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ツール・ド・フランス 2016 で英国のフルームが3度目の総合優勝!

レース
 
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月24日にシャンティイからパリのシャンゼリゼ大通りまでの113kmで最終ステージを競い、英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が、2013年、2015年につづいて3度目の総合優勝を果たして閉幕した。

これでフルームは、ベルギーのフィリップ・テイス(1913、1914、1920)、フランスのルイゾン・ボベ(1953、1954、1955)、米国のグレッグ・レモン(1986、1989、1990)の記録に並んだ。

総合2位は地元フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)、3位はコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)で、凱旋門を臨む表彰台でマイヨ・ジョーヌを着たフルームの両脇に立った。



シャンゼリゼゴールの最終ステージはドイツチャンピオンのアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)がやっと集団ゴールスプリントを制することができ、昨年につづいて区間優勝した。

ポイント賞のマイヨ・ベールは、世界チャンピオンのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)が、2012年から5年連続で獲得し、ポイント賞獲得回数で単独2位になった。ポイント賞最多獲得回数はドイツのエリック・ツァーベル(1996~2001)の6回だ。

山岳賞のマイヨ・アポワは、ポーランドのラファウ・マイカ(ティンコフ)が2014年につづいて2度目の受賞を果たした。

1991年1月1日以降に生まれた選手が対象となる新人賞のマイヨ・ブランは、1992年8月7日生まれで23歳のアダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)が初受賞した。英国人がツールの新人賞を獲得したのは初めてだった。

 
サガンとのゴールスプリントを制したグライペル
サガンとのゴールスプリントを制したグライペル

グライペルがやっとスプリントを制した!

シャンゼリゼ大通りのサーキットを逃げる8人の選手たち(Photo: YAZUKA WADA)
シャンゼリゼ大通りのサーキットを逃げる8人の選手たち(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌのフルームはチームメートに守られていた(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌのフルームはチームメートに守られていた(Photo: YAZUKA WADA)
チームメートたちと勝利を喜ぶフルーム(Photo: YAZUKA WADA)
チームメートたちと勝利を喜ぶフルーム(Photo: YAZUKA WADA)
第21ステージは175選手が出走。オフィシャルスタートは総合ディレクターのクリスティアン・プリュドムが乗るオフィシャルカーに同乗したベルナール・イノーが旗を降った。イノーは今季でASOの仕事を引退するため、これが最後のツールだった。

シャンティイーから凱旋サイクリングでパリに到着し、シャンゼリゼ大通りには今季限りでの引退を表明しているスペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が先頭で入ってきた。

シャンゼリゼ大通りの周回コースに入り、レースがスタート。集団から8人の選手がアタックした。メンバーはアレクシス・グジャール(AG2R・ラモンディアル)、ローソン・クラドック(キャノンデール・ドラパック)、マルクス・ブルクハルト(BMC)、ジェレミー・ロワ(FDJ)、ヤン・バルタ(ボーラ・アルゴン18)、ルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)、ブリス・フェイユー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)で、20秒前後のタイム差を付けて先行し続けた。

集団では、ツール終了まで残り50kmだと言うのに、ドイツのトニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)がヒザの痛みでレースを棄権してしまった。

エティックス・クイックステップの不運は続き、ゴールまで残り35kmでこの日の区間優勝を期待されていたマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)がパンクに見舞われてしまった。キッテルは一時1分半遅れになったが、残り28kmで何とか集団の後方に合流することができた。

集団はディレクトエネルジーが引き続け、残り20kmで逃げのタイム差は10秒を切った。残り3周回となり、集団からはルーク・ロウとウォートル・プールス(スカイ)が飛び出して逃げに合流し、今年のツールは誰が主役なのかをデモンストレーションしていた。

逃げが吸収された後、残り13kmでアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)が飛び出し、グレッグ・バンアーベルマート(BMC)が合流した。しかし、2人はIAMサイクリングが引く集団に捕まり、大集団で最終周回を迎えた。

地元フランスのブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)は、ゴールまで残り3kmを切ったところでパンクに見舞われ、最後のゴールスプリントに加わることはできなかった。

最後はロット・ソウダルが列車を組み、フラムルージュ通過後に最初にスパートしたのはアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)だったが、その後方から飛び出したグライペルが先頭でフィニッシュラインを通過した。マイヨ・ベールのペーテル・サガン(ティンコフ)はグライペルの後方から飛び出して差したが、ドイツチャンピオンはすでにフィニッシュラインを通過し、勝利の雄叫びを上げていた。

マイヨ・ジョーヌのフルームは、チームメートたちと一列に並んでゆっくりゴール。そこに待ち受けていた妻子と勝利の喜びを分かち合っていた。

 
(Photo: YAZUKA WADA)
(Photo: YAZUKA WADA)
■最終日にやっと区間優勝できたグライペルのコメント「言葉で言い表すことができない。今日、自分たちがやり遂げたことをとても誇りに思う。そのために3週間、レースをしたんだ。チームはボクを信じ続けてくれた。我々は何度も挑戦し、ドヘントとボクで区間2勝してツールを去ることができる。

今朝、我々にはいいプランがあった。最後は向かい風だった。ボクはただ、冷静であり続けた。フィナーレを迎えた時、我々は1人足りなかったので、ボクはクリストフの後ろに付くことを選択した。彼が最強だったからだ。これはツール・ド・フランスでまた別のステージ優勝だ。素晴らしいよ」
 

 
ポイント賞&スーパー敢闘賞を獲得したサガン(Photo: YAZUKA WADA)
ポイント賞&スーパー敢闘賞を獲得したサガン(Photo: YAZUKA WADA)
山岳賞(マイヨ・アポワ)のマイカ(Photo: YAZUKA WADA)
山岳賞(マイヨ・アポワ)のマイカ(Photo: YAZUKA WADA)
新人賞(マイヨ・ブラン)のイエーツ(Photo: YAZUKA WADA)
新人賞(マイヨ・ブラン)のイエーツ(Photo: YAZUKA WADA)
最終日にようやく区間優勝を果たしたグライペル(Photo: YAZUKA WADA)
最終日にようやく区間優勝を果たしたグライペル(Photo: YAZUKA WADA)
チームスカイは9人全員が完走し、勝利の喜びを分かち合った(Photo: YAZUKA WADA)
チームスカイは9人全員が完走し、勝利の喜びを分かち合った(Photo: YAZUKA WADA)

■第21ステージ結果[7月24日/シャンティイ~パリ・シャンゼリゼ/113km]
1 アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)2時間43分08秒
2 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
3 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウェー)
4 エドワルド・ボアソンハーゲン(ディメンションデータ/ノルウェー)
5 マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)
6 ヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード/ベルギー)
7 ラムナス・ナバルダウスカス(キャノンデール・ドラパック/リトアニア)
8 クリストフ・ラポルト(コフィディス/フランス)
9 サム・ベネット(ボーラ・アルゴン18/アイルランド)
10 レイナルト・ヤンセバンレンスブルク(ディメンションデータ/南アフリカ)
52 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
53 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)
138 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)

[第103回ツール・ド・フランス 個人総合最終成績]
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)89時間04分48秒
2 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+4分05秒
3 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+4分21秒
4 アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+4分42秒
5 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+5分17秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+6分16秒
7 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+6分58秒
8 ルイ・メインティス(ランプレ・メリダ/南アフリカ)+6分58秒
9 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+7分04秒
10 ロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ/チェコ)+7分11秒
11 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+13分13秒
13 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+19分20秒
116 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+3時間57分06秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)
■新人賞(マイヨ・ブラン):アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■スーパー敢闘賞:ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
(http://www.letour.fr/us/)
 
 
(Photo: YAZUKA WADA)
(Photo: YAZUKA WADA)
VIVE LE TOUR et VIVE LA FRANCE! (Photo: YAZUKA WADA)
VIVE LE TOUR et VIVE LA FRANCE! (Photo: YAZUKA WADA)




















ツール第21ステージの公式ダイジェスト映像


Summary - Stage 21 (Chantilly / Paris Champs... 投稿者 tourdefrance_en