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キャノンデール SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.03
新製品
2015.12.21
2015年12月9日 アメリカ・カリフォルニアで、2016年注目のニューバイクCannondale SLATEの試乗会が行われた。シクロクロス界のレジェンド、ティム・ジョンソンや今シーズンで引退するテッド・キング(キャノンデール・ガーミン)などが参加した。
サイクルフォトグラファー辻啓さんによるレポートもついに最終章へ。マリブのオンロード&オフロード、そして、それぞれのヒルクライム&ダウンヒルを駆け抜けたSLATEの可能性とは?
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.03 http://goo.gl/v194iB
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.02 http://goo.gl/lEbkF4
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.01 http://goo.gl/KYKD6I
サイクルフォトグラファー辻啓さんによるレポートもついに最終章へ。マリブのオンロード&オフロード、そして、それぞれのヒルクライム&ダウンヒルを駆け抜けたSLATEの可能性とは?
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SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.02 http://goo.gl/lEbkF4
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.01 http://goo.gl/KYKD6I
SLATE の使い方は自由。バイクカテゴリーを定義する必要なんてないし、乗る場所を決めつける必要もない。 舗装路からトレイルまで1台でこなしてしまうオールラウンダーであり、だれがどこでどう使おうが、だれも文句を言わない。確かにシチュエーションによってはロードバイクやマウンテンバイクなどの専門的なバイクには劣るし、圧倒的なアドバンテージはない。けど圧倒的な可能性と楽しさがある。
キャノンデールが謳うキャッチフレーズは「ニューロード」。その「ロード」という言葉が「ロードバイク」 を意味するのか「道」を意味するのか、それともわざと両方の意味をもたせているのかは知らないけど、野心的に「新しい」可能性に切り込んできたのは確かだと思う。
そんな印象を受けながら、バックボーン・トレイルに泣く泣く別れを告げて、海沿いのパシフィックコースト・ハイウェイに向かって舗装されたダウンヒルに飛び込んでいく。トレイルでたっぷりとかいた汗がジャージに白い紋様を残す。空は相変わらず青く、吹く風は生暖かいけど、日の傾くスピードが12月ということを思い出させてくれる。
ダウンヒルを始めてすぐ、ロックアウトさせたレフティから強い突き上げが始まった。それもそのはず、舗装路と言ってもアスファルトはひび割れだらけの荒れ荒れ具合。大きなひびに施された黒い樹脂の補修が蜘蛛の巣のように広がっている。車高の低いスーパーカーではなくアクティブにサスを動かすラリーカーで走りたい路面だ。
レフティのロックを解除すると、そんなバンピーな路面を楽しめるようになった。太いスリックタイヤが演出するグリップ感と相まって、今まで味わったことのないダウンヒル感覚がそこにあった。下ハンドルを握り、ブレーキレバーに指をかけてコーナーの出口に目線を移す。
直線での伸びは感じにくい。でもロードバイクにもマウンテンバイクにもないコーナリングの安定感がある。衝撃を上手にいなしながら路面にへばりつく。さすがに膝を擦るまでバイクを倒しこむことはないけど、頭の中のイメージはサーキットを走るモーターバイク。
実は自分が今回のライドで最も気に入ったのがこの舗装路のダウンヒルだった。太いスリックタイヤとサスペンションの組み合わせがこんな走行感を演出するとは、まぁ、ある程度予想はしていたけど。
ダウンヒルを終えてオーシャンロードに出ると「ロードレーサーから言わせてもらうと奇妙な乗り味だけど これはこれでアリ」というキャノンデール・ガーミンのテッド・キングによる鬼引き(60km/h 近く出ていた)が始まり、2日間のライドは終了。
サーファー御用達のオープンレストランで冷えたビールを注文し、渇いた身体に流し込む。カリッと揚がったフィッシュ・アンド・チップスはアメリカンサイズだった。
最後に、最初に説明するべきだったのかも知れないけど、バイクという名前の由来の説明を。
SLATE とは、 まだ紙が普及していない時代に学校でノート代わりに使われていた石板のこと。新しいものを描き出すキャンバスを意味している。
今まで積み重ねてきたものを生かしつつ、いったんキレイに掃除して、また自分の思いどおりに描き出すことができる。今回はトレイルライドだったけど、住んでいる場所や環境によってそのキャンバスは何色にも変わる。ベンチに腰掛けてビールを飲みながら、周りで子供みたいにはしゃぐライダーたちを見ながら、それぞれど んな絵を描き出すのかとぼんやり考える。
SLATE に乗って、新しい道を探しに行きたいと思う。行き先は自由だ。

問 キャノンデール・ジャパン http://www.cannondale.com/
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.01 http://goo.gl/KYKD6I
SLATEが駆け抜けたカリフォルニアトレイル Vol.02 http://goo.gl/lEbkF4
SLATE製品情報 http://goo.gl/7wFn1k