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NIPPO・ヴィーニファンティーニのグレガ・ボーレがG.P. コスタ・デリ・エトルスキで優勝、山本元喜が逃げて貢献

レース
11名に絞られたスプリントで先頭でゴールラインを越えるグレガ・ボーレ(C)Bettini
11名に絞られたスプリントで先頭でゴールラインを越えるグレガ・ボーレ(C)Bettini


2月7日、イタリア中部ティレニア海沿いのドロラティコを拠点に開催された、G.P.コスタ・デリ・エトルスキ(UCIヨーロッパツアー1.1)で、スロベニアのグレガ・ボーレ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が少人数のスプリントを制して優勝。その背後には、山本元喜が序盤から果敢に逃げるなど、素晴らしいチームワークがあった。

 
レース中盤、山本元喜を含む3選手が集団から大きくリードを奪う(C)Bettini
レース中盤、山本元喜を含む3選手が集団から大きくリードを奪う(C)Bettini


イタリアのレースカレンダー初戦に位置するG.P.コスタ・デリ・エトルスキは、NIPPO・ヴィーニファンティーニにとっても、ヨーロッパでの今季初戦となった。

小雨や冷たい風に見舞われ、レースは厳しい寒さのなかでスタート。序盤からアタックが繰り返されるが、その中から山本元喜ら3選手が先行し、後続から最大で11分半ほどのタイム差を稼いだ。190.6kmのレースで、残り約60kmを切ると山本が先頭集団から脱落。残りの2選手もその後しばらく先行したが、しだいに有力選手に絞られた集団に飲み込まれた。

終盤は、勝利を狙う鋭いアタックが続きながら、残り10km地点に設置された山岳ポイントを越え、ゴールラインのあるドロラティコの街に下ると、11選手によるスプリントの展開となった。そして、先頭でゴールラインを越えたのは、ボーレ。1年ぶりにNIPPO・ヴィーニファンティーニに帰ってきたエースが、チームにとって待望の今季初勝利を挙げた。

●NIPPO・ヴィーニファンティーニ 出場メンバー
山本元喜
グレガ・ボーレ(スロベニア)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)
エドワルド・グロス(ルーマニア)
リカルド・スタッキオッティ(イタリア)
ジャンフランコ・ジリオーリ(イタリア)
アントニオ・ヴィオラ(イタリア)
監督:ステファノ・ジュリアーニ

●大会公式サイト
http://www.gsemilia.it/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=107&Itemid=99

 

グレガ・ボーレのコメント
「チームメート全員に感謝したい。チームメートのおかげで、自分が動かないといけないときまで、つまり残り1kmを切るまで、脚を溜めることができ、勝利が決まるラスト300メートルでは、最高のパフォーマンスを発揮することができた。彼らは、いつ、どうやって助けたらいいのか、とてもよく理解してくれていた。この勝利をとてもうれしく思っているし、勝利の喜びをチームメートたちと共有できることもまたうれしく思う」
 

山本元喜のコメント
「チームの勝利を知ったときは、かなりうれしかったです。チームオーダーはいつもどおり『逃げに乗れるようにアタックに反応すること』『逃げに乗れれば脚を温存しながら走るように』『逃げに乗れなければチームリーダーのグレガの側にいるように』という内容でした。逃げが決まるまでは、かなりアタックが掛かり続け、最終的に15人以上の飛び出しをランプレが潰した後のカウンターアタックで決まりました。まず、ガスプロム・ルスヴェロとバルディアーニが飛び出し、そこに自分が後乗りで追い付いた形です。逃げているときは、指示どおりに脚を温存して走ろうとしていたのですが、横風がかなり強かったこともあり、後ろに入っているときにもうまく休むことができず、途中で千切れてしまいました。

チームには申し訳なく思いましたが、去年のこのレースでNIPPO・ヴィーニファンティーニは誰も逃げに送り込むことができず、集団を引くことになり、半分以上の選手がかなり消耗してしまっていました。そのことを思えば、今年は自分が集団に追いつかれたラスト2周手前では自分以外の全員が集団に残っており、先頭を引いていた様子もなかったので、千切れてしまったとはいえ、他の選手を温存するという面で逃げに乗ったことに意味があったと感じられました。

今後の抱負は、今まで目標としていた『本場ヨーロッパでの逃げに乗る』ということが達成できたので、これからは逃げに乗った上で、最後まで絶対に千切れずに、チャンスがあれば逃げ切りを狙っていきたいです」

●山本元喜ブログ(詳細なレースレポートがあります)Genki一杯
 
G.P.コスタ・デリ・エトルスキ2016の表彰台(C)Bettini
G.P.コスタ・デリ・エトルスキ2016の表彰台(C)Bettini


また2月7日まで5日間の日程でオーストラリアで開催されていたヘラルド・サンツアー(UCIオセアニアツアー2.1)では、第2ステージに小石祐馬が逃げ、山岳ポイントを獲得。最終日を終えて、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が山岳賞を獲得したが、小石が山岳賞で3位となった。

チームの次戦は、2月14日にイタリアで開催されるトロフェオ・ライグエリア(UCIヨーロッパツアー1.HC)で、山本元喜が今日から合宿に入り、出場する予定。ヨーロッパでのレースが続くが、アジアツアーの初戦は3月6日からのツール・ド・台湾(2.1)で、窪木一茂は日本ナショナルチームとして、3月2日から6日までイギリス・ロンドンで開催されるUCIトラック世界選手権に出場予定。

http://teamnippo.jp

 
ヘラルドサンツアー、第2ステージで逃げる小石祐馬(C)Con Chronis
ヘラルドサンツアー、第2ステージで逃げる小石祐馬(C)Con Chronis