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ツール第3ステージは写真判定でカヴェンディッシュがグライペルを下し、今大会2勝目!

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第3ステージのゴールスプリントは写真判定にもつれ込んだ(Photo: YAZUKA WADA)
第3ステージのゴールスプリントは写真判定にもつれ込んだ(Photo: YAZUKA WADA)

第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月4日にグランビルからアンジェまでの223.5kmで第3ステージを競い、集団ゴールスプリントは写真判定にもつれ込み、英国のマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が、ドイツチャンピオンのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)を下して今大会2勝目を上げた。

これでカヴェンディッシュのツール通算区間優勝数は28勝になり、ツール最多区間優勝数で2位のベルナール・イノー(フランス)に並んだ。1位はエディ・メルクス(ベルギー)の34勝だ。

この日、カヴェンディッシュはポイント賞総合2位でマイヨ・ベールを着用していたが、区間2勝目を上げたことでふたたびポイント勝総合首位に返り咲いた。

マイヨ・ジョーヌはスロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ)が守った。

 
カヴェンディッシュは昨年8月に生まれた長男フライ君を抱き、愛娘デライラちゃんも連れて表彰台に上がった(Photo: YAZUKA WADA)
カヴェンディッシュは昨年8月に生まれた長男フライ君を抱き、愛娘デライラちゃんも連れて表彰台に上がった(Photo: YAZUKA WADA)

ブルターニュ出身のフォンセカが0kmアタック!

前半はスローペースでサイクリングを楽しんでいた集団(Photo: YAZUKA WADA)
前半はスローペースでサイクリングを楽しんでいた集団(Photo: YAZUKA WADA)
200km以上逃げたが敢闘賞はもらえなかったフォンセカ(Photo: YAZUKA WADA)
200km以上逃げたが敢闘賞はもらえなかったフォンセカ(Photo: YAZUKA WADA)
第3ステージは198選手が出走。この日はマンシュ県のグランビルをスタートし、ブルターニュ地方を通過してメーヌ・エ・ロワール県のアンジェにゴールする平坦区間だった。

スタートから飛び出したのは、今大会に参加している4人のブルターニュ出身選手の1人であるアルマンド・フォンセカ(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)だった。

フォンセカは25km地点で11分を越えるタイム差を付けて独走を続けた。この日集団はのんびりとサイクリングを楽しみ、最初の1時間の平均時速は38.4km/hだった。

集団はこの日初めてツールでマイヨ・ジョーヌを着て走った世界チャンピオンのペーテル・サガンを擁するティンコフがコントロール。しかし、75km地点でフォンセカとのタイム差はまだ7分あった。非常にスローペースなステージで、3時間終了した時点での平均時速は33.7km/hだった。

ゴールまで残り88kmで、集団から地元フランスのトーマ・ボークレール(ディレクトエネルジー)がアタック。5分半先行しているフォンセカを1人で追走し、6km先で追いついた。しかし、集団は着実に2人の逃げを追い詰めていった。

集団はロット・ソウダルとエティックス・クイックステップが引き、ゴールまで残り52.5kmの中間スプリントポイントを、マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)が集団の先頭で通過した時、タイム差は40秒にまで減っていた。

フォンセカとボークレールは、残り8kmで集団に吸収された。この逃げで敢闘賞を獲得したのは、200km以上単独で逃げ続けたフォンセカではなく、これが14回目のツール出場になるベテランのボークレールだった。
 
ゴール直後のカヴェンディッシュ。彼自身はこの時すでに勝利を確信していた(Photo: YAZUKA WADA)
ゴール直後のカヴェンディッシュ。彼自身はこの時すでに勝利を確信していた(Photo: YAZUKA WADA)
最後の集団ゴールスプリントは、機関車のグレッグ・ヘンダーソン(ロット・ソウダル)に引かれたドイツチャンピオンのグライペルが先行し、そのまま優勝するかに見えた。しかし、グライペルの後方にずっと付いていたカヴェンディッシュが最後に飛び出し、フィニッシュラインではグライペルの左に並んでいた。

ゴール直後、先に勝ち名乗りで手を上げたのはグライペルだったが、判定写真では明らかにカヴェンディッシュが勝っていた。

「普通ボクは勝ったか負けたかわかる。フィニッシュラインを通過した時、今日は取れたとまあわかっていた。でも、何が起きるかわからないものだ。ボクは後方から行かなければならないと知っていた。ボクは自分のスプリントを始めるために、グライペルの後ろにいたかったんだ。彼がボクを連れて行ったのには驚いたけど、やり遂げられてうれしいよ」と、カヴェンディッシュは説明している。
 
マイヨ・ジョーヌはサガンがキープした(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌはサガンがキープした(Photo: YAZUKA WADA)
 
7月5日はソミュールからリモージュまでの237.5kmで、今大会最長の第4ステージが行われる。平坦区間だが、ゴール前は軽いアップヒルになっている。
 
MAP : ASO
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■第3ステージ結果[7月4日/グランビル~アンジェ/223.5km]

1 マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ/英国)5時間59分54秒
2 アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)
3 ブライアン・コカール(ディレクトエネルジー/フランス)
4 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
5 エドワルド・トゥンス(トレック・セガフレード/ベルギー)
6 ゾンドルホルスト・エンガー(IAM/ノルウェー)
7 マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
8 クリストフ・ラポルト(コフィディス/フランス)
9 ダニエル・マクレー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト/英国)
10 ディラン・フルーネウェーゲン(ロトNL・ユンボ/オランダ)
67 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)
77 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)
■第3ステージまでの総合成績 
1 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)14時間34分36秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)+8秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10秒
4 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+14秒
5 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+14秒
6 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+14秒
7 ロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ/チェコ)+14秒
8 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)+14秒
9 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+14秒
10 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+14秒
57 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+1分02秒
139 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+7分05秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード/ベルギー)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)
■チーム成績(黄ゼッケン):オリカ・バイクエクスチェンジ(オーストラリア)
■敢闘賞(赤ゼッケン):トーマ・ボークレール(ディレクトエネルジー/フランス)
(http://www.letour.fr/us/)
 






ツール第3ステージの公式ダイジェスト映像




Summary - Stage 3 (Granville / Angers) - Tour... 投稿者 tourdefrance_en