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アジア選手権2位の新城幸也「悔しさしかない」次戦はツアー・オブ・カタール

レース
新城幸也は1月24日、東京都伊豆大島で開催された2016アジア自転車競技選手権大会 男子エリートに日本代表として出場した。

日本全土を襲った大寒波による交通機関の大きな乱れは選手たちの移動や、レース日程にも影響を及ぼし、新城はタイ合宿から帰国したその日に、大型客船で8時間かけて大島入り。男子エリートのレース当日は強風が吹き付け、朝8時のスタート時には気温3℃と過酷なレースコンディションとなった。大島の北西部に設けられた1周11.9km。約6kmの細かなアップダウンを繰り返す海岸線沿いから内陸に入っての長い上り、一部平坦区間を過ぎてテクニカルな下りが含まれるコースを13周、154.7km。

序盤から強豪イラン勢が積極的に攻撃を仕掛けるが、新城はしっかりと有力選手をマークし、その動きに反応する。海岸線は高波と強風の影響で、波しぶきがコースの一部を濡らすなか、イランの2選手が集団から抜け出し、30秒ほどのタイム差で新城、台湾のフェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)の2名が追いかける展開となった。

5周回目、強風のためペースがまったく上がらないこと、また選手の安全を考慮し、3周回(距離にして35.7km)の短縮がレースの途中で発表された。残り距離が少ないことから新城はベースアップし、イランの2選手を捕え、先頭は新城を含む4選手になる。後続から7名の選手がこの4選手を猛追し、11名ほどのグループに。

 
前を追う新城、その新城をマークするイランのミズバニ
前を追う新城、その新城をマークするイランのミズバニ


そこから単独で飛び出したのは、21日に行われたタイムトライアルで優勝している、香港のチェン・キンロック。一瞬、牽制に入った集団から新城が追い上げる動きに、イランのミズバニが反応する。しかし、ミズバニは新城と協調して追うことはしなかったため、新城もいったん集団に戻り、続いて別府史之が単独でチェンを追う。

しかし、その差を詰めることができずに、別府も集団に吸収され、再び新城が単独で45秒先行する先頭のチェンを追いかける。後続集団と先頭との差は1分以上に開き、新城とチェンは20秒差に迫る。残り2周を切り、上りでペースアップした新城は先頭まで6秒に迫るが、海岸線沿いに出るとタイムトライアルの優勝者チェンが独走力の強さを見せつけ、ペースを保ったまま逃げ続けた。一方、新城は強風に阻まれ目の前のチェンに追いつくことができず、その差は10〜15秒のまま最終周回に入る。

新城の40kmに及ぶ追走は7秒及ばず、チェンが独走でゴール。タイムトライアルとの2冠を達成した。新城は2位でレースを終えた。

 
優勝は香港のチェン、2位に新城、3位に別府が入った
優勝は香港のチェン、2位に新城、3位に別府が入った


レースを振り返り、新城は「悔しさしかない。彼(優勝したチェン)は上りに入るときつそうだったから、3周回あれば上りで追いつけていたと思う。それだけに、距離の短縮は自分にとって本当に不利益だった。154.7kmと119kmのレースでは勝つ選手は違う。しかし、自分がもっと独走力があって、早い段階で追いついて勝っていれば、、、。日本チームとしてもすべてが完璧だっただけに、別府さんにも申し訳ない思いです。今回、強豪カザフスタンが出場していない中で、香港など他国のレベルが上がっていると感じた。日本もアジアの中で取り残されないよう、個々のレベルを上げアジアの強豪国とならなければいけない。」と、語っている。
  
新城の今後のレース予定は、2月8日〜のツアー・オブ・カタール、そして、2月16日〜ツアー・オブ・オマーンと中東でのレースを転戦し、3月にフランスへ戻り3月6日〜13日のパリ〜ニース、そして19日にはミラノ-サンレモと、ワールドツアーレースへの出場を予定している。【text:Miwa IIJIMA】