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DOWNHILL SERIES #5で清水一輝が1年ぶりに優勝!

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DOWNHILL SERIES 第5戦となったMIZUHO MTB PARK大会は2年連続の快晴。初秋の青空と眩しいほど芝生の緑が輝くシルバーウィーク初日に行なわれた。今会場はMTBコースとしては夏期の週末だけの営業ながら、オープン4年にして年々ファンを増やし、今回は九州・中国・四国地方を中心に100人を越えるライダーが集まった。

レースコースは常設コースの中盤よりスタート。全長約1.9㎞、標高差328m。距離・標高差は昨年とほとんど変わりないものの、メイン会場から見える範囲にはクルマ越えジャンプやドロップオフなど、新セクションが用意された。

コース担当者が大事にするのは「ギャラリーの目線を意識した、ライダーも観客もテンションの上がるセクション作り」。造り手の思いの籠もった、乗っても観ても楽しいコースであるというのも、多くのライダーから支持を集める理由のひとつである。

 
ゴンドラ山頂付近からコースを見下ろす
ゴンドラ山頂付近からコースを見下ろす


54人が参加した土曜日のタイムドセッションの最速タイムは清水一輝(Patrol mountain FJC)の3分17秒063。0.837秒差で井本はじめ(SRAM/LITEC)、2.775秒差で井手川直樹(AKI FACTORY/STRIDER)が続いた。

また、昨年に引き続き、フィニッシュゲート直前のジャンプでは「フィニッシュジャンプコンテスト」が行なわれ、瑞穂ハイランドのスタッフがジャンプのスタイルと飛距離を採点し、女子の部では末政実緒(SRAM/LITEC)が、男子の部では清水一輝(Patrol mountain FJC)が優勝。特別賞として、ローカルライダーの田丸裕選手(SRAM/LITEC rising)が表彰された。

そして、瑞穂といえば、前夜祭「MIZUHO NIGHT」。昨年も大好評だった前夜祭には80人以上が参加し、他県ライダーやプロライダーとの交流を楽しんだ。なかでも、今年から始めたPROライダーによる参加者交流企画の特別版として、「PROライダー全員に聞く 1本のゴープロ映像から読み解くコース攻略講座in MIZUHO NIGHT」を開講。

PROライダーは、井手川直樹、安達靖(SRAM/LITEC)、清水一輝、井本はじめ、阿藤寛(Topknot racing)、末政実緒という、国内トップライダーたち。小学生ライダーから、混戦のエリートクラスでの勝利を狙うライダーまで、内容の濃い講義に熱心に耳を傾けた。このコース・ライディング解説は1時間以上に及び、ライダーによってまったく違う、走り方やラインの選び方を一度に聞ける、参加者にとってはとても贅沢な時間となった。

 
 多くの参加者で盛り上がったMIZUHO NIGHTはこの大会の名物となっている
多くの参加者で盛り上がったMIZUHO NIGHTはこの大会の名物となっている


本戦当日。路面状況はスーパードライ。
スポーツ男子クラスでは、DHバイクで出場したXCジュニアの世界選手権代表である山田将輝(Limited846/LITEC)が優勝。DHのトップライダーたちと2日間みっちり試走に取り組み、本番での本気の走りを間近で観る、という経験は同じMTBライダーといってもそうそうある機会ではない。山田選手のように、XCライダーの「下り強化」としてもDOWNHILL SERIESを積極的に使ってほしいと思う。

 
アンドラでの世界選手権XCOジュニア日本代表の山田将輝(limited846/LITEC)はダウンヒルにもトライし、下りのスキルを磨いている
アンドラでの世界選手権XCOジュニア日本代表の山田将輝(limited846/LITEC)はダウンヒルにもトライし、下りのスキルを磨いている


激戦のエリートクラスは、つねに優勝争いを繰り広げる下垣大樹(Lapierre/重力技研)、藤村飛丸(MUDDY CHOCOLATE/BlankyDog)に加え、広島県出身のローカルライダー田丸裕が参戦。「ここで勝たねばどこで勝つ!」と人一倍大きな声援が飛ぶ田丸選手は、結果2位。#4福井和泉でエリートクラス初優勝を飾った下垣選手が2連勝する結果となった。

PROクラスでは、隣県広島出身という事から、たくさんの応援も駆けつけた井手川選手の気合いは十分。「オレが勝つしかないね!」との宣言通り、タイムドセッションより約6秒も縮める3分12秒というタイムでフィニッシュ。

レース後、「ビビりが入っちゃいました」と話した井本選手はそれを越えることができず、3分14秒。そして最終走者。清水選手が井手川選手を0.5秒上回るタイムで中間計測地点をパスすると、そこからは清水選手らしい勢いのある圧倒的な走りで3分9秒台を叩き出し、昨年のMIZUHO大会でも優勝した清水選手の2年連続優勝が決まった。

 
昨年に続き、瑞穂で連勝を決めた清水一輝(PATROL mountain FJC)
昨年に続き、瑞穂で連勝を決めた清水一輝(PATROL mountain FJC)


優勝した清水選手は、「スタート地点まで歓声が聞こえるくらいで興奮しました!」と話す。コースサイドにギャラリーが多いのも、MIZUHO大会の雰囲気を作り上げている大きな要素。
そして、勝因を「前夜祭でのムービー解説のおかげでコースをしっかり覚えられたこと」と話した清水選手。前夜祭でのコース解説は、参加者だけでなく、PROライダー自身にとっても良い時間になったようだ。

今年はフィニッシュ地点にモニターを並べ、スタート地点・中間地点をUstreamで配信するという新たな試みも行なわれた。なかなか観ることのない仲間や家族のスタート映像に観客・ライダーともに大反響だった。年々進化するMIZUHO MTB PARK。来年はどんな新しい試みを企んでくれるのか、今から楽しみでならない。

XC BIKEクラスでは秋山忍選手(チームWAVE)、ファーストタイマー男子クラスでは上野仁、エキスパート男子クラスでは地元広島の松木貴司(KLUB KATZ)がそれぞれ優勝。女子エリートクラスでは末政実緒が2位に30秒近い差を付けて優勝を決めた。

 
終始安定した走りの末政実緒(SRAM/LITEC)はジャンプも華麗にこなす
終始安定した走りの末政実緒(SRAM/LITEC)はジャンプも華麗にこなす


次戦は#6、9/27-28に富士見パノラマにて行なわれる。
DOWNHILL SERIES 公式サイト http://dhseries.jp
photo:ⒸDOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA