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群馬県、自転車周遊ルート作りへ 対象は「富岡製糸場」ほか歴史遺産を想定

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富岡製糸場をはじめとする群馬県内の歴史文化遺産を自転車で訪れやすくするよう、県では周遊ルート作りに乗り出す。観光振興策の一環で、今後内容を検討しつつ2016年度中の実現を目指す考えだ。
 

鉄道との連携も?

世界文化遺産の富岡製糸場には年間100万人以上も訪れる。自転車周遊コースの整備を通じて、他の歴史遺産への誘客が期待される(Wikimedia Commons.)
世界文化遺産の富岡製糸場には年間100万人以上も訪れる。自転車周遊コースの整備を通じて、他の歴史遺産への誘客が期待される(Wikimedia Commons.)


世界文化遺産に指定された「富岡製糸場と絹産業遺産群」は富岡製糸場(富岡市)、田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)で構成される。また、高崎市内にある古代の3石碑で、国指定特別史跡の「上野三碑(こうづけさんぴ)」は昨年、世界記憶遺産の国内候補に選ばれた。

富岡製糸場の年間訪問者数は、世界遺産登録前は20~30万人で推移していたが、14年の登録以降は100万人を超える人気ぶりだ。一方、富岡製糸場ほか世界遺産史跡は相互に離れているため、1日で全てを訪れるのは難しい。また、荒船風穴は最寄り駅から十数kmもあり、交通の便に恵まれているとは言えない。周遊コースを作ることで、これらの歴史文化遺産を自転車で訪れやすくする。上野三碑も半径5km以内に点在しており、自転車での周遊に向く。

 
高山社跡では養蚕技術の研究や教育が行われた(Wikimedia Commons.)
高山社跡では養蚕技術の研究や教育が行われた(Wikimedia Commons.)


県は「来年度中に周遊コースを作るとの方針以外、具体的なことはまだ何も決まっていない」と話すが、「富岡製糸場沿線を結ぶ上信電鉄とも協力できれば」と期待ものぞかせる。同電鉄は自転車をそのまま車内に持ち込める「サイクルトレイン」を、土日に加え平日も運行している。

バスやマイカーでの観光は点を結ぶだけになりがちだが、自転車は観光スポットを含む地域の周遊がしやすい。現状は富岡製糸場に観光客が集中しており、自転車周遊コースの整備を通じて他の歴史文化遺産や周辺地域を訪れる人が増えることが期待される。(斉藤円華)