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ツール第2ステージはアップヒルゴールをアルカンシエルのサガンが制してマイヨ・ジョーヌ初獲得!

レース
フランス期待のアラフィリップを打ち負かして区間優勝した世界チャンピオンのサガン(Photo: YAZUKA WADA)
フランス期待のアラフィリップを打ち負かして区間優勝した世界チャンピオンのサガン(Photo: YAZUKA WADA)
 
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月3日にサン・ローからシェルブール・アン・コタンタンまでの183kmで第2ステージを競い、世界チャンピオンのペーテル・サガン(ティンコフ)が、アップヒルのゴールスプリントで地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)を打ち負かして区間優勝した。

サガンがツールで区間優勝したのは、実に2013年の第7ステージ以来だった。世界チャンピオンの証であるアルカンシエルを着た選手がツールで区間優勝するのは、2012年のマーク・カヴェンディッシュ以来のことだ。サガンは総合成績でも首位に立ち、初めてマイヨ・ジョーヌにソデを通した。

第1ステージの落車で負傷したスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ)は、この日も60km地点で発生した落車に巻き込まれてしまった。彼は結局メイングループよりも48秒遅れでゴールしている。

オーストラリアのリッチー・ポート(BMC)は、ゴールまで残り4.4kmで後輪のパンクに見舞われてしまった。その結果、彼はこのステージで1分45秒も遅れてしまった。

 
26歳のサガンは初めてマイヨ・ジョーヌにソデを通した(Photo: YAZUKA WADA)
26歳のサガンは初めてマイヨ・ジョーヌにソデを通した(Photo: YAZUKA WADA)

雨の一日になった第2ステージ

霧雨の中を逃げ続けた4選手(Photo: YAZUKA WADA)
霧雨の中を逃げ続けた4選手(Photo: YAZUKA WADA)
カヴェンディッシュはこの日、生まれて初めてマイヨ・ジョーヌを着て走った(Photo: YAZUKA WADA)
カヴェンディッシュはこの日、生まれて初めてマイヨ・ジョーヌを着て走った(Photo: YAZUKA WADA)
前日の落車でケガをしたコンタドールには厳しい1日になった…(Photo: YAZUKA WADA)
前日の落車でケガをしたコンタドールには厳しい1日になった…(Photo: YAZUKA WADA)
第2ステージは198人が出走。スタート時に雨は一時止んでいたが、その後は霧雨が降りつづく一日だった。オフィシャルスタートからアタックしたのは、前日に山岳賞を獲得し、マイヨ・アポワを着ていたドイツのパウル・フォス(ボーラ・アルゴン18)だった。

フォスにはチームメートのチェーザレ・ベネデッティ(ボーラ・アルゴン18)、ベルギーのヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード)、ノルウエーのベーガル・ブレアン(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)が付いて行った。

4人の逃げは20km地点で集団に5分半のタイム差を付けていた。序盤にあった3カ所のカテゴリー4の丘のうち、2カ所をスタイブンがトップで通過し、山岳賞総合でマイヨ・アポワのフォスに並んだ。

集団では60km地点で落車が発生し、コンタドール、ホアキン・ロドリゲスとアンヘル・ビシオソ(カチューシャ)、ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン)、トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)、マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ)が巻き込まれたが、大きなケガを負った選手はなく、全員集団に復帰した。

ツールの公式テキストライブのインタビューで、ドイツのマルディンは前夜に行われたサッカーのユーロ2016(ドイツ対イタリア戦)を最後まで観て夜更かししてしまったと語っていた。「もっと早く寝るつもりだったのに、できなかった。最後のPKまで観なくちゃならなかったからね。でも最後はドイツが勝ったからうれしいよ」と、彼は語っている。

4人の逃げは69km地点で最大6分50秒差にまで開いたが、集団は初めてマイヨ・ジョーヌを着て走るカヴェンディッシュのディメンションデータがコントロールし、それ以上にはならなかった。


ゴールまで残り50kmを切ると集団は逃げを追い始めた。そしてBMC、アスタナ、ティンコフと言ったトップチームが仕事を始めると、その差はあっという間に縮まっていった。残り25kmでベネディクトが脱落し、先頭の逃げは3人になった。

そこからゴールまで残り8.5kmでベルギーのスタイブンがアタックし、独走でゴールを目指した。彼はゴール手前1.5kmにあったカテゴリー3のグラスリーの丘を先頭で通過し、山岳賞でトップに立った。しかし、集団はすぐ後方に迫っていて、スタイブンはゴールまでたった500メートルで捕まってしまった。

平均勾配5.7%のアップヒルで競われたゴールスプリントで先行したのは今大会に初出場している地元フランス期待のアラフィリップだったが、フィニッシュラインの目前でアルカンシエルのサガンにあっさり抜かれてしまった。フィニッシュライン通過後、アラフィリップは悔しそうにハンドルを叩いていた。

 
 
スタイブンはゴール手前500メートルで捕まってしまったが、マイヨ・アポワと赤ゼッケンを獲得した(Photo: YAZUKA WADA)
スタイブンはゴール手前500メートルで捕まってしまったが、マイヨ・アポワと赤ゼッケンを獲得した(Photo: YAZUKA WADA)
■区間優勝してマイヨ・ジョーヌを獲得したサガンのコメント「勝ててとても驚いた。前にはまだ2人選手がいると思っていたんだ。最後の最後に、僕たちは勝利をかけてスプリントをしているんだと気がついたんだ。1番になってとてもうれしいよ」

「チームは今日、とても大きな仕事をしてくれた。最後の上り坂では、クロイツィーゲルがすごく助けてくれた。彼は500メートルまで全力で走ってくれた。アラフィリップは最後僅差だったけど、打ち負かすことができた。初めてのマイヨ・ジョーヌだ。とても素晴らしいマイヨだね。確かにこれは特別だよ」

■初出場のツールで区間優勝を逃した地元フランスのアラフィリップ「今日はツールで初めて感動したが、同時にちょっとがっかりした。それほど優勝に近かったからだ。フラストレーションを感じる。僕は幸せなはずだろうと言われた。それは多分真実だ。だってサガンはビッグなチャンピオンだからね。それにこれは僕にとって初めてのツールだし。まだたくさんのことを学ばなければならない」

■2日連続で落車したコンタドールのコメント「思っていたよりも多くのタイムを失ってしまった。別の落車に遭い、僕はハンドルバーにぶつかって、昨日とは反対側を痛めてしまったんだ。落ち着かなければならないし、やる気を失ってはいけない。まだ地に足を付けているが、本当に痛めつけられている。このツールは本当に悪いスタートだ。これが自転車競技だ。ピレネーとアルプスでタイムを稼げるか様子を見なければならない。自分に何ができるか見極めなければならない」
 


7月4日の第3ステージはグランビルをスタート。グランデパールのマンシュ県に別れを告げて南下を開始し、メーヌ・エ・ロワール県のアンジェにゴールする223.5kmの平坦ステージが行われる。

 
MAP : ASO
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MAP : ASO
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■第2ステージ結果[7月3日/サン・ロー~シェルブール・アン・コタンタン/183km]

1 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)4時間20分51秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)
4 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)
5 マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)
6 ウィルコ・ケルデルマン(ロトNL・ユンボ/オランダ)
7 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)
8 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)
9 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)
10 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)
61 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+48秒
81 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+1分45秒
166 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+6分51秒
167 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+6分51秒
■第2ステージまでの総合成績 
1 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)8時間34分42秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)+8秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10秒
4 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+14秒
5 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+14秒
6 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)+14秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+14秒
8 ロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ/チェコ)+14秒
9 サイモン・ゲランズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)+14秒
10 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+14秒
62 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+1分02秒
81 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+1分59秒
153 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+7分05秒
188 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+9分53秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
※第3ステージはマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が着用
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード/ベルギー)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)
■チーム成績(黄ゼッケン):オリカ・バイクエクスチェンジ(オーストラリア)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード/ベルギー)
(http://www.letour.fr/us/)
 










ツール第2ステージの公式ダイジェスト映像




Summary - Stage 2 (Saint-Lô / Cherbourg-en... 投稿者 tourdefrance_en