破る勢いでフィニッシュをすると、1分56秒248という驚異的タイムを叩き出す。

残るは3人。井手川は2分00秒302、加藤は1分58秒299、そして「あまりに暑くて、後半たれちゃって、ミスが出てしまいました」とレース後に話した最終走者の井本のタイムが1分56秒362と読み上げられた瞬間、浦上がDOWNHILL SERIESの2年目にして初の連勝ライダーとなった。

浦上はレース後、「今日のコースは、あまりに楽しくて攻める気が起きないくらいだったんですけど(笑)。本番では攻めたら良い感じで走れました。」と話した。土曜日のタイムドセッション後にはPROライダーによるファン交流企画を担当。1時間半をかけてコースウォークを行ない、参加者たちに浦上流「気持ちの良い」ラインを伝授した。そして、優勝。「なんか完璧っすよね。できすぎてますね。誕生日だし、最高ですね。」といつも笑顔の浦上選手の笑顔が、いつにも増して弾けた。

 
プロクラス表彰式
プロクラス表彰式

エリート女子クラスでは、ここ2戦をブース出展ではなくライダーとして参戦してくれている大阪府箕面のパン屋さん、富田敬子(Acciarpone)が優勝を飾った。

ファーストタイマー男子では有時淳一(Low Flow)が、スポーツ女子クラスではレース初出場の川合慶(カンモー・ジジ)が、スポーツ男子クラスでは藤田二雄が、エキスパート男子クラスでは大浜真志(メタボリックレーシング)が優勝となった。

次戦は9/19-20に島根県は瑞穂ハイランドにて第5戦が行なわれる。
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