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インドネシアの留学生が大しめ縄の町、島根県飯南町を大絶賛。雪国でファットバイク体験も

イベント
出雲大社に飾られた世界一の大しめ縄を制作する町、島根県飯南町の日本島根飯南モニターツアーが2月25日から27日までの3日間で開催され、南国インドネシアの日本在日外国人や留学生ら9人が参加。雪道でのファットバイク体験やミニしめ縄作りなど、各プログラムでの体験が専攻分野に役だったようだ。

 
凸凹道も雪道も柔らかく進むスペシャライズドのファットバイク Fatboyに「かっこいい!欲しい!」と大興奮
凸凹道も雪道も柔らかく進むスペシャライズドのファットバイク Fatboyに「かっこいい!欲しい!」と大興奮


飯南町では東南アジアからの訪日旅行者の拡大を受けて今後、増加が見込まれるムスリム旅行者の受け入れに伴う課題や観光需要の創出を目的にモニターツアーを実施。

今回のインバウンドモニターツアーに参加した学生たちは、大阪大学、摂南大学、大阪工業大学に在籍し、工学部、情報科学研究科、国際言語文化など専門分野に特化して学び、コミュニケーション能力や感受性が高く「学ぶ」ことに関して志が高い。大阪をバスで出発して5時間、普段めったに雪を見たことがない彼らにとって雪国を訪ずれるのが初めてという人がほとんど。雪を目の前にするとドキドキとワクワク感を隠せない様子。

まず最初に道の駅赤来高原で飯南町観光協会の職員と顔合わせし、ツアーがスタート。道の駅赤来高原は2015年に開催されたご縁結びしめ縄ライドのスタート地点でサイクリングノートや水分補給、空気入れを設置するなどサイクリストを歓迎する体制が整っている。

 
道の駅赤来高原では自転車シーズンにバイクスタンドを設置する
道の駅赤来高原では自転車シーズンにバイクスタンドを設置する
地元の人が通う温泉「加田の湯」では、千と千尋の神隠しみたい!と興奮
地元の人が通う温泉「加田の湯」では、千と千尋の神隠しみたい!と興奮


ツアー前半は雪遊び体験。雪の上を歩きやすくする「かんじき」の西洋版、「スノーシュー」での雪道散歩とファットバイク体験。山道はしっかりと雪がつもっている部分はタイヤが沈んでしまい全く動けないが、雪が比較的浅いところや積もらず枝木が露出しているところ、障害物があっても難なく進む。

もちろん彼らにとってはファットバイクに乗るのも初めて。タイヤが大きくとにかくやわらかい進み心地は新感覚。自転車と言うよりも本当にアトラクションに乗っているような感覚だ。

 
アトラクション感覚でファットバイクを楽しむ
アトラクション感覚でファットバイクを楽しむ
普通の靴だと沈んでしまう雪道もスノーシューならスムーズに歩ける
普通の靴だと沈んでしまう雪道もスノーシューならスムーズに歩ける


翌日の午前中はスキー体験とゲレンデで今回特別に乗ることを許可してもらったファットバイク体験。琴引フォレストスキー場のある琴引山のふもとはクライマー大満足の激坂レース、「飯南ヒルクライム」のスタート地点。夏は暑さと坂の厳しさ、緑の豊かさが魅力だが冬は完全な雪国になり、がらりと姿を変える。

スキー場はゆっくりとインストラクターのスキー講習を受けることができ、初ゲレンデ、初スキーにドキドキワクワク。今回特別に乗車を許されたゲレンデでのファットバイクも山道よりはずっと走りやすく、少しの距離だったがみんな大興奮だった。

初めてスキーを体験したナルドさんは「何度も転んで柵にぶつかって失敗したけれど、インストラクターの人が一生懸命励ましてくれて勇気をもらえた。下まで滑れた時は感動して涙が出た。日本に長年留学しているけれどこんな風に日本の人と交流できたのは初めてでとても感動した」と日本に親しみを感じてくれたようだ。

 
冬は雪国に姿を変えスキーを楽しめる琴引フォレストパークスキー場になる
冬は雪国に姿を変えスキーを楽しめる琴引フォレストパークスキー場になる
名産のマイタケ工場見学
名産のマイタケ工場見学

ミニしめ縄づくり 神様を尊敬する心を感じ取れた

雪遊びに後ろ髪をひかれつつ、一行は今回のメインイベント、道の駅頓原にある「大しめなわ創作館」へ。出雲大社で飾られている大しめ縄の稲穂を使ったミニしめなわ作り体験だ。

大しめ縄は約7年に一度作りかえられ、重さは約4.5トン、長さ15.5m、総勢300人以上でクレーン車を使って作られる。使われている赤稲穂は食用でなく大しめ縄専用に作られたもの。注目したいのは全国各地の神社に奉納される大しめ縄の保管方法。

完成して奉納されるまでの間、形を崩さないように吊るされているが、これにぴったりなのがミノウラのバイクスタンド。頑丈で軽量なだけでなく、細く分解できるためしめ縄に差し込んで吊るした状態で保管できる。

また、各神社に奉納する時も分解してトラックに積み込めるため大変重宝し、しめ縄づくり必須道具になっているのだ。

古いしめ縄は山に置いて自然に土に還していくといった説明を受けた学生たち。国際言語文化を専攻するアニタさんは「地元の人と交流しながらしめ縄を作る、いろいろな話を聞けたし専攻分野に活かせると思った。何より私は神様の存在を信じている。大しめ縄は神様を敬う気持ちを形にしたもの。あんなにも大きなもので感動。宗教は違うものの、とても共感でき嬉しかった」と活き活きとした表情。

ミニしめ縄づくりは二つに分かれた稲穂をねじってそれをまた重ねてねじるという作業を繰り返すのが難しく、みな苦戦。実際に体験することでしめ縄づくりがいかに大変か知ることができた。

このほか、地元の人が使う温泉「加田の湯」や名産品のマイタケ工場見学や雪の中に静かにそびえる赤穴八幡宮という神社に訪れたりと内容も充実し大満足。もっともっと日本の町を見てみたいという気持ちが高まったようだ。

 
みな真剣な表情でミニしめ縄を作る
みな真剣な表情でミニしめ縄を作る
ミノウラのバイクスタンドはしめ縄づくりになくてはならない存在
ミノウラのバイクスタンドはしめ縄づくりになくてはならない存在

日本の文化を知り、地元の人ともっと交流したい

今回のツアーメンバーはイスラム教とキリスト教を信仰し、豚肉とアルコールを摂取してはならなかったり、イスラム法において合法なものである照明「ハラール認証」が必要だったりと宗教上の理由でできないことも多かった。また、1日に何度もサラ―トというお祈りの時間を確保しないといけないなど観光相手となると少しハードルが高い。

そんな彼らが共通して求めたのは定番やありきたりの観光ではなかった。地元の人たちとの交流やこの土地、場所でしか見たり感じたりすることができない何かだ。それは日本が伝統的に守り、当たり前に残っている風習を感じ取り、自国の文化との共通点を探り、発見し共に喜びあうこと。「思い出」、「人脈」といったものに変えられない財産を生みだすことだ。

3日間を共にした観光協会職員も彼らと真の交流ができ互いに理解し、学習、向上心の高い彼らのニーズをきちんと受け止められた。今後は「訪れた人の財産になるようなツアー」を練られるきっかけになったようだ。

主催:一般社団法人飯南町観光協会
「さとやまにあ」飯南町観光協会 http://www.satoyamania.net/

 
出雲大社に祀られた大しめ縄の実際のあまりの大きさに感動するメンバーたち
出雲大社に祀られた大しめ縄の実際のあまりの大きさに感動するメンバーたち